2024.02.27
ECサイトのリピート率とは?平均・計算方法や向上させるための施策
売り上げ拡大に悩むECサイト運営者には「リピート率を上げる方法を知りたい」といったニーズがあるのではないでしょうか。ほかにも「リピート率が低い原因を知りたい」と考えている方もいるかもしれません。
本記事では、ECサイトのリピート率について解説します。ほかにも、業界・商材ごとのリピート率の平均やリピート率が下がる原因についても触れていきます。
本記事を読むことで、自社サイトのリピート率をどのように改善すればいいのかが見えてくるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- ECサイトのリピート率の計算方法
- 業界・商材ごとのリピート率の平均
- リピート率が下がる原因
目次
リピート率とは?
リピート率とは、初回購入したユーザーのうち、どれくらいのユーザーが再購入しているかを表す割合のことです。リピート率が高いほど同じユーザーが何度もECサイトを利用してくれることとなり、売上向上を期待できます。
ECサイトにおいては、一般的なリピート率の目安は30%~40%となります。
リピート率の計算方法
リピート率の計算方法は以下の通りです。
【リピート率の計算方法】
期間内のリピート顧客数÷累計新規顧客数×100=リピート率(%)
【計算例】
250÷1,000×100=25%
上記の計算式を用いることで、自社サイトのリピート率を求められます。
リピート率と似たような指標として、「F2転換率」というものがあります。F2転換率とは、2回目に購入したユーザーの割合のことです。たとえば、購入ユーザーが1,000人、そのうち300人が2回目の購入をしてくれた場合、F2転換率は30%となります。
リピーター率との違い
リピート率とリピーター率との違いは、頻度を求めるか人数を求めるかの違いです。リピート率は、どれくらいの頻度でリピートしているかを求めます。
一方で、リピーター率は、特定期間において、どれくらいの割合でリピーターが存在していたのかを示すものです。リピーター率の計算方法は以下の通りです。
【リピーター率の計算方法】
期間内のリピート顧客数÷(期間内の新規購入者+期間内のリピート購入者)×100%=リピーター率(%)
【計算例】
300÷(700+300)×100%=30(%)
このように、リピート率とリピーター率はそれぞれ別の意味を持ちます。
ECサイトでリピート率を上げることの重要性
ECサイトでリピート率を上げることの重要性として、以下の点が挙げられます。
- 新規顧客と比較して売上や利益が上がりやすい
- 顧客獲得コストが削減できる
- 顧客満足度の1つ指標になる
- 顧客データを収集して販促活動に活用できる
リピート率向上のための施策と新規顧客獲得の施策を比較すると、前者の方が費用対効果が高いです。そのため、利益を上げやすい施策であり、顧客獲得コストが1/5で済むとも言われています。
またリピートするということは、顧客満足度が高いことの表れでもあります。顧客満足度が高いECサイトなら、訪問した新規顧客に買い物してもらえるチャンスが増え、好循環のスパイラルに持ち込めるでしょう。
ほかにも、リピート率が高いとECサイト内でユーザーがどのような動きをしているのか把握できます。データが蓄積されれば、それを分析して販促活動に活用できるでしょう。
業界・商材ごとのリピート率の平均
EC業界全体で見ると、リピート率の平均は30%〜40%だと言われています。ただし、業界や商材によってもリピート率は以下のように異なります。
旅行業界 | 約45% |
---|---|
化粧品と健康食品 | 約50% |
食料品 | 約40% |
インテリア業界 | 約25〜35% |
PC・家電 | 約25% |
アパレル | 約35% |
化粧品や健康食品はリピート率が高く、約50%がリピートしています。これらは使い切りではなく、継続して利用することで効果が出ることが多いため、リピート率が高くなる傾向にあります。
また、旅行業界のリピート率は約45%と比較的高いです。こちらはサービスを利用するのに会員登録が必要になり、面倒な手続きをしたくないという心理からリピートすることがあります。
一方で、一度購入したらなかなか壊れないPCや家電製品はリピート率が約25%と低いです。数年単位で買い替えることが多いため、リピーターに繋がりにくいという特徴があります。
リピート率を上げる方法
リピート率を上げる方法として、分析や顧客フォローの工夫や、リピーター向けの特典の付与があります。具体的には、以下のような方法が効果的です。
- 単品リピート通販
- クーポン配布
- 購入後のアフターフォロー
- サンクスメール・手紙
- オムニチャネル化
- ポイント制度
- 休眠顧客へのアプローチ
- リターゲティング広告
- サイト全体の改善
- クロスセル・アップセル活用
