2023.09.15
BtoB ECとは?導入するメリットやおすすめのサイト3選を紹介
ECやネットショップと聞くと、企業が消費者に対して取引を行うAmazonや楽天市場を思い浮かべる人も少なくないでしょう。
しかし、近年は企業同士が取引を行うBtoB ECの市場規模が増え続けています。
今回はBtoB企業がECサイトを導入するメリットや、おすすめのECサイトを紹介します。
「ECサイトの導入を検討しているけど、どのように活用すればよいかわからない」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- BtoB ECの基礎知識
- BtoB ECの運営方法
- BtoB ECの成功事例
目次
BtoB ECとは
BtoB ECとは、企業間の取引をインターネット上で行うことです。
BtoBとECの意味は、それぞれ以下のとおりです。
- BtoB(Business to Business):企業が企業に対して商売を行うこと
- EC(Electronic Commerce):インターネット上で取引を行うこと
ECは「ネットショップ」や「通販サイト」と呼ばれることもあります。
有名なECサイトには「Amazon」や「楽天市場」などがあります。
手軽にインターネット上で商品を購入できるため、利用したことのある方は多いでしょう。
詳細は後述しますが、企業間同士がECを活用することで業務の効率化や販路拡大など、さまざまな恩恵を受けられます。
そのため、近年ではECサイトを導入するBtoB企業が増加傾向にあります。
BtoB ECとBtoC ECの違い
「BtoB EC」と「BtoC EC」の違いは、以下の2つです。
- 取引が行われる対象
- 必要なEC機能
BtoCは「Business to Consumer」の略称で、企業と消費者の間でやりとりを行うことです。
BtoB ECの取引は企業間で行われるのに対して、BtoC ECは企業と消費者の間で行われます。
Amazonや楽天市場は、企業が消費者に対して取引を行うBtoC ECに分類されます。
また、BtoB ECは取引の対象が企業間のため、以下のような機能が必要です。
買い手側に必要なEC機能 | 売り手側に必要なEC機能 |
---|---|
発注前の見積書作成機能 リピート機能 上長の購買承認機能 など |
企業毎の価格表示機能 荷姿の設定機能 最低ロットの表示機能 など |
- 発注前の見積書作成機能
- リピート機能
- 上長の購買承認機能 など
- 企業毎の価格表示機能
- 荷姿の設定機能
- 最低ロットの表示機能 など
一度に大量の取引を行うBtoBのECサイトでは、BtoC ECには備わっていない機能を利用できます。
市場規模が増え続けるBtoB企業のEC化率
ECと聞くと、Amazonや楽天市場のようなBtoCのECサイトを思い浮かべる人は少なくないでしょう。
しかし、近年ではBtoB ECの市場が拡大しつつあります。
経済産業省の「令和3年度電子商取引に関する市場調査報告書」では、以下の結果が公表されています。
EC化率とは、すべての商取引におけるECの市場規模が占める割合のことで、毎年増加しています。
ECサイトは買い手側にもさまざまなメリットがあるので、他社に後れを取らないように導入する企業はますます増えるでしょう。
BtoB企業がECサイトを導入するメリット
BtoB企業がECを導入するメリットは、主に以下の3つです。
ECの導入を検討しているけれど「どのようなメリットがあるのかイマイチ分からない」と感じる方は、以下の内容をぜひ参考にしてください。
新規顧客を獲得できる
買い手の場所を問わずに商品を販売できるため、ECサイトを導入することで新規顧客を獲得できます。本来であれば、営業担当者の活動範囲までしか商品を宣伝できません。
しかしECサイトを導入することで、ネット環境のある国内もしくは世界中に商品やサービスを届けられます。
これまでの活動範囲を広げて新規顧客を獲得したい企業には、ECサイトの導入がおすすめです。
売上を拡大できる
ECを導入することで、売上を拡大できる可能性が高いでしょう。
営業時間内でしか受注できなかった商品でも、ECサイトを導入することで24時間365日注文を受け付けられます。
そのため、営業時間の都合で他社を利用していた顧客に、自社の商品を届けることが可能です。
またECサイトは既存顧客のサイト利用状況を可視化できるため、情報をもとに訴求ポイントを改善すれば、売上を拡大できるでしょう。
業務を効率化できる
ECサイトを導入すれば、注文の受付や請求書の入力を省けるため、業務を効率化できます。
買い手側が商品を選んで発注数を入力するので、受注に伴う人的ミスを防げるのも魅力です。
また在庫や納期など、商品の詳細はサイトから確認できるため、問合せ対応が軽減することも考えられます。
BtoB企業がECサイトを導入する際の注意点
