2024.03.01
ECサイトの購入率とは?平均や計算方法を紹介
ECサイトの運営に関わっている方には「ECサイトの購入率の平均はどれくらいなの?」といった疑問があるのではないでしょうか。ほかにも、「自社サイトで購入率を上げる方法を知りたい」と考えている方もいるかもしれません。
本記事では、ECサイトの購入率について解説します。また、ECサイトで購入率が下がる原因やECサイトの購入率を上げる方法についても触れていきます。本記事を読むことで、購入率を上げるための具体的な施策や改善方法が分かるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- ECサイトの平均購入率
- ECサイトで購入率が下がる原因
- ECサイトの購入率を上げる方法
目次
ECサイトの購入率とは?
ECサイトの購入率とは、ECサイトに訪れたユーザーのうち、実際に商品を購入した人の割合のことです。購入率は「コンバージョン率(CVR)」と呼ばれることもあります。
ECサイトは買い物を目的としたものですが、さまざまな理由から買い物しないでサイトから離れるユーザーも少なくありません。購入率を求めることで、自社サイトでどれくらい多くのユーザーが買い物をしているのか把握できます。
購入率の計算方法
購入率の計算方法は以下の通りです。
購入率の計算方法 | 商品購入数÷セッション数=購入率 |
---|---|
例 | 80÷1000=8% |
購入率はセッション数に対してどれくらい商品購入数があるかによって求められます。セッション数とは、ユーザーがECサイトに訪れた回数のことです。
たとえば、ある期間に1,000人のユーザーが訪問し、そのうち80人のユーザーが買い物をし
た場合、購入率は8%となります。
購入率の重要性
ECサイトで購入率が重要な理由として、ECサイトの売上や効果測定のための指標であることが挙げられます。
ECサイトを改善するには、購入率が低いページや商品を分析することが必要です。こうした分析によってユーザーニーズを把握できるようになり、必要な商品や導線の配置などが分かるようになります。また、購入率の向上を目指すことで、転換率や集客率の向上にもつながるでしょう。
さらに、売上は訪問者数(セッション数)×購入率(CVR)×客単価で決まることから、購入率が高いほど同じ訪問者数や客単価でも売上が高くなります。こうした計算方法からも、売上アップのためには購入率の向上が欠かせません。
ECサイトの平均購入率と業種別の目安
ECサイトの平均購入率は、全体を通して見ると1~2%程度です。ただし、業種によって以下のように平均購入率は異なります。
業種 | 平均購入率(CVR) 2024年2月 |
---|---|
美術工芸品 | 4.25% |
新生児・子供用品 | 0.91% |
車・バイク | 1.27% |
電気機器・業務機器 | 1.42% |
ファッション・アクセサリー | 1.79% |
食品・飲料 | 1.00% |
健康・福祉用品 | 3.13% |
キッチン用品 | 2.62% |
ペット用品 | 2.42% |
スポーツ・レクリエーション | 1.48% |
玩具・ゲーム・ホビー | 1.88% |
出典:Ecommerce Market Data and Ecommerce Benchmarks|IRP Commerce
美術工芸品の購入率は4%以上ですが、新生児・子供用品の購入率は1%未満です。このように、取り扱うジャンルによって購入率は変動します。
ECサイトで購入率が下がる6つの原因
ECサイトで購入率が下がる原因として、以下の点が挙げられます。
- サイトのデザインやレイアウトが見づらい
- 商品の情報や説明、写真が不十分
- カートや決済の操作が煩雑
- 配送や返品の条件が不明確
- 信頼性や安全性が低い
- 顧客のニーズに合わない
ここからは、それぞれの原因について解説します。
サイトのデザインやレイアウトが見づらい
ECサイトで購入率が下がっている原因の1つとして、サイトのデザイン・レイアウトの問題が挙げられます。ユーザーにとって使いやすい設計になっていないと、必要な情報を得られなかったり、操作に迷ったりして離脱してしまうからです。
また、サイトの表示速度が遅いことも、ユーザーが離脱する原因です。ECサイトの場合、表示スピードは遅くても2〜3秒以内に収まっているといいでしょう。
商品の情報や説明、写真が不十分
商品の説明、写真が不十分であることも、購入率が下がる原因となります。商品の情報が少ないと、具体的な使用イメージを想像できず、商品の魅力が伝わりません。
また、商品に魅力を感じたとしても、サイズやカラーが想定通りかどうか分からず、購入まで踏み切れないケースもあります。この場合、同じ商品を取り扱っている他社サイトに流れる可能性もあります。
カートや決済の操作が煩雑
カートや決済までの操作がスムーズでないと、購入に時間や手間がかかると感じて途中で離脱されることがあります。カゴ落ちを避けるには、購入までのステップをなるべく減らす工夫が必要です。
なお、カゴ落ちについては以下の記事で解説しています。こちらもあわせてお読みください。
配送や返品の条件が不明確
配送や返品に関する条件が分からないと、購入の意思決定に大きく影響を与え、購入率が下がってしまうでしょう。なかでも、以下のような情報が不足していると、購入率が下がる傾向にあります。
