2023.12.22
ネットショップを個人で運営する方法は?ノウハウや開業の流れ・仕事内容
本記事を読んでいる方のなかには、「ネットショップ運営を副業でやりたい」「在宅で仕事をするためにネットショップを運営したい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
本記事ではネットショップを個人で運営する方法について解説します。また、成功させるためのコツについても触れていきます。「ネットショップのやり方が分からない」や「個人でやるのは大変そう」と不安を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- ネットショップを個人で運営する方法
- メリット・デメリット
- 成功させるコツ
目次
ネットショップは個人で運営できる?
ネットショップとは、インターネット上で商品を販売するためのサイトのことです。実店舗と比較すると、以下のようなメリットがあります。
- 24時間365日いつでも買い物できる
- 店に行く必要がない
- 品揃えが豊富
- 大きい荷物も自宅まで運んでもらえる
こうしたメリットから、ユーザーからのネットショップへのニーズも増えています。
ネットショップを開設することで、売上拡大も狙えるでしょう。ネットショップ運営は、ポイントやコツを押さえれば一人でも運営が可能です。
ネットショップ開業の流れ
ネットショップを開業する際の流れは以下のとおりです。
なお上記の流れでネットショップを開業すると、1~2カ月ほどかかります。ここからは、それぞれの工程について解説します。
何を売るか商品を決める
はじめに、ネットショップで何を売るか商品を決めましょう。主な顧客層・ターゲットや市場を考えて取り扱う商品を考える必要があります。
商品を決める際の注意点として、商品によっては資格が必要です。また、商品によっては、法的な規制やシステムによる規制によってネットショップで販売できないものもいくつか存在します。一例としては、以下の通りです。
法律で規制されているもの | 薬物・医薬品など |
---|---|
犯罪に使用される恐れのあるもの | 銃・刀剣類など |
公序良俗に反するもの | アダルト商品・児童ポルノに関するものなど |
悪用の危険性があるもの | 免許証・パスポートなど |
譲渡が禁じられているもの | 銀行口座・クレジットカードなど |
第三者の権利を侵害する恐れがあるもの | 特許権・意匠権など |
利権を侵害しているもの | 模倣品・偽ブランド品など |
期限切れのもの | 賞味期限切れの食品・使用期限の過ぎた化粧品など |
射幸心を煽るもの | 賭博・富くじなど |
金融商品に関連する情報商材 | 株式投資・FXに関する情報など |
コンセプトやデザインを決める
販売する商品が決まったら、ネットショップのサイト名やデザイン、どういったブランディングをするのかなど、サイトの方針を決めていきます。コンセプトを一度決めると後から変更するのが難しいので、この段階でじっくり考えましょう。
なかでも、ショップ名は重要です。ショップ名からサイトの世界観が伝わり、名前を覚えてもらうことで認知拡大につながるからです。ショップ名を決める際は以下の点に注意しましょう。
- 独自性を取り入れる
- 視認性を良くする
- 記号などを使わない
これらのポイントを意識することで、シンプルで覚えやすいショップ名になります。
予算・必要経費を考える
ネットショップを開業する際は、あらかじめ予算や必要経費を算出しておくことが重要です。コストを算出しておくことで、赤字になるリスクを回避できます。
ネットショップの開業で主にかかる費用は以下の通りです。
- 賃貸費用
- 光熱費
- 通信費
- ネットショップのシステム費用
- 仕入れ費用
- 決済手数料
- 宅配業者契約費用
- コピー機・用紙
- パソコンやカメラなどの機材代
- 梱包資材代
- 集客の広告宣伝費
これらの予算を含め、事業計画をきちんと立てておきましょう。
なお、ECサイト制作の費用相場については以下の記事で詳しく解説しています。こちらも合わせてお読みください。
出店方法を決める
ネットショップを開設する方法には、以下のようにいくつかあります。
概要 | 初期費用 | 月額費用 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|---|---|
ASP | クラウドサービス事業者と契約 | 3,300円~ (無料版あり) |
5,000円~ (無料版あり) |
初心者でも始めやすい | カスタマイズ性が低い |
