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ECサイトにおけるKPIまるわかり!具体的な改善策も解説

ECサイト運営で成果を出すためには、目標設定が非常に重要です。事業における目標や指標を表すKPIやKGIを設定することによって、売上や訪問者数などを可視化し、さらなる成長のために改善を図りやすくなります。


しかし、KPIという言葉は知っていても「ECサイトにおけるKPIの具体的な項目がわからない」「どのようにKPIを設定すればよいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。


本記事では、ECサイトにおけるKPIについて、代表的な項目や設定方法を詳しく解説します。KPIを改善する具体的な施策にも触れていますので、ECサイト担当者の方はぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること

  • ECサイトのKPIに関する基礎知識
  • ECサイトのKPIを設定する手順・ポイント
  • ECサイトのKPIを改善・見直しする具体的な施策

KPIとは何かをおさらい!KGIとの違い・関連性

ECサイトKPI・KGI

KPI(Key Performance Indicator)は日本語では「重要業績評価指標」と表し、以下のように定義されています。

業績管理評価のための重要な指標。KPIを正しく設定することは、組織の目標を達成する上で必要不可欠である。

引用:野村総合研究所

KPIは組織の目標を達成する上で重要な指標であり、指標に対してどれだけ達成できたかを可視化することが可能です。


KPIと似た用語として「KGI(Key Goal Indicator)」があります。


日本語では「経営目標達成指標」と訳され、KPIよりも範囲が広い指標です。


KPIは事業や組織のパフォーマンスに対する指標、KGIは経営戦略に対する指標という点に違いがありますが、両者には関連性があります。


KGIを達成する過程の指標としてKPIを設定することが多く、KPIを「中間KPI」と表現することもあるのを覚えておきましょう。

まったく別の指標と捉えるのではなく、KGIとKPIを関連づけた、それぞれの設定が重要です。

ECサイトにおけるKPI項目一覧

ECサイトのKPI一覧

KPIは、事業によって設定する項目が異なります。


ECサイトにおいては売上や集客、カスタマーサービスなどに関するKPIが重要です。

下記の表では、ECサイトにおけるKPIを4つに分類し、それぞれに含まれる項目をまとめています。

KPIの分類 KPIの項目
売上・利益に関するKPI ・売上高・総利益
・売上原価
・トランザクション数
・購入割合(コンバージョン率)
・顧客単価
・カート離脱率
・顧客生涯価値(LTV)
・リピート率
・顧客獲得単価
・市場占有率
マーケティングに関するKPI ・訪問者数
・月間指名検索数
・直帰率
・平均セッション継続時間
・セッションあたりの平均ページビュー
・トラフィックソース
・新規ユーザー/リピーター比率
・クリック数・率
・購読者数
・メール開封・クリック率
カスタマーサービスに関するKPI ・顧客満足度
・ヒット率
・電話数
・メール数
・チャット数
・応答時間
・平均解決時間
・アクティブイシュー
・エスカレーション率
在庫に関するKPI ・過剰在庫
・在庫欠品率
・在庫保管コスト

売上・利益に関するKPIは、目標に対する売上の達成度や顧客単価などを評価できます。

マーケティングに関するKPIでは、集客活動に対する訪問者数やサイトを訪れたユーザーの直帰率を目標値との比較が可能です。

カスタマーサービスに関するKPIでは顧客満足度や平均解決時間、在庫に関するKPIでは在庫の推移を把握できます。

上記の項目は、あくまで例となるため、自社ECサイトの現状や課題に合わせて、計測したい項目をKPIに設定しましょう。

ECサイトのKPIを設定する手順・ポイント

ECサイトのKPI

ECサイトのKPIは、ただ代表的なKPIを設定するだけでは上手く機能しません。自社ECサイトはどのような顧客が利用するか、どのような課題があるのかなど、仮説に基づいたKPIを設定することが大切です。