- 配送料
- 配送日
- 返品ポリシー
- 手数料
配送や返品の条件を明示することで、商品の受け取りや返却に関する不安や疑問を解消できます。ユーザーにとって購入のハードルが下がるため、優先的に対策したい項目です。
信頼性や安全性が低い
ECサイトそのものの信頼性や安全性が低いと、ユーザーに利用してもらえせん。特に、以下のような点で信頼を得られないと、ユーザーは離脱してしまいます。
- 個人情報の取り扱い
- クレジットカード情報の取り扱いや
- サイトのセキュリティ対策
こうした心理から、購入率を上げるには、信頼性・安全性を上げるような工夫が必要です。
顧客のニーズに合わない
そもそも顧客のニーズに合っていないECサイトは、アクセスがあっても商品を購入してもらえません。取り扱っている商品に魅力を感じてもらえない場合、商品選びをやり直す必要があるでしょう。
ECサイトの購入率を上げる8つの方法
ECサイトの購入率を上げる方法として、以下の工夫が挙げられます。
- サイトのデザインやレイアウトを改善する
- 商品の情報や写真を充実させる
- カートや決済の操作を簡単にする
- 配送や返品の条件を明確にする
- 信頼性や安全性を高める
- 顧客のニーズや動機に応える
- レビューや口コミを活用する
- クーポンやポイントなどのインセンティブを提供する
ここからは、それぞれの方法について解説します。
サイトのデザインやレイアウトを改善する
購入率を上げるには、ECサイトのデザイン・レイアウトの改善が効果的です。具体的な改善策として、以下の方法があります。
- TOPページを改善する
- カラーやフォントを統一する
- ロゴやメニューを目立たせる
- サイト構造やナビゲーションをシンプルにして操作しやすくする
- レスポンシブデザインを導入する
中でも、レスポンシブデザインによるスマートフォン最適化は優先すべき改善策です。最近ではスマホやタブレットから検索するユーザーが増えてきています。そのままスムーズに購入してもらうには、ストレスなく利用できるECサイトにする必要があります。
商品の情報や写真を充実させる
商品情報が不足している場合は、商品のサイズや素材、色や形、商品の使用例や効果などのメリットを伝えられるような工夫が必要です。商品の情報や写真を充実させる方法としては、以下のような方法があります。
- キーワードや見出しを工夫し商品説明をわかりやすくする
- 角度違いや拡大写真などのバリエーションを増やし商品の写真を複数枚用意する
- 動画によってユーザーが使用イメージを想像できるようにする
- Q&A・FAQによって商品に関する疑問や不安を解消できるようにする
なお、商品説明の書き方については以下の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてお読みください。
カートや決済の操作を簡単にする
ショッピングカートや決済画面の操作性を簡単にすると、購入率を改善できるでしょう。たとえば、カートに入れた商品の確認や変更をスムーズにしたり、会員登録やログイン、配送先や支払い方法の選択を簡単にしたりすることが必要です。
そこで、以下のような改善策を取り入れてみましょう。
- カートに入れた商品の数や金額を常に表示する
- カートの商品をいつでも確認・変更できるようにする
- 会員登録やログインなしのゲスト購入ができるようにする
- SNS連携で会員登録できるようにする
- 配送先や配送日、支払い方法の選択肢を増やす
- 決済手順を最小限にし、進捗や確認画面をわかりやすくする
配送や返品の条件を明確にする
配送や返品の条件を明確にすることでユーザーが安心して買い物できるようになり、購入率が向上します。そのためには、以下のような施策を実施しましょう。
- 配送・返品の条件を商品ページやカートページに表示して目立たせる
- 返品ポリシー専用のページを作成して返送料や返品条件、問い合わせ先を明確にする
- 返品時の手間を減らせるようにする
信頼性や安全性を高める
ユーザーに自社サイトが安心できることを示すために、個人情報やクレジットカード情報の取り扱いに関するプライバシーポリシーや、利用規約を明記する必要があります。具体的には、以下のような施策を行いましょう。
- サイトのセキュリティ対策を強化する
- SSL証明書やセキュリティロゴなどを表示する
- サイト運営者や連絡先など情報を明確にする
顧客のニーズや動機に応える
購入率を向上させるには、ユーザーニーズや検索の動機に応える必要があります。そのためには、顧客属性や行動、購買履歴などを分析することが重要です。
ユーザーニーズや市場のトレンドが分かったら、ニーズや動機に合わせて、商品の価値やメリットを強調しましょう。たとえば、お得感を求めているのか、高級感を求めているのかによってアピールポイントは異なります。
ほかにも、商品のカテゴリーや検索条件、関連商品のレコメンド設定の見直しも必要です。
レビューや口コミを活用する
ECサイトで取り扱っている商品のレビューや口コミを掲載することも効果的です。使用感のイメージを掴んでもらいやすくなることで、購入率の向上を期待できます。