オープンソース | 外部に公開されているコードを使用して自社ECサイトを構築 | 0円~ | 10万円~ |
コストを抑えて自由度の高いECサイトを構築できる | サポートを受けられない |
パッケージ | ECサイトに必要な機能があらかじめパッケージされたサービス | 300万円~ | 20万円~ | カスタマイズ性が高い | システムが陳腐化する |
フルスクラッチ | 一から自社で構築 | 数百万円~ | 数万円~ | 自社独自のシステムを導入できる | 初期費用や開発期間がもっともかかる |
なお、ゼロからネットショップを作る場合は以下についても自分で決める必要があります。
- ネットショップ設計
- デザイン制作
- カート選択
- 商品登録
- テスト注文
- 集客方法
メリットやデメリットを比較しながら出店方法を考えてみましょう。
商品の仕入れと配送方法の確保
既製品を取り扱う場合は仕入れのルートの確保、オリジナル商品を取り扱う場合は原材料の確保や製造工数の確保などを行う必要があります。
代表的な仕入れ方法は以下の通りです。
仕入れルート | メリット | デメリット |
---|---|---|
ネットの仕入れサイト・サービス | 仕入先が大幅に広がる 1点から卸せる |
商品を手に取って見られない 価格競争に陥りやすい |
ドロップシッピング | 在庫を持たない 在庫管理が発生しない |
価格競争に陥りやすい |
見本市や展示会などのイベント | 商品を手に取って見られる 新たな販路開拓につなげられる |
実績が少ないと商談成立しにくい |
メーカーとの直接交渉 | 安く仕入れられる | 実績がないと断られることが多い 最低注文数がある |
問屋からの仕入れ | その場で購入できる | 中間マージンが発生する |
海外からの仕入れ | 競合との差別化になる 物価によっては安く仕入れられる |
為替リスクがある |
OEMの利用 | こだわりのある商品が見つけられる | まとまった費用が必要になる |
メリットやデメリットを比較しながら検討してみましょう。
必要なものを揃える
ネットショップを開業する際には、以下のような機材や道具も必要です。
必要機材 | 用途 |
---|---|
インターネット回線 | ネットショップ運営のため |
パソコン | ネットショップ運営のため |
プリンター | チラシの印刷のため |
カメラ | 商品画像の撮影のため |
照明器具 | 商品を魅力的に撮影するため |
画像編集ソフト | 商品画像を編集するため |
セキュリティソフト | セキュリティ対策のため |
梱包資材 | 段ボールや緩衝材。発送のため |
デジタルカメラは商品撮影用に必要なアイテムです。もしできるだけコストを抑えたい場合は、スマートフォンで代用することもできます。
開業届を提出する
すべての準備が終わったら、開業届を税務署に提出してネットショップを開業させましょう。運営規模にかかわらず、1カ月以内に開業届の提出が必要です。
開業届を1カ月以内に提出しなくても罰則が発生するわけではありません。ただし、売上が発生すると確定申告が必要となるので、早めに提出しておくことをおすすめします。
ネットショップ運営の仕事内容
ネットショップの運営には、大きく分けて「フロント業務」と「バックエンド業務」の2種類の業務があります。
ネットショップのフロント業務とは、商品を販売するための業務のことです。一方、ネットショップのバックエンド業務とは、販売活動を管理する業務のことです。
以下では、それぞれの業務についてより具体的に解説します。
フロント業務
ネットショップ運営のフロント業務の仕事には、以下のようなものがあります。
- 商品企画
- 仕入れ/製造
- サイトの管理と更新
- Webマーケティング/集客
商品企画とは、ターゲットのニーズにあう商品を仕入れたり生み出したりする業務のことです。既存商品を改良するのもこれに含まれます。
また、キャンペーンやSEO対策、メールマガジンなどを含めた販促活動もフロント業務の一環です。マーケティングやマーチャンダイジングにより、適切な商品を適切な方法で売る方法を模索します。
バックエンド業務
ネットショップ運営のフロント業務の仕事には、以下のようなものがあります。
- 受発注管理
- 入金管理
- 売上管理
- 在庫管理
- 商品の登録/ピックアップ/検品/梱包
- 発送対応
- アフターフォロー
ネットショップでは、商品の撮影や採寸、ネットショップに掲載する原稿作成の業務が必要です。この3つの業務は「撮影」「採寸」「原稿」のそれぞれ頭文字を取って「ささげ」と呼ばれます。