BtoB ECの導入にはさまざまなメリットがありますが、以下のような点に注意してください。
上記に注意して使用することで、ECサイトの効果を十分に発揮できるでしょう。
発注するメリットを提示する
既存顧客に発注方法を切り替えてもらうため、ECサイトを使用するメリットを提示しましょう。
ECサイトを利用して発注する顧客と、従来の方法で発注する顧客が別れれば、かえって業務は複雑になってしまいます。
そのため、以下のようなECサイトを利用する買い手のメリットを提示するのが重要です。
- 24時間365日発注可能
- スマートフォンさえあれば場所を問わずに発注できる
- 在庫確認や発送時期は商品ページから確認できる
既存顧客のECサイトへの切り替えをスムーズに行いたい方は、発注に関するアンケートを実施して、顧客の理想を反映させるのがおすすめです。
ニーズを満たす機能がECサイトに備わっていれば、発注方法の切り替えに前向きな既存顧客が増えるでしょう。
業務フローを明確にする
ECサイトの導入にあたって、業務フローを明確にしましょう。
発注方法が分からずに手間を感じれば、既存顧客が離れてしまう恐れがあります。
そのような事態を防ぐために、発注方法をまとめたマニュアルを配布するのがおすすめです。
また、ECサイトを構築する際はシンプルな操作を重視して、発注者の負担を軽減させる工夫も大切です。
セキュリティを強化する
ECサイトは多数の顧客情報が蓄積されているため、セキュリティの強度に注意しましょう。
万が一データの漏洩が発生すれば、企業そのものの信用に直結します。
ECサイトを作成する際は機能面だけではなく、セキュリティ面に問題がないか確認しましょう。
ECサイトの選び方|BtoB企業向け
イチからECサイトを作成することもできますが、標準のシステムをカスタマイズするだけで利用することもできます。
この章では、ECサイトの選び方について紹介していきます。
種類で選ぶ
ECサイトを作成する方法は、以下の3種類があります。
- ASPカート
- パッケージシステム
- フルスクラッチ
それぞれ費用や特徴が異なりますので、下記より1つずつ解説していきます。
ASPカート
手軽にECサイトを利用したい方におすすめなのが、ASPカートです。
ASPカートを利用すれば、月額数万円ほどでクラウドシステム上にECサイトを作成できます。
標準で備わっている機能以外は利用できませんが、導入までのコストを抑えられるのがASPカートの特徴です。
パッケージシステム
パッケージシステムは、標準以外に必要な機能をカスタマイズできます。
使用料金は500万円以上のものもありますが、ASPカートよりも拡張性に優れているのが特徴です。
ASPカートでは利用できないような、高度な機能をカスタマイズしたい方におすすめです。
標準機能やカスタマイズできる機能はベンダー毎に異なるので、契約前に確認しましょう。
フルスクラッチ
イチから自社のECサイトを作成することを、フルスクラッチと言います。
コーディングやデザインをイチから手掛けるので、唯一無二のECサイトを作成できます。
しかし作成費用は数千万円以上、作成期間は半年以上かかることも珍しくなく、コストが大きいのも特徴です。
パッケージシステムのカスタマイズだけでは、理想のECサイトを作成できない場合、フルスクラッチを検討するのもよいでしょう。
予算で選ぶ
ECサイトを選ぶ際は、予算に注意しましょう。
ASPカートやパッケージシステムは、一般的に初期費用だけでなく月額費用もかかります。
また会員数や掲載商品数に比例して、料金プランが変わることもあります。
ECサイトを導入することで、業務の効率化や売上を拡大できますが、予算をオーバーしないように注意してください。
低予算でECサイトを利用したい方は、コストを抑えられるASPカートを利用するのがおすすめです。
カスタマイズで選ぶ
パッケージシステムは、必要な機能をカスタマイズできます。
標準機能とカスタマイズできる機能はベンダーによって異なるので、事前に確認しましょう。
BtoB ECに必要な機能は、たとえば以下のようなものが挙げられます。
- 在庫数に応じた自動購入制限機能
- お得に購入できるキャンペーン機能
- 注文内容をパターン化できるリピート機能
- 得意先毎の選択機能
- 代理店選択機能 など
自社のニーズに沿って、必要なカスタマイズ機能を選びましょう。
BtoB企業におすすめのECサイト3選を比較
これまで紹介した内容を踏まえて、おすすめのECサイトを3つ紹介します。
名前 | アラジン EC | Bカート | 楽楽B2B |
---|---|---|---|
種類 | パッケージシステム | ASPカート | ASPカート パッケージシステム |
費用 | ・初期導入費用300万円〜 ・月額費用6万円〜 ※1 |
・月額10,780円(税込) ・初期費用は88,000円(税込) ※2 |
以下の3プラン 1.月額55,000円(税込) 2.月額82,500円(税込) 3.月額132,000円(税込) ※3 |