- アンケート実施
- リピート率の平均を分析して施策を行う
なお上記の施策を行う際は、顧客情報を分析できるツールを導入することで、確認すべき指標を追いやすくなります。そして顧客との接触回数を増やし、コミュニケーションを取りつつ継続的に実施していくことが必要です。
単品リピート通販
リピート率を上げる方法の一つに、単品リピート販売の実施があります。単品リピート通販とは、主力商品を限定して販売し、売上の主軸にしていく方法のことです。
定期購入を前提として販売するため、定期購入することでお得に感じてもらうような工夫が必要です。たとえば、単品購入より定期購入の単価を下げることで、定期購入につなげやすくなります。
クーポン配布
クーポン配布によって、リピート率向上を目指すことができます。たとえば、割引クーポンを配布すれば、同じ商品でもほかのサイトよりも安く購入できるため、お得感があります。
クーポン配布によってお得感を出すには、会員ランクに応じて特典クーポンを変えるなどの工夫が必要です。
ただし、ユーザーがクーポンを利用すると利益率が低下するというデメリットもあります。そのため、利益率が下がりすぎないように設定することが大切です。
なお、ECサイトのクーポンについては以下の記事で解説しています。こちらも合わせてお読みください。
購入後のアフターフォロー
購入後のアフターフォローを手厚くすることで、リピート率を上げる方法もあります。アフターフォローの具体的な方法は、以下の通りです。
- 商品に関するよくある質問をFAQにする
- 問い合わせ対応のチャットボットを設置する
- メンテナンスの受付窓口を設置する
- クレーム対応のためのフローを整備する
- 買い換え時期に次回購入の販促を行う
サンクスメール・手紙
サンクスメールや配送時に同封する手紙なども、リピート率を上げるために有効な方法です。
ECサイトは顧客とコミュニケーションを取りにくい媒体です。そこでサンクスメールや手紙を添えることで、サイトの想いや特色をユーザーに伝えられます。
サンクスメールや手紙を作成する際のコツは、手書きにすることです。手書きが難しい場合は、手書き風のフォントを使用するといいでしょう。
オムニチャネル化
顧客との接点を増やし、販売経路を統合して最適な購買体験を提供する「オムニチャネル化」も、リピート率向上につながる施策です。
そのためには、以下のようにさまざまな販売経路を導入することを検討してみましょう。
- ブログ
- SNS
- Web広告
- チラシ
- DM
- アプリ
たとえば、ECサイト自体に知名度がなくても、SNSを利用していれば投稿から知ってもらう可能性があります。
ポイント制度
購入金額に応じてポイントをつける、ポイント制度もリピート率を上げるために重要な施策です。買い物のたびにポイントが付与されると、ユーザーはお得感があるため次回使うためにもう一度利用してみようと考えてくれます。
ただし、ECサイトへポイントサービスを導入するには、運用コストがかかるため要注意です。詳細については、以下の記事で解説しています。
休眠顧客へのアプローチ
しばらくサイトへ訪問していない休眠顧客には、再訪してもらえるようにメルマガと組み合わせてアプローチするのが効果的です。たとえば、誕生日やクリスマスなどのイベントのタイミングでクーポンを配布すると、興味を持ってもらえるでしょう。
リターゲティング広告
リピート率を上げるための集客施策として、リターゲティング広告も有効です。リターゲティング広告とは、過去に訪れたことがあるECサイトを広告として表示できるものです。
ユーザーによっては、購入を迷ったまま離脱することがあります。そこで広告として表示することで、購入を検討するきっかけになります。
サイト全体の改善
リピート率が上がらない場合、ECサイト全体の改善や改修を実施するのも一つの方法です。たとえば、以下のようなポイントに注目してみましょう。
- 購入までの導線を設計する
- 見やすいデザインにする
- 離脱率の高いページを見直す
ユーザーにとって使いやすいサイトになると、離脱率が向上しリピーター獲得につながります。
クロスセル・アップセル活用
リピート率向上の施策として、クロスセル・アップセルを狙うのも効果的です。クロスセル・アップセルとは、それぞれ以下の手法を意味します。
アップセルとは、検討中の商品よりも高額な商品を購入してもらう手法です。クロスセルとは、相性のいいほかの商品と合わせて購入してもらう手法です。
こうした施策により、自社サイトにお得感を見出してもらえ、リピートにつながるでしょう。
アンケート実施
どんな商品を扱えばいいのか分からない場合は、アンケートを実施してみましょう。ユーザーの声を反映することで、よりユーザーニーズを満たしたラインナップになるでしょう。また、アンケート結果をもとにクロスセルにつなげるとさらに相乗効果を期待できます。
リピート率の平均を分析して施策を行う
