2023.11.30
ECサイトの成功事例14選!売上アップの戦略や失敗しないためのコツ
EC担当者には、「成功事例を知って自社のECサイト施策に活用したい」という考えや「何が成功の秘訣なのか知りたい」といった疑問があるのではないでしょうか。ECサイトで成功するには、ユーザーのニーズや心理を理解した施策が重要です。
本記事では、ECサイトの成功事例を業界別にご紹介します。また、成功するためのコツや失敗しないためのポイントについても触れています。ECサイトを本格的に始める方は、ぜひ最後までお読みください。
この記事でわかること
- 業界別のECサイトの成功事例
- 売上拡大のための戦略
- 失敗しないためのコツ
目次
アパレルECサイトの成功事例
アパレルECサイトでは、以下のファッションブランドが成功しています。
アパレルブランドのECサイトを運営する方は、ぜひ参考にしてみてください。ここからは、それぞれの成功事例を紹介します。
UNIQLO(ユニクロ)
出典:ユニクロ
ユニクロは、実店舗やECサイト、アプリをフル活用しているアパレルブランドです。
施策 | アプリ・実店舗を繋ぐオムニチャネル戦略 |
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成功のためのポイント | 店舗受け取りができる 商品のカラー・サイズ表記が分かりやすい 自分の体型に合うサイズが分かる |
- 店舗受け取りができる
- 商品のカラー・サイズ表記が分かりやすい
- 自分の体型に合うサイズが分かる
成功事例としては、アプリから注文すれば店舗で受け取りができるなど、アプリと実店舗を繋ぐオムニチャネル戦略が挙げられます。
また、ECサイトではユーザーが商品選びに失敗しないよう、分かりやすいカラー・サイズ表記や自分の体型に合うサイズが分かる機能を取り入れています。
ZOZOTOWN
出典:ZOZOTOWN
ZOZOTOWNは、複数のアパレルブランドを取り扱っているファッション専門のECモールです。
施策 | カートまでのアクションを最短化 |
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成功のためのポイント | シンプルで操作性が優れている コンバージョン直前での離脱を抑制 |
- シンプルで操作性が優れている
- コンバージョン直前での離脱を抑制
ZOZOTOWNでは、カートまでのアクションを最短化する工夫を取り入れています。たとえば、サイズの選択や色の選択からカートに入れるまでのアクションがワンクリックとなっています。シンプルで操作性が優れていることから、コンバージョン直前での離脱を抑制することに成功しています。
Dcollection
出典:Dcollection
Dcollectionは、ECサイトにてメンズファッションを展開しているアパレルブランドです。
施策 | オリジナルコンテンツによるアプローチ |
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成功のためのポイント | 診断コンテンツを配信 複数のデジタルコンテンツをマルチ化 |
- 診断コンテンツを配信
- 複数のデジタルコンテンツをマルチ化
Dcollectionでは「オシャレの教科書」というコンテンツを配信し、診断コンテンツによって自分のスタイルを見つけられる工夫を行っています。また、SNSやWeb広告、動画コンテンツも積極的に取り入れ、複数のデジタルコンテンツをマルチ化しています。
食品ECサイトの成功事例
食品ECサイトでは、以下のような企業が成功しています。
各企業の施策を知ることで、自社でどのような施策を取り入れればいいのかが分かるでしょう。ここからは、それぞれの企業の成功事例を紹介します。
楽天西友ネットスーパー
出典:楽天西友ネットスーパー
楽天西友ネットスーパーは、大手スーパー西友がEC大手の楽天と共同で運営しているECサービスです。
施策 | ネットスーパー専用の配送センターを設置 |
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成功のためのポイント | 配達時間を短縮 情報入力の手間が不要 |
- 配達時間を短縮
- 情報入力の手間が不要
このECサイトでは、ネットスーパー専用の配送センターを関東に設置しています。最短で当日に商品を配達できるなど、配達時間の短縮に成功しています。
また、楽天IDと連携しているので、ユーザーは住所やクレジットカード情報を入力する必要がありません。このように、実際にスーパーで買い物をするような利便性を実現しています。
筋肉食堂
出典:筋肉食堂
筋肉食堂は「高たんぱく低カロリー」をコンセプトにメニューを展開している飲食店で、筋肉食堂DELIでは冷凍弁当を販売しています。
施策 | 目的に合わせたコース展開 |