2023年3月9日時点
※1:カスタマイズの内容および上位システムの連携により変動
※2:6種類のプラン毎に月額費用が異なる
※3:プラン毎に初期費用が異なる
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
アラジンEC
アラジンECは、5,000社以上のBtoBノウハウを蓄積したパッケージシステムです。
BtoB専用に作られたECパッケージなので、標準機能からカスタマイズできる機能まで充実しています。
またサポート体制も万全で、アラジンECの登録後はシステム開発や分析、メンテナンスを行う専属チームが構成されます。
高度な機能を備えたECサイトを構築したい方は、アラジンECがおすすめです。
Bカート
Bカートの料金プランは計6種類で、ライトプランは月額1万円ほどで利用できます。
引用:Bcart公式HP
カスタマイズはできませんが、標準機能が充実しており、手頃な価格でECサイトを利用できます。
30日間限定の無料プランもあるので、ECサイトの導入を迷っている方は検討してみてはいかがでしょうか。
楽楽B2B
楽楽B2Bのプランは計3種類です。
引用:楽楽B2B公式HP
ライトプランとスタンダードプランの初期費用は11万円で、エンタープライズプランの初期費用は33万円です。
ライトプランとスタンダードプランで使用できるのは標準機能のみですが、エンタープライズプランは機能をカスタマイズできます。
プランはいつでも変更できるため、操作に慣れてきたら機能をカスタマイズできるエンタープライズプランに移行するのもよいでしょう。
手頃な価格で利用できるASPカートと、拡張性に優れたパッケージシステムのどちらを導入するか悩んでいる方には楽楽B2Bがおすすめです。
BtoB企業がECを導入した成功事例3選
「他社は、どのような理由でECサイトを導入しているのか?」
「ECサイトの効果を最大限に活かすには、どうすればよいのか?」
上記の疑問を解決するために、ECサイトを導入したBtoB企業の成功事例を紹介します。
瑞穂食品工業
瑞穂食品工業は、京都で中華麺を製造している企業です。
以前は電話やFAXで注文を受け付けており、ラーメン店からの受注はランチ営業後に集中するため、対応できないことも少なくありませんでした。
ECサイト導入後は集中する注文にも対応可能で、取引先ごとの注文条件をシステムに登録することで、重量計算を自動化することに成功しました。
参考:アラジンEC導入事例(瑞穂食品工業様)
株式会社ランクアップ
株式会社ランクアップは、化粧品の開発・販売を行う企業です。
以前は手書きの依頼書を配送会社にメールで送っていたため、人的ミスが頻繁に発生していたとのこと。
ECサイト導入後は業務の進捗がステータスで管理できるようになったため、対応漏れやミスを未然に防ぐことに成功しました。
参考:株式会社ランクアップ様の導入事例
株式会社小松製菓
株式会社小松製菓は、老舗の南部せんべいメーカーです。
以前は電話で注文を受けながら1件1件手動で入力していたため、ミスが度々発生していました。
その後、ECサイトを導入したことで、聞き取りミスを防ぎ、入力工数の大幅削減に成功しています。
参考:楽楽B2B(株式会社小松製菓様)
ECサイトの導入で効果を最大化する方法
ECサイトの効果を最大限に活かすため、競合のサイトを分析しましょう。
競合よりも優れたECサイトを導入することで、新規顧客の獲得や売上の拡大に繋がります。
たとえば競合が積極的に活用している機能や、購入までの流れを分析することで、顧客が求めるECサイトを構築できます。
市場調査はECサイトの効果を大きく左右する工程のため、注力したい方は弊社にぜひご相談ください。
弊社では市場・競合調査からサービス運用支援まで行っております。
顧客のニーズを満たすサイトがイメージできる方は、下記の記事を参考にECサイトを作成してみてください。
自社に適したECサイトを導入すれば大きな利益を得られる
BtoB企業がECサイトを導入することで、業務の効率化だけではなく、売上の拡大やミスの防止に繋がります。
取引に必要な機能や予算を確認して、ECサイトの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
しかし、複雑な操作方法や発注方法を切り替えるメリットを把握できなければ、既存顧客が離れてしまう恐れもあります。
テクノデジタルでは、市場調査・競合比較をもとにしたサイト構築や、最新技術を導入した先駆的なサービスの提案が可能です。
既存顧客のスムーズなECサイトへの切り替えや、売上の拡大を図りたい方は、ぜひテクノデジタルのコンサルティングをご利用ください。
投稿者
-
システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
新着情報
同じカテゴリの記事
新着記事
人気の記事