2025.11.05
エレベーターピッチ | 30〜60秒で「刺さる」説明の作り方
エレベーターピッチとは、短い時間(概ね30秒〜1分)で自分のアイデア、サービス、自己紹介などの核を伝え、相手の興味を引くための簡潔なスピーチです。
会話のきっかけや投資家・顧客との初対面、社内でのアイデア売り込みなど、さまざまな場面で使えます。短いからこそ「何を言うか」だけでなく「どう言うか」が勝負になります。
目次
なぜエレベーターピッチが重要か
| 初対面での印象形成 | 限られた時間でプロフェッショナルさと熱意を示せる。 |
|---|---|
| 機会を生む | 名刺交換や次のミーティングにつながるきっかけになる |
| 思考の整理 | 自分の提案や価値を言語化することで、曖昧さを排除できる。 |
エレベーターピッチは短い時間で自分を効果的に伝えるための技術です。初対面の場では、限られた秒数の中で的確に要点を伝えることでプロフェッショナルさと熱意を同時に示すことができ、第一印象を大きく高めます。
また、端的で興味を引く説明は名刺交換や会話の続き、さらには次のミーティングにつながる実際の機会を生み出します。加えて、自分の提案や価値を言葉にして整理するプロセス自体が思考を明確にし、曖昧さを排して説得力のある説明につながります。
つまりエレベーターピッチは「伝えるため」の準備と「次に進むため」の架け橋を同時に作る道具なのです。
エレベーターピッチ基本構成
続いて、エレベーターピッチ基本構成を紹介します。
1.フック(導入)
フックは「最初の3〜5秒」で相手の興味をつかむための決定的な一文です。効果的なフックは単に派手な言葉を並べるのではなく、相手の関心領域に直接触れる具体性を持ちます。たとえばインパクトのある数字(「年間◯◯時間」や「◯%削減」)、驚きを生む事実(「業界の常識を覆す」)、あるいは相手に考えさせる質問(「もし◯◯が半分の時間で終わるとしたら…?」)などが有効です。
2.問題提示(課題)
問題提示は「誰にとって」「何が困っているのか」を分かりやすく示し、相手に共感と緊急性を抱かせる部分です。単に状況を述べるだけでなく、具体的な影響(コスト、時間、機会損失、リスク)を短い事実や数字で補強すると説得力が上がります。重要なのは問題を自分ごと化させること(他人事ではないと相手に感じさせること)です。
3.解決策
解決策のパートでは、あなたの製品やサービスが上で示した課題をどのように解消するかを端的に示します。ここでは「何をするのか」だけでなく「どのように(技術・プロセス・手順)」「なぜ他と違うのか(差別化)」を必ず含めてください。
差別化は機能の比較だけでなく、導入のしやすさ、コスト構造、独自アルゴリズムや顧客事例などで示せます。
4.裏付け
主張の信頼性を高めるために、必ず客観的な裏付けを添えます。導入実績(導入社数・リピート率)、効果の数値(削減率・売上増加)、第三者の評価(受賞・認証)、あるいは市場データ(市場規模・成長率)など、聞き手がすぐに検証可能な情報を短く示すと説得力が飛躍的に増します。裏付けは「嘘がないこと」が前提なので、過剰表現は避け具体的事実を出しましょう。
5.クロージング
クロージングは聞き手にとって次に取るべきアクションを明確にする短い一文です。単なる「よろしくお願いします」ではなく、具体的で実行可能なリクエスト(名刺交換、15分のデモ、資料送付、次週の面談設定など)に落とし込みます。相手が「はい/いいえ」で返答できる形式が理想的で、ここで相手に選択肢を与えると合意形成がスムーズになります。
エレベーターピッチのテンプレート
エレベーターピッチのテンプレートを30秒と60秒の2パターンご紹介します。ぜひ参考にしてください。
30秒テンプレ
たとえば「年間◯◯時間を削減できます」といった具体的な数字や、相手の関心を直撃する問いかけで一気に注意を引きます。次に「誰がどんな困りごとを抱えているのか」を簡潔に述べ、問題の深刻さを短く補強します。
続けて「私たちは(解決策)を提供し(差別化)」と、仕組みと他社との違いを1〜2文で示してください。最後に「現在(実績/状況)」を一行で添え、締めとして「もしよろしければ、詳しくお話しする時間を頂けますか?」と具体的な次のアクションをお願いして終えます。
ポイントとしては、各センテンスは短く、主語と述語をはっきり。数字や導入期間など具体性があると刺さりやすいです。読み上げて30秒以内に収まるか必ず確認しましょう。
60秒テンプレ
導入で相手の興味を引いたら、続けて「多くの(ターゲット)が(問題)に悩んでいます」と対象と課題の共通性、影響範囲を具体的な状況や数値で説明します。
次に「そこで私たちは(解決策)を作り、(どのように機能するか)を通じて(得られる価値)を提供します」という流れで、仕組みの要点とそれが生むメリットを丁寧に伝えます。続けて「現在(市場の大きさ/初期の実績)」で信頼を補強し、最後に「次のステップとして(提案:ミーティング/デモ)をお願いできれば嬉しいです」と具体的な行動を促して締めます。
ポイントとしては、60秒は少し余裕があるので「どう動くか(仕組み)」と「得られる価値(数値・時間・コスト)」を明確に。裏付けは1〜2点に絞り、最後に相手が応じやすい具体的提案を出すと成功率が上がります。
エレベーターピッチのポイント
エレベーターピッチのポイントを7つご紹介します。
| 端的に | 1文ごとに主語と述語を明確にしましょう。 |
|---|---|
| 数字を入れる | 効果や市場を数値で示すと説得力が上がります。 |
| 相手目線 | 相手の関心事(コスト・時間・差別化)を先に想定しましょう。 |
| 練習は声に出して | 60秒→30秒→20秒と短縮練習を繰り返しましょう。 |
| 自然なトーン | 台本読みはNGです。短くても“会話”に聞こえるようにしましょう。 |
| 質問で終える | 単に話し切るより相手に返答の余地を残しましょう。 |
| 非言語も大事 | 視線、笑顔、適度なジェスチャーで信頼感をプラスしましょう。 |
専門用語や内部略語の多用は避けましょう。また過剰な自慢は辞めましょう。実績を示すのは良いですが、根拠は簡潔に。
まとめ
エレベーターピッチは30〜60秒で要点を伝え、相手の興味を引く短い説明技法です。初対面での印象形成や名刺交換・次回面談のきっかけを生み、考えを言語化して曖昧さを取り除きます。構成は「フック→問題提示→解決策→裏付け→クロージング」。
30秒・60秒のテンプレを使い、数字で説得力を出し、相手目線で端的に話すことが成功のコツです。専門用語や過剰な自慢は避け、最後は具体的な次のアクション(デモや面談依頼)を示しましょう。声に出して練習し、短くまとめる訓練を重ねると効果的です。
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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