ECサイトのKPI設定は、3ステップで進めていきましょう。

  1. ユーザーシナリオを想定し仮説を立てる
  2. 仮説に合わせた達成可能なKPI・KGIを設定する
  3. 仮説を検証し改善を繰り返す

ステップごとのポイントを意識して、丁寧に自社に合ったKPIを決めましょう。

1.ユーザーシナリオを想定し仮説を立てる

KPIを設定するためには、ユーザーの動きを想定し、まず仮説を立てる必要があります。

KPIは数値を把握する役割のほかに、目標に届かなかったときに原因を見つけるヒントとしても効果的な指標です。

たとえば訪問者数が十分にもかかわらず、売上に変化がない場合「ECサイトを訪れているものの、購入に至らず離脱している」というユーザーシナリオを想定できます。

仮説をより細かく立てることによって、設定すべきKPIが明確になるため丁寧に検討しましょう。

2.仮説に合わせた達成可能なKPI・KGIを設定する

次に、例に挙げた「ECサイトを訪れているものの、購入に至らず離脱している」という仮説に合わせてKPI・KGIを設定します。

たとえば離脱率に着目し、EC業界の平均値をKGIに設定したとしましょう。

離脱率は「サイトまたはページの訪問数÷サイトまたはページのPV数」で求められます。


離脱率に関わる訪問者数やPV数をKPIに設定することで、どれだけの訪問・PVがあった上で、離脱率の数値の把握が可能です。

「訪問者数が多いものの、PVが少ない」という結果が出た場合は、コンテンツの質や導線に課題がある可能性が考えられます。


KPI・KGIの設定で重要なポイントは、達成可能な目標を立てることです。

現実的ではない目標を設定してしまうと、効果的な計測ができません。

KPI・KGIを設定する際は、以下の頭文字を取った「SMART」が便利です。

  • Specific(具体的な)
  • Measurable(計測可能な)
  • Achievable(達成可能な)
  • Relevant(関連した)
  • Time-bounded(期限を定めた)

3.仮説を検証し改善を繰り返す

KPI・KGIを設定したら、仮説に対して施策を実施し検証を行いましょう。

例えば離脱率の原因は導線の作り方やコンテンツの内容にあると仮説を立てたとします。

仮説を施策に落とし込み、離脱率が改善されれば仮説は正しかったと証明できます。

改善されなかった場合には、施策の方向性や内容に問題があったかもしれません。

仮説→施策→検証のサイクルを回し、改善を繰り返すことによって、ECサイト全体の改善やブラッシュアップを進められます。

ECサイトのKPI設定には「KPIツリー」が便利!

ECサイトのKPIツリー

KPIツリーとは、最終的な目標であるKGI(Key Goal Indicator)を頂点とし、そのKGIを達成するために必要なKPI(Key Performance Indicator)をツリー状に可視化したものです。


KPIツリーを作成することで、KPIを視覚的に理解し、全体の構造を把握しやすくなります。これにより、設定したKPIが適切かどうかを検討することも容易になります。

KPIツリーを作成する手順は以下の通りです。

ツリーに組み込む要素を決める

例えば、KGIを売上とした場合、売上に関連する要素として注文数や顧客単価などを決めます。

「売上=注文数×顧客単価」のように、足す・引く・掛ける・割るのいずれかで組み立てられる要素を選ぶと、KPIをツリー状に並べ替えやすくなります。


KPIツリーを活用することで、頭の中で考えるよりもビジュアルに整理することができます。適切なKPIの設定に悩んでいる方は、ぜひKPIツリーを作成してみてください。

単位を設定する

選んだKPIそれぞれの単位を設定します。

例えば、注文数は「件」、顧客単価は「円」のように設定します。

要素を時系列で並べ替える

売上を最終地点とし、売上に近いタイミングで発生するものほど、KPIツリーにおいてもKGIに近い位置に配置します。

ECサイトの場合、一般的に集客→販売→売上という流れになります。したがって、一番下層にマーケティングに関するKPI、次に売上・利益に関するKPIを配置し、頂点を売上とするとKPIツリーを作成しやすくなります。

ECサイトのKPIを改善・見直しする具体的な施策

ECサイトのKPI見直し

ECサイトのKPIを設定し、施策を実行していくと、思うように目標達成できないKPIが見えてくるはずです。


「訪問者が増えない」「直帰率が高い」「コンバージョン率が低い」などの課題は、KPIを設定したからこそわかるため、適切な対策を行うことでECサイトを成長させられます。


