2024.01.26
ECサイトのビジネスモデルは?構築方法や販売方法の種類
ECサイト担当者には「ECにはどんなビジネスモデルがあるの?」という疑問があるのではないでしょうか。
ほかにも、越境ECなどの販売に関するビジネスモデルに興味がある方もいるかもしれません。
本記事では、ECサイトのビジネスモデルについて解説します。また、構築方法や販売方法の種類についても触れていきます。
本記事を読むことで、ビジネスモデルに関する基礎知識を身に着けられるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- ECサイトのビジネスモデル
- ECサイトの構築方法の種類
- ECサイトの販売方法の種類
目次
ECサイトの4つのビジネスモデル
ECサイトのビジネスモデルには、取引の相手や商品の種類、サイトの運営方法などによってさまざまなパターンがあります。そのなかでも、代表的なビジネスモデルは以下の4つです。
- BtoC(Business to Consumer)
- BtoB(Business to Business)
- CtoC(Consumer to Consumer)
- DtoC(Direct to Consumer)
ここからは、それぞれのビジネスモデルについて解説します。
BtoC(Business to Consumer)
BtoCのECサイトは、企業と個人の商取引を表すビジネスモデルです。ECのなかで最も売り上げ規模が大きいビジネスモデルで、有名なECサイトとしてAmazonや楽天市場が挙げられます。
BtoCの取扱商品は、食品や日用品、アパレルなど生活に結びついたアイテムが多いです。個人が自分のために購入することから、取引金額が小さい傾向にあります。
近年ではECサイトの構築が簡単になり、Amazonや楽天市場のようなECモール以外にも自社でECサイトを開設する企業も増えてきています。
BtoB(Business to Business)
BtoBのECサイトは、企業と企業の商取引を表すビジネスモデルです。たとえば、製造業者がある企業から部品を購入するような形態を指します。企業が事業のために購入することから、購入単価が高く売上も安定している傾向です。
ECサイトの形式もさまざまで、会員しか利用できないクローズ型や新規顧客も利用できるスモールB型などがあります。企業の事業内容に合わせて商品を販売することから、販売単価や決済方法、配送方法は多岐にわたっています。
CtoC(Consumer to Consumer)
CtoCのECサイトは、個人と個人の商取引を表すビジネスモデルです。ECビジネスにおいて古くからある形態で、Yahoo!オークションやメルカリなどのサービスが代表的です。
CtoCのECサイトでは、不要なものを出品したり、ハンドメイド作品を出品したりする取引がよく見られます。フリマやオークションサービスは個人間での取引がメインですが、最近では法人アカウントで出品するケースも増えてきています。個人間の取引とはいえ、競争が激化していることから、顧客対応を向上させることが求められるでしょう。
DtoC(Direct to Consumer)
DtoCのECサイトは、企業が直接個人に対して商取引を行うビジネスモデルです。
一見BtoCと似ているように見えますが、卸売のような仲介業者を通さず直接接点を持っている点が異なっています。たとえば、メーカーがECサイトを開設して自社商品を直接ユーザーに販売する例があります。
実店舗を持たなくてもオンライン上で取引が完了するため、ECサイトとの相性が良いビジネスモデルです。顧客対応の品質を高めることで、ブランディングにもつながるでしょう。
ECサイトの構築方法の種類
ECサイトの構築方法には、既存サービスを利用して手軽に出店できるECモール型と、自社開発する自社ECサイト型があります。
ECサイトのビジネスモデルごとに適しているECサイトの構築方法が異なっているため、自社のビジネスモデルに当てはまる構築方法を選択しましょう。ここからは、ECモールと自社ECサイトの概要について解説します。
ECモール
ECモールとは、複数のショップが出品して成り立つECサイトです。身近な例を挙げると、Amazonや楽天市場が当てはまります。
ECモールのメリットは、集客力が高いことです。ECモール自体の知名度が高いことから、ショップを知らなくても利用してもらえます。