業界のリピート率の平均に対して、自社で扱っている商品のリピート率がどれくらいなのか調べてみましょう。リピート率の高い商品と低い商品が何かを分析して、傾向を掴むことでどんな商品を扱えばいいのかが見えてきます。
リピート率が下がる・低い原因
リピート率が下がる原因や低い原因として、以下のことが考えられます。
- 他ECサイトを利用するようになってしまった
- 商品やサービスの印象が悪い・薄い
リピート率が30%〜40%、あるいは業界の平均値よりも低い状態は、リピーターが少ないと考えられます。その場合は、上記のうちどちらに当てはまるのか考えてみましょう。
他ECサイトを利用するようになってしまった
リピート率が低い原因として、ユーザーが自社サイトから他ECサイトを利用するようになったことがあります。その理由はいくつかあり、サイト自体に魅力がない場合や、欲しい商品がない場合もあります。
他ECサイトへ顧客が流出しないための施策として、リピーター向けの特典を用意するといいでしょう。自社サイトのメリットを提示することで、継続的に利用するきっかけになります。
商品やサービスの印象が悪い・薄い
リピート率が下がるもう一つの要因として、商品やサービス、ECサイトの印象が悪いことが挙げられます。
たとえば、注文から到着まで時間がかかったり、いつ届くのか分からなかったりすると、もうECサイトを利用したくないと思われてしまうでしょう。この場合は、配送ルートの見直しや、ステータスごとにメールを送信するなどの工夫が必要です。
ほかにも、ユーザーがどこで何を購入したのか忘れてしまってリピートに繋がらないケースもあります。それを改善するには、購入履歴を閲覧できる機能を用意しましょう。
リピート率とあわせて見たい指標
ECサイトを運営する際は、リピート率以外にも以下のような指標も合わせて見ることが重要です。
- 直帰率
- 滞在時間
- トラフィックソース
- LTV
ここからは、それぞれの指標について解説します。
直帰率
直帰率とは、自社サイトに訪問して1ページのみ閲覧して離脱した割合を示す指標のことです。たとえば、1日に100件訪問があり、そのうち直帰が10件あった場合、直帰率は10%となります。
ECサイトの直帰率は、30〜40%が目安だと言われています。直帰率を下げるための施策の一つが、モバイル対策です。今ではスマホで検索してそのまま買い物するユーザーも増えてきています。こうしたユーザーを取りこぼさないためにも、スマホでも見やすい設計にすることが大切です。
滞在時間
滞在時間とは、ECサイトに訪問したユーザーがページを閲覧してから離脱するまでの時間を示した指標です。滞在時間が長いほど商品を購入してくれる可能性が高まります。
滞在時間の平均は、以下のようにジャンルによってことなります。
化粧品 | 1:38 |
---|---|
食品 | 2:06 |
ファッション | 3:48 |
家電 | 2:55 |
出典:マナミナ|意外と知らない?!Webサイトの「滞在時間」や「直帰率」の業界平均は?
滞在時間を計測してみることで、どのページを改善すべきかが見えてきます。
トラフィックソース
トラフィックソースとは、ECサイトに訪問するまでの経路のことです。ECサイトへ訪問する経路はさまざまで、検索エンジンから来るユーザーもいれば、SNSや広告を経由して来るユーザーもいます。
まずはサイトにアクセスするユーザーを増やすことが大切ですが、広告に頼りきっているとコストが高くついてしまいます。そのため、最終的には検索エンジンから流入してもらえるように認知拡大を目指すことが大切です。
LTV
LTVとは「顧客生涯価値」とも言われる指標で、ECサイトに対してユーザーが一生のうちどれくらいの利益をもたらすかを数値化したものです。LTVが高いユーザーは顧客満足度が高いため、購入金額も高くなります。
リピーターを獲得するには、LTVを高めましょう。そのためには、顧客ロイヤルティの向上や、平均購買単価の向上につながる施策が必要になります。
ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください
新規顧客を獲得する施策よりも、リピーターを獲得する施策の方がコストを抑えられます。そのため、リピート率向上を目指した取り組みは、売り上げ拡大を目指す効率的な方法だと言えます。リピート率で悩んでいる方は、ぜひ本記事で紹介した施策を取り入れてみてください。
もしリピート率に伸び悩んでいる場合は、テクノデジタルにご相談ください。弊社ではECサイト運用のサポートを行っています。事業に合わせたソリューション提案をいたしますので、ぜひお気軽にご連絡ください。
投稿者
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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