ネットショップ運営を成功させるためのノウハウ・コツ
個人でネットショップ運営を成功させるためのノウハウやコツは以下の通りです。
- 取り扱う商品の選び方
- 事業計画・資金計画
- ユーザーを安心させる
- 集客方法を工夫する
- 在庫管理をしっかり行う
ここからは、それぞれのノウハウ・コツについて解説します。
取り扱う商品の選び方
ネットショップ運営を成功させるためのノウハウの1つ目は、取り扱う商品の選び方です。商品を選ぶ際は、以下のポイントを意識しましょう。
- ターゲットを決める
- 売れやすい商品を選ぶ
- 利益率が高い商品を加える
- トレンドをチェックする
売れない商品を選んでしまうと利益につながりません。そのため、ターゲットの属性を調べ、ターゲットのニーズを満たすような商品をピックアップしましょう。
事業計画・資金計画
ネットショップを運営する際は、事業計画や資金計画をしっかり立てておく必要があります。資金計画がないと、今ある資金に見合わない計画を立ててしまい、赤字になるリスクがあるからです。
資金繰りが苦しくなると、経営難になる可能性もあります。そこで、資金繰りの際は以下のポイントを意識しましょう。
- 損益分岐点を計算する
- コスト削減を検討する
- 資金調達の方法を知る
- 融資を申請する
ユーザーを安心させる
ネットショップの運営においては、ユーザーを安心させることもコツの一つです。ネットショップは実店舗とは違い、対面での接客がありません。分からないことや不安なことをスタッフを通して解決できないことから、実店舗に比べると信頼性が低いのも事実です。
そこで購入率を上げるには、信頼できるネットショップにすることがポイントです。具体的には、以下のような情報を記載しましょう。
- 運営者情報
- 販売に関する許認可
- プライバシーポリシー
- キャンセルや返金に関する規定
集客方法を工夫する
開業して終わりではなく、SNSでの集客やブログ運営など、集客方法を工夫することも重要です。
ネットショップにおける代表的な集客方法は以下の通りです。
- SEO対策
- SNS運用・広告
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- リターゲティング広告
- アフィリエイト広告
- ショッピング広告
- ブログ
上記のうち、比較的始めやすいSEO対策やSNS運用から始めることをおすすめします。広告出稿は予算が必要なので、集客コストが抑えられます。
在庫管理をしっかり行う
ネットショップで売上を拡大するには、在庫管理をしっかり行いましょう。在庫管理の基本として、適正在庫の考え方を知ることが大切です。
在庫管理では、売れた数と在庫数が一致しているか確認します。定期的に確認し、ニーズをや売れ行きを把握しながら発注していきます。
適正在庫を確保すると余剰在庫を抱えるリスクが減り、リスクを回避できるでしょう。
ネットショップを個人で運営するメリット
ネットショップを個人で運営するメリットとして、以下の点が挙げられます。
- コストを抑えられる
- 自分のペースで運営できる
- 空き時間で収入アップ
- スキルアップ
ここからは、それぞれのメリットについて解説します。
コストを抑えられる
自分でネットショップを開設することで、コストを抑えられることがメリットの1つです。デザインやサイト構築など、すべて自分で行えるのであれば、制作会社に依頼するよりも費用がかかりません。
また、個人で運営するなら人件費もかかりません。在宅ワークや副業としても始められるでしょう。
自分のペースで運営できる
個人で始めると、自分のペースでネットショップを運営できます。運営方針を決めるのも自分なので、環境の変化に付いていきやすくトレンドを取り入れやすくなるでしょう。
ただし、個人で運営する点については、売上目標を立てないとモチベーション維持が難しくなってしまうことが難点です。一人で運営する際は、しっかり計画を立てることが重要です。
空き時間で収入アップ
空き時間を使って効率的に収入アップを目指せることも、大きなメリットです。
たとえば、会社員の方が短期間で大幅に収入を増やすことは難しいでしょう。そこで副業としてネットショップを始めることで、トータルでの収入が増えます。
さらに、売上が伸びてきたら、独立も視野に入れられます。ノウハウを身に付ければ、本業として運営できるようになるでしょう。
スキルアップ
業務内容が幅広いので、スキルアップにつながることもメリットの一つです。ネットショップ運営により、以下のようなスキルを磨けるでしょう。