6つのKPIに対する主な改善策を紹介しますので、ぜひ見直しに役立ててみてください。

訪問者数を増やす施策

ECサイトの訪問者数が伸びない場合は、以下の施策が効果的です。

  • SEOを強化する
  • 広告を出稿する
  • SNSで集客する

検索エンジンで上位表示を目指すSEOや広告の出稿は、ユーザーとの接点を増やせる施策です。

SEOではコンテンツの内容を見直したり、継続的に投稿することによって、検索エンジンからの評価を高められます。


広告は検索ページに表示するリスティング広告、1度サイトを訪れたユーザーに再訪問を促すリターゲティング広告などで、顧客の訪問を促せる方法です。

また、SNSでユーザーとコミュニケーションを取る方法もあります。


定期的に発信し、ユーザーと接点をつくることでECサイトの認知度を高めたり、ECサイトに誘導したりすることが可能です。

直帰率を下げる施策

ECサイトの訪問者数は多いものの、直帰率が高い場合には以下の施策を実施してみましょう。

  • サイトデザインを改善する
  • コンテンツを充実させる
  • サイトの表示速度を高める

直帰する原因として、ECサイトのデザインが見にくい、コンテンツの内容が薄いなどが考えられます。

文字や画像が見やすいか、ボタンの位置がわかりやすいかなど、ユーザー目線に立って視認性の高いデザインに改善しましょう。


悩みを解決するためにECサイトを訪れても、ニーズに合ったコンテンツがなければ、直帰してしまいます。

ユーザーが自社に求めるサービスを想像し、チェックしたくなるコンテンツを充実させましょう。


また、サイトの表示速度が遅いのも直帰の原因です。

なかなか表示されないと離脱してしまうので、画像容量の圧縮やソースコードの軽量化などを実施し、表示速度を改善しましょう。

コンバージョン率を高める施策

ECサイトの訪問がなかなか購入につながらない場合は、コンバージョン率に着目した施策を実施しましょう。

  • 購入までの導線を見直す
  • 商品の魅力がわかるページを作成する
  • おすすめ商品やクーポンなど購買を促進する

ECサイトでは商品を購入したいものの、購入までの導線が複雑で購入に至らないケースが多いです。スムーズに購入できるように、ボタンや項目の表示を見直すだけでも購入につなげやすくなります。


また商品に興味があるユーザーでも、商品の魅力が上手く伝わらないと購入の後押しができません。商品の特徴や利用シーンなどが伝わるようにページを修正し、購入したくなる魅力を伝えましょう。


おすすめ商品やクーポンなどの通知は、購買促進につながる方法です。

購入意欲が高いユーザーに表示を出すことで、購入を促しやすくなります。

顧客単価を改善する施策

注文数は多いものの、単価が低くて売上が伸びない場合は、以下の施策で改善を期待できます。

  • 一定価格以上で送料を無料にする
  • セット商品をつくる
  • 商品のランクを複数用意する

ECサイトでよく見かける「〇〇円以上で送料無料」というサービスは「送料がもったいないからまとめて購入しよう」と考えるきっかけを与えます。


単品で購入するよりもお得なセット商品も効果的です。

セットでお得になれば、単品で2品購入するのが難しくても、セット商品で顧客単価を高められます。


また、商品のランクを分けるのもおすすめです。たとえば3つのランクがあった場合、人間の心理として中間を選ぶ傾向があります。


中間に購入してほしい価格の商品を配置することで、顧客単価をコントロールしやすいです。

リピーターを獲得する施策

ECサイトで継続的に売上を伸ばすためには、リピーターの獲得が重要です。

思うようにリピーターが育たないときは、以下の施策を実施してみましょう。

  • メールマガジンで接点をつくる
  • SNSでフォロワーを獲得する
  • 商品にメッセージを添える

メールマガジンやSNSは、顧客との接点をつくれる方法です。メールや発信でお得な情報を伝えることで、再度ECサイトを利用するきっかけを生み出せます。


商品にメッセージを添えて発送するのもおすすめです。購入への感謝や商品の使い方などを伝えることによって、サービスへの満足度を高められます。

顧客獲得単価を削減する施策

ECサイトの売上は伸びているが、顧客の獲得にコストがかかっている場合は、顧客獲得単価に着目した施策を実施する必要があります。

  • 広告宣伝費を見直す
  • クリック数を増やす
  • コンバージョン率を高める

広告宣伝費は高ければ高いほど良いわけではなく、費用対効果の高い方法を選ぶ必要があります。効果と費用が見合っていないのであれば、別の方法で広告宣伝費を活用しましょう。


また、クリック数やコンバージョン率が高まれば、費用対効果も高くなります。サイトデザインの改修やSEOなど、訪問者数やコンバージョン率に対する施策に力を入れ、顧客獲得単価を削減しましょう。

自社ECサイトに適したKPIを設定しよう

ECサイトKPI

KPIはECサイトの売上や訪問者数などの目標に対して、達成状況を明らかにできる指標です。

自社の現状や課題に合ったKPIを設定することで、強みや改善点が見えてきます。KPIツリーも活用しながら、自社ECサイトに合ったKPIを設定し、施策の実施と改善を繰り返しましょう。


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投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。