ECモールには大きく分けて「マーケットプレイス型」と「テナント型」の2種類が存在します。以下では、それぞれについて解説します。
マーケットプレイス型
ECモールのマーケットプレイス型とは、ECサイト上に商品のみ展開して販売するECモールのことです。有名な例として、AmazonやZOZOTOWNが挙げられます。
マーケットプレイス型なら商品情報をECモール上に登録しておけば、注文が入り次第ECモールから注文情報を報告してもらえるため管理が簡単です。
ただし本格的なショップページがないことから、ショップの個性を反映させにくいことがデメリットです。取り扱う商品によっては、価格競争に陥ることもあるでしょう。
テナント型
テナント型とは、ECサイト上にショップを展開して販売するECモールのことです。国内ECモールで例えると、楽天市場やYahoo!ショッピングが挙げられます。
テナント型のメリットは、自社ECサイトのようなページを作成できることです。ブランドの世界観を反映できるため、ブランディングやファンの獲得につながるでしょう。
ただし自社で商品データや受注管理を行う必要があるため、社内の業務が増える点はデメリットになります。
自社ECサイト
自社ECサイトとは、メーカーやブランドが独自に構築したECサイトのことです。ECモールに比べて自由度が高く、ブランドの世界観を反映しやすいことがメリットです。
自社ECサイトを構築する方法には、主に以下の4つがあります。
ここからは、それぞれの構築方法を紹介します。
ASPカート
ASPカートとは、ECサイトの構築に必要な機能があらかじめ用意されているクラウドサービスです。クラウド上にショップを構築し、構築方法の中でも最速でECサイトを公開できます。
システムや保守は運営会社が行ってくれるため、専門的な知識やノウハウがなくてもECサイトを運営できます。
オープンソース
オープンソースとは、ライセンスフリーのソースコードによって構築する方法のことです。無料で公開されているソースを使用するため、コストを抑えつつカスタマイズ性の高いECサイトを構築できます。
ただし、ソースコードを直接編集することから、社内にノウハウや技術を持つ人材が必要です。
ECパッケージ
ECパッケージとは、ECサイトに必要な基本機能をそろえたショッピングカートシステムのことです。システムをインストールして構築することから、自社の業務形態に合わせてカスタマイズしやすいというメリットがあります。
ただし、自社で構築するため導入期間が長くなることがデメリットです。また構築費用も数百万円かかるので、ある程度予算が必要です。
フルスクラッチ
フルスクラッチとは、何もない状態から自社でECサイトを構築する方法のことです。既存のシステムを使用しないことから、自社独自のシステムやユーザーニーズを柔軟に取り込めます。
ただし、外部サービスを利用しないため、社内にノウハウや技術を持った人材が必要です。
ECサイトの販売方法の種類
ECサイトの販売方法の種類には、販売する商品の種類や対象とする市場によってさまざまなパターンがあります。その例が以下の通りです。
ここからは、それぞれの販売方法を紹介していきます。
単品通販EC
単品通販ECとは、ある商品やブランドに特化して販売し、顧客からの継続購入を目指すECサイトのことです。単品通販ECは化粧品や健康商品でよく見られる方法で、商品ごとにランディングページが用意されていることが多いです。
取り扱いが少ないことからターゲットも絞り込めるため、見込み顧客へのアプローチが比較的簡単になります。
定期購入・定期販売EC
定期購入・定期販売ECとは、ユーザーから定期的にある商品を購入してもらうことを目指したECサイトのことです。商品ジャンルとしては、健康食品や化粧品などの消耗品で用いられることが多いです。
定期購入・定期販売ECのメリットは、リピーターを獲得すれば収益が安定することです。サイクルを把握できれば、商品の在庫管理もしやすくなるでしょう。
デメリットは、家電や家具など、短期間で買い替えないような商品には向いていないことです。
越境EC
越境ECとは、海外ユーザーに向けて展開するECサイトのことです。言語はもちろん、決済方法や配送方法なども現地の仕様に合わせて構築します。
越境ECのメリットは、市場を拡大することで売上向上につなげられることです。日本製品は海外からも信頼があり、海外ユーザーを囲い込むチャンスがあります。
一方で、物流や配送に手間がかかると顧客満足度が下がることがデメリットです。在庫管理方法や発送代行サービスの導入などを検討しなくてはなりません。