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成功のためのポイント | 写真を用いて魅力を訴求 継続購入によってランクを付与 |
- 写真を用いて魅力を訴求
- 継続購入によってランクを付与
「ダイエットコース」「エブリデイコース」「バルクアップコース」などの目的に合わせたコース展開が特徴的で、ニーズに合わせて簡単に選べる工夫がされています。
一般的に低カロリー・高たんぱくな食品は味を楽しめないイメージがあるなか、写真を大胆に用いることで食品としての魅力も訴求しています。
職人醤油
出典:職人醤油
職人醤油は、醤油を専門に扱っているECサイトです。
施策 | コンテンツを充実させ商品数をカバー |
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成功のためのポイント | 醤油の種類を直感的に選べる工夫 各蔵でのエピソードを掲載 |
- 醤油の種類を直感的に選べる工夫
- 各蔵でのエピソードを掲載
醬油を専門に扱っていることから、少ない商品数を多数のコンテンツによってカバーしていることが特徴です。たとえば、各蔵でのエピソードを掲載していて、ストーリーからファンを獲得する工夫が見られます。
また、ECサイトでは醤油の種類を直感的に選べるデザインとなっていて、選ぶのが楽しくなる設計となっています。
ハイ食材室
出典:ハイ食材室
ハイ食材室は、「テーブルをデザインする」をコンセプトにしたフランス食材中心に扱うECサイトです。
施策 | 常に企画を実施 |
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成功のためのポイント | ターゲット設定・分析により効果を最大化 メルマガの配信 |
- ターゲット設定・分析により効果を最大化
- メルマガの配信
ハイ食材室では、「999円祭」「くるくる変わるウィークリーSALE」「送料無料祭」のような企画がほぼ常に実施されています。
こうした企画の効果を最大化するために、ターゲット設定や分析を行っていることがポイントです。また、企画の告知・開始・中盤・終了間近と4つのフェーズに分けてメルマガを配信して販促を行っています。
ネスレ
出典:ネスレ
ネスレは「ネスカフェ」や「キットカット」などで知られる企業で、独自のECサイトも運営しています。
施策 | 定期お届け便の実施 |
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成功のためのポイント | キャンペーンをトップで告知 カテゴリー検索が充実 |
- キャンペーンをトップで告知
- カテゴリー検索が充実
ネスレのECサイトでは、通常販売だけでなく定期お届け便を実施しています。またECサイトは利便性や回遊率を追及しており、キャンペーンをトップで告知したりカテゴリー検索を充実したりする工夫が取り入れられています。
美容ECサイトの成功事例
美容ECサイトについては、以下のような企業やメーカーが成功しています。
ここからは、それぞれの成功事例について解説します。
資生堂
出典:ワタシプラスby資生堂
資生堂は「ワタシプラス」というECサイトを運営している大手化粧品メーカーのひとつです。
施策 | バーチャルメイク機能を搭載 |
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成功のためのポイント | 実店舗のように使用感を確認できる 失敗するリスクを抑えられる |
- 実店舗のように使用感を確認できる
- 失敗するリスクを抑えられる
ワタシプラスでは、バーチャルメイク機能を搭載することで、オンライン上でも実店舗のように使用感を確認できるようになっています。失敗するリスクを抑えられることから、ユーザーが購入しやすくなるような設計になっています。
ドモホルンリンクル
出典:ドモホルンリンクル
ドモホルンリンクルは、「初めての方にはお売りできません」というキャッチフレーズで知られている大手コスメブランドです。
施策 | お試しセットを実施 |
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成功のためのポイント | 購入までのハードルを下げる |
- 購入までのハードルを下げる
ドモホルンリンクルの特徴は、お試しセットを実施していることです。「3日間のお試しセット」や「約1か月お試しできるセット」などを用意することで、購入までのハードルを下げることに成功しています。
Glossier
出典:Glossier
Glossierはニューヨーク発祥のコスメブランドで、ECサイトではシンプルで使いやすいコスメが販売されています。
施策 | ブログ配信によるユーザーと双方向のコミュニケーションを実施 |
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成功のためのポイント | ユーザーが楽しめるコンテンツを配信 インフルエンサーマーケティング |