対策としては、口コミを投稿する機能をECサイトに導入しましょう。商品説明と合わせて確認できるようにすると、ユーザーに注目してもらいやすくなります。
ただし、口コミの投稿はユーザーにとって負担です。少しでもお得感を出すために、レビュー投稿をしたユーザーにクーポンやポイントを提供するとさらにいいでしょう。
クーポンやポイントなどのインセンティブを提供する
商品購入に応じてクーポンやポイントを提供することで、他社サイトにはないメリットを見出してくれるため、購入率向上につなげられます。
クーポンやポイントを利用してもらうコツは、使用期限や条件を設けることです。「今買わないと損をしてしまう」「まとめ買いした方がお得」などという心理が働き、購入してもらいやすくなります。
なお、ECサイトのクーポンについては以下の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてお読みください。
関連記事:ECサイトのクーポンとは?メリットや目的、設計から発行方法まで完全網羅
ECサイトの購入率改善におすすめのツール
ECサイトの購入率改善におすすめのツールとして、以下が挙げられます。
- アクセス解析ツール
- A/Bテストツール
- ヒートマップツール
- ライブチャットツール
- メールマーケティングツール
ここからは、それぞれのツールについて解説します。
アクセス解析ツール
購入率を改善するために必要なツールとして、アクセス解析ツールがあげられます。アクセス解析ツールとは、ユーザーがサイト内でどのような動きをしているのかを分析できるツールのことです。
たとえば、購入ページの離脱率が高い場合、購入するまでのステップが複雑になっていることが原因だと推測できます。このように、離脱率が高いページを見つけることで、具体的にどのページを改善すればいいのかが分かるでしょう。
アクセス解析ツールでよく知られているのが「Google Analytics(グーグルアナリティクス)」です。これはGoogleアカウントがあれば利用できるツールで、有料版はあるものの、無料でも利用できます。
A/Bテストツール
購入率を改善するためにA/Bテストツールによって、ページ改善に努めるのも効果的です。
A/Bテストツールとは、AパターンとBパターンを用意し、効果のあった方を採用するツールのことです。たとえば、ECサイト内に2種類のバナーを設置し、A/Bテストを行うことで、より効果的なバナーを採用できます。
A/Bテストツールの例として、Google Analyticsと連携できる「Google Optimize」や「Juicer」があります。
購入率の改善例として、購入ボタンのA/Bテストの実施がおすすめです。購入ボタンは購入率に直接関わるため、設置個所やデザインを改善してみるといいでしょう。
ヒートマップツール
ヒートマップツールを用いることで、ユーザーの離脱ポイントを確認することが可能です。ヒートマップツールとは、ユーザーの動きを色で表示することで、サイト上の行動を直感的に把握できるツールです。
どのページでユーザーが離脱しているのかが分かれば、離脱率や購入率の改善につなげられます。ヒートマップツールの代表的な例として「Ptengine」や「User Heat」があります。
ライブチャットツール
ライブチャットツールを用いて、ライブコマースを実施することにより、購入率を上げる方法もあります。ライブコマースとは、ライブ配信を行って商品を紹介したり、ユーザーからの質問に答えたりする施策のことです。
本来ECサイトはユーザーと直接コミュニケーションを取ることができません。そこでライブコマースを取り入れることにより、実店舗での接客のような購買体験を提供できます。
ライブチャットは、以下のようなアプリから可能です。
- YouTube
- LINE LIVE
メールマーケティングツール
高倍率を上げる方法として、メールマーケティングツールによるメルマガ配信も効果的です。メルマガを用いればクーポン配布やキャンペーンのお知らせができるようになり、サイトへのアクセスを促進できるからです。
メールマーケティングツールでは、従来の配信方法とは違い、セグメント別にコンテンツを出し分けたり、自動で配信したりすることができます。そのため、カゴ落ちしているユーザーや休眠ユーザーなど、状態に応じて適切なメールを配信できます。
メルマガを配信する際のコツは、適度な頻度で配信することです。頻繁に配信するとしつこいと思われてしまうため、スケジュールを組んで配信するようにしましょう。
ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください
ECサイトの売上を上げるには、購入率向上が重要です。購入率が低い理由はさまざまなので、まずは自社サイトの分析やユーザーニーズの調査を行いましょう。本記事で紹介した原因をもとに、ぜひ解決策を実行してみてください。
もしECサイトの購入率について疑問や悩みがある場合は、テクノデジタルにご相談ください。弊社ではECサイトの構築から運用サポートまで幅広く行っています。ぜひお気軽にご連絡ください。
投稿者
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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