ダウンロード販売EC
ダウンロード販売ECとは、ダウンロードコンテンツを販売するECサイトのことです。商品としては、電子書籍や音楽、動画などが挙げられ、商品を単体で販売したり月額制でコンテンツを配信したりする仕組みがあります。
ダウンロード販売ECのメリットは、コストが低いことです。配送料や仕入れ費用が不要で、半自動化すれば人件費も削減できます。
一方で、無料コンテンツと競合する可能性があることがデメリットです。売上につなげるためには、無料コンテンツよりも価値を感じてもらえるよう工夫が必要です。
オムニチャネル
オムニチャネルとは、ECサイトと実店舗を連携させる販売方法です。
オムニチャネルのメリットは、ユーザー情報を取り入れながら顧客満足度を高められることです。ECサイトでのユーザー情報を分析することで、ユーザーニーズを掴み施策に取り入れられます。
オムニチャネルのデメリットは、仕組みを構築するのにコストがかかることです。事業の規模によって、ツールの導入やアプリ開発が必要になります。
O2O(Online to Offline)
O2Oとは、ECサイトから実店舗に誘導する施策のことです。たとえば、ECサイトから注文した商品を実店舗で受け取る施策などがあります。
O2Oのメリットは、店舗へ誘導することで売り上げ拡大につながることです。店舗に寄ったついでにほかの商品も合わせて購入してもらえれば、客単価の向上を見込めます。
O2Oのデメリットは、実店舗のユーザーがECサイトに流れる可能性があることです。実店舗の売上が低下しないためには、実店舗独自の魅力をアピールする必要があります。
ECビジネスのメリット
ECビジネスのメリットは以下の通りです。
- 実店舗と比較して運用コストを抑えられる
- 個人でも始めやすい
- 販売場所にとらわれず海外も含め幅広い顧客に24時間365日アプローチできる
- 今後も市場は伸びると考えられているため参入しやすい
ECビジネスは実店舗のようにテナント料や光熱費がかからないことから、運用コストを抑えられます。ツールによって自動化できる部分があれば、人件費も抑えられるでしょう。
近年では初心者でも扱いやすいASPカートなどのサービスがあることから、個人でも始められます。
また、ECサイトは場所や時間による制限がありません。そのため、海外を含めたユーザーにアプローチできます。24時間365日注文を受け付けられるため、購入機会を逃しません。
こうした特徴からECビジネスは将来性があると考えられており、参入しやすいビジネスです。
ECビジネスの課題
ECビジネスの課題として、以下のような点が挙げられます。
- 顧客の生の声が集められない、コミュニケーションが直接取れない
- 競合が多く価格競争になりやすい
- 物流システムの構築面
- セキュリティや集客など幅広い知識と対応力が必要になる
実店舗とは違い対面で対応できないことから、顧客のリアルな声を聞くことができません。コミュニケーションを取るには、口コミやチャットツールの導入などが必要です。
ECビジネスが参入しやすいことから競合サイトも多く、取り扱う商品によっては価格競争に陥る可能性があります。価格競争を避けるには、自社の強みをアピールするなどの工夫が求められます。
物流業界には、人手不足や長時間労働などの問題があることも事実です。そのため、物流ロボットや物流システムの導入も検討する必要があるでしょう。
こうしたECビジネスの課題を解決するには、セキュリティや集客など幅広い知識と対応力を持つ人材の確保が重要です。
ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください
ECサイトには、取引の相手や商品の種類、サイトの運営方法によってさまざまなビジネスモデルがあります。自社に合うビジネスモデルを導入することで、売り上げ拡大につなげられるでしょう。これからECサイトを構築する方は、ぜひこの記事で紹介したポイントを取り入れてみてください。
ECサイトに関して疑問や悩みがある場合は、テクノデジタルにご相談ください。弊社ではECサイトの構築や運営サポートを行っています。事業に合わせたソリューション提案もいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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