- ユーザーが楽しめるコンテンツを配信
- インフルエンサーマーケティング
効果があった施策の一つとして、ブログ配信によるユーザーと双方向のコミュニケーションがあります。お役立ち情報だけでなく、ユーザーが楽しめるコンテンツを配信してユーザーと双方向のコミュニケーションを実施しました。また、インフルエンサーマーケティングにより、若い女性からの人気も集めています。
家具・家電ECサイトの成功事例
家具や家電を販売するECサイトの事例としては、以下が上げられます。
これらのECサイトはオンライン戦略や商品戦略の参考になるでしょう。
北欧、暮らしの道具店
出典:北欧、暮らしの道具店
北欧、暮らしの道具店は、北欧を中心とした雑貨や家具を販売しているセレクトショップです。
施策 | メディアECとアプリの活用 |
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成功のためのポイント | 世界観の統一 活用方法を提案するコンテンツ |
- 世界観の統一
- 活用方法を提案するコンテンツ
北欧、暮らしの道具店では、「雑誌で商品を知る楽しみを感じながら買う場」をコンセプトにECサイトを展開し、アプリとの連携を行っています。
ポイントは、ECサイトの細部にわたる世界観の統一です。また活用方法を提案するコンテンツにより、ユーザーの不安を解消しています。
ヨドバシカメラ
出典:ヨドバシカメラ
ヨドバシカメラは実店舗だけでなく「ヨドバシ.com」というECサイトも展開している大手家電量販店のひとつです。
施策 | 日本全国スピード配達・送料無料サービス |
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成功のためのポイント | ネット通販の課題を解決 圧倒的な商品数でオンラインも充実 |
- ネット通販の課題を解決
- 圧倒的な商品数でオンラインも充実
ヨドバシ.comでは、日本全国スピード配達・送料無料のサービスを実施しています。送料の問題や届くまでの時間を短縮することで、ネット通販の課題解決に成功しています。また、圧倒的な商品数を誇ることで、オンラインも充実していることが特徴です。
その他ECサイトの導入事例
最後に、その他のECサイトの成功事例を紹介します。
カメラのキタムラ
出典:カメラのキタムラ
カメラのキタムラは、家電製品の販売も行う写真用品店です。
施策 | オリジナルグッズの展開 |
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成功のためのポイント | メルマガ配信 独自の安全保証サービスを実施 |
- メルマガ配信
- 独自の安全保証サービスを実施
カメラのキタムラでは、オリジナルグッズの販売を行っています。メルマガ配信にてECサイト限定商品を紹介したり、独自の安全保証サービスを実施したりすることで、ECサイトの価値を高めています。
ECサイトを成功に導く売上アップのための戦略
ECサイトで成功するポイントは、以下の通りです。
- ECサイトのメディア化
- オムニチャネル戦略
- 越境ECの展開
- 複数ECモールへの出店
- マーケティングオートメーションツールの活用
- カゴ落ち対策
成功事例に挙げたECサイトも、これらの販売戦略を上手く実施しています。自社のECサイトでも上記のポイントを上手く活用しましょう。
ECサイトのメディア化
ECサイトの売上を伸ばす方法の一つとして、ECサイトのメディア化があります。これは、ECサイトにて商品に興味を持ってもらえるようなコンテンツを発信する施策のことです。
たとえば、商品の使い方や開発までのストーリーを公開することで、商品の魅力を具体的に伝えられます。興味を持ったユーザーはそのままECから商品を購入できるので、売上拡大に繋がるのです。
ただし、メディア化するにはコンテンツを制作する準備や検索結果に表示されるまでの時間がかかることから、即効性のある施策ではないことが注意点です。
オムニチャネル戦略
ECサイトの売上を伸ばす方法には、オムニチャネル戦略を実施することも挙げられます。オムニチャネル戦略とは、実店舗やECサイト、アプリなど複数のチャネルを連携する施策のことです。
オムニチャネル戦略によって、ECサイトで購入した商品を実店舗で受け取れたり、実店舗にはない商品をECサイトで購入できたりします。購買体験の満足度を向上させることで、リピーター獲得につながるでしょう。
注意点としては、店舗とECサイトで在庫状況を連携することです。在庫切れによるトラブルが発生しない取り組みが必要です。
越境ECの展開
越境ECとは、海外の顧客に向けて発信するECサイトのことです。越境ECを始めることで、国内にいながら市場を拡大することが可能です。
ターゲットユーザーが増えるため、売り上げ拡大のチャンスを獲得できます。市場によっては国内よりも競争率が低く、収益性の向上を期待できるでしょう。