- 写真撮影
- 文章・画像作成
- マーケティング
- データ分析
ネットショップを通じて身に付けたスキルを、別のビジネスで活かすことができるかもしれません。本業に活かすことで、さらにキャリアアップを目指せるでしょう。
ネットショップを個人で運営するデメリット
ネットショップを個人で運用するデメリットには、以下のようなものがあります。
- 知識が求められる
- 業務負担が大きい
- 売上が伸びるまで時間がかかる
ここからは、それぞれのデメリットについて解説します。
知識が求められる
ネットショップで成功するには、商品やWebサイト、集客、顧客対応などの幅広い知識が求められます。
企業にいれば実務を行いながらノウハウを身に着けられますが、個人で行う場合は自分で勉強しなければなりません。ほかに本業がある場合は、隙間時間を活用する必要があり、モチベーションの維持が重要となるでしょう。
業務負担が大きい
注意点として、担当する業務の範囲が大きいので健康に影響が出る可能性があることが挙げられます。特に、副業としてネットショップを開設する場合、本業が就業したあとにこなさなくてはなりません。本業に支障をきたさないように取り組む必要があり、休日も業務が発生する可能性があります。
売上が伸びるまで時間がかかる
ネットショップの運営は、利益が出るまで半年〜1年かかることもあります。近年では競合が多く、競争が激しいこともデメリットとして考えられます。
まず商品を購入してもらうには、ネットショップにアクセスしてもらう必要があります。集客方法としてSEO対策やSNS運用がありますが、即効性のある施策ではありません。
売上が出るまでにネットショップ運営を続けられるよう、資金を確保する必要があるでしょう。
ネットショップを簡単に開業できるおすすめサービス
最後に、個人でもネットショップの開業を簡単に行えるサービスを2つ紹介します。
ネットショップの作成には1週間程度、開業までにはおよそ1カ月あればできます。実店舗よりも時間がかからないので、早く始めたい場合にもおすすめです。
BASE
出典:BASE
BASE(ベース)は、「ネットでお店を開くならBASE」というCMでお馴染みのサービスです。BASEには、以下のような特徴があります。
公式サイト | https://thebase.com/ |
---|---|
メリット | テンプレートの種類が豊富 |
役立つ機能 | Instagram販売 |
強い分野 | 食品・アパレル ・雑貨 |
BASEのメリットは、ほかのサービスに比べてテンプレートの種類が豊富であることです。コストを抑えつつ自社商品の世界観を反映したい場合におすすめです。特に、食品・アパレル ・雑貨などのジャンルに向いています。
STORES
出典:STORES
STORESは、テレビCMなどでも注目を集めているネットショップサービスです。STORESには、以下のような特徴があります。
公式サイト | https://stores.jp/ |
---|---|
メリット | 実店舗とネットショップの在庫共有が可能 |
役立つ機能 | note for shopping連携 |
強い分野 | 外食・店舗型サービス |
「STORESレジ」により、実店舗とネットショップの在庫共有が可能です。1つの管理画面で完結するため、作業効率化になります。そのため、現在実店舗を持っていて、新しくネットショップを開設したい場合におすすめのサービスです。
ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください
近年では個人でもネットショップを開設できるサービスがたくさんあります。こうしたサービスを活用することで、個人でもコストを抑えながらネットショップを運営できるでしょう。
ネットショップの運営を通じてスキルを身に付け、本業に活かすことも可能です。ネットショップの開設を迷っている方は、無料サービスを活用しながら挑戦してみてはいかがでしょうか。
もしネットショップの運営について不安や疑問がある場合は、テクノデジタルにご相談ください。弊社ではネットショップの構築からコンサルティングまで幅広く支援しています。事業や商材に合わせてご提案いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
投稿者
-
システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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