越境ECを行う際の注意点は、各国の法律や規制、文化について理解することです。また、扱う商品がそもそも現地のニーズを満たしているのか調査が大切です。
複数ECモールへの出店
ECサイトにこだわらず、複数のECモールに出店するのも効果的です。ECモールとは、複数のブランドを取り扱っているネットショップで、有名なモールを上げるとAmazonや楽天市場が該当します。
ECモールは知名度が高いことから、ユーザー数も多いです。複数のECモールに出店すれば、それだけ興味を持ってくれるチャンスも広がるでしょう。
ECモールの出店には、出店料や手数料などのコストが発生します。予算を決め、ターゲット設定をしながらECモールを選んでみましょう。
なお、以下の記事ではECモールの基本について解説します。こちらも合わせてお読みください。
マーケティングオートメーションツールの活用
マーケティングオートメーションツールとは「MAツール」とも呼ばれ、マーケティングに関する業務を自動化できるツールのことです。さまざまなツールがあり、メルマガ配信や顧客データ収集などにより、コミュニケーションを最適化できます。
MAツールを活用するポイントは、収集したデータを施策の根拠とすることです。精密なマーケティングを効果的にできれば、ツールによって顧客に合う施策を実施できるようにもなります。
カゴ落ち対策
ECサイトの成功には、カゴ落ち対策が欠かせません。カゴ落ちとは、商品をカートに入れたにもかかわらず購入されないまま離脱される状態のことです。
カゴ落ちが発生するのは、以下のような理由があると考えられます。
- 想定より送料や手数料が高い
- アカウント作成が面倒
- クレジットカード情報の入力が面倒
これらの理由を考慮すると、送料を無料にしたり、会員登録不要で購入できる決済サービスを導入したりする工夫が必要です。
事例から見る失敗しないためのコツ
ECサイト運営で失敗しないためには、以下のコツを取り入れましょう。
- 実際に商品を使う時のイメージができるようにする
- ユーザー体験を良くする
- 集客にSNSを活用する
- 競合分析を行う
上記のコツは、本記事で紹介した事例に共通しています。ここからは、それぞれのコツについて解説します。
実際に商品を使う時のイメージができるようにする
実店舗とは異なり、ECサイトでは商品を手に取って確認できません。こうしたデメリットをカバーするために、実際に商品を使う時のイメージができる工夫が必要です。具体的には、以下の方法が役立つでしょう。
- イメージを想起しやすい商品説明や画像を使う
- 動画で使い方を解説する
- 口コミを集める
これらの工夫により失敗するリスクが減り、購入のハードルが下がります。
ユーザー体験を良くする
ECサイトにおけるユーザー体験が良いと、売上の向上につなげられます。そのための工夫として、以下のようなものがあります。
- 購入フローの見直し
- メルマガ配信
- クーポン配布
ユーザーが商品を購入するフローを改善することにより、顧客満足度を向上できるでしょう。また、メルマガ配信やクーポン配布などは、リピーターを増やすための施策として有効です。
こうした取り組みの結果、リピーターが増加して訪問数が増えれば、売り上げアップにつながります。
集客にSNSを活用する
ECサイトの集客には、SNSの活用も効果的です。ECサイトの知名度が低い間は検索結果からの流入を見込めませんが、SNSは拡散力が強いため、アクセスを集めやすくなります。
また、SNSを活用することにより、ブランドの認知度が向上するメリットを得られます。ブランドの世界観を理解してもらえれば、ファンを獲得できるでしょう。
競合分析を行う
マーケティングを行なうには、競合分析は必須です。競合分析によってライバルについて知り、同時に自社の理解も深まります。
競合分析の分析の手法としては、以下の方法があります。
- レビュー調査
- 購入調査
- サイト全体の調査
なお、チェックの際はECサイトの機能など、競合他社と自社の違いやどんな工夫がされているのかを調べましょう。
ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください
ECサイトで成功するには、ユーザーのニーズや心理を考えて施策を立てることが大切です。オンラインでは商品を手に取って確認できないので、商品の魅力を伝える工夫が求められるでしょう。ぜひ本記事で紹介した成功事例やポイントを参考にしてみてください。
もしECサイトの施策について疑問や不安がある場合は、テクノデジタルにご相談ください。弊社ではECサイトやECモールのコンサルティングを行っています。お客様の事業に合わせてご提案いたしますので、お気軽にご連絡ください。
投稿者
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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