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2025.08.18

内発的動機付けとは?外発的動機付けとの違いを解説

私たちが何か行動を起こすとき、その原動力となるのが「動機付け(モチベーション)」です。中でも、最近ビジネスシーンや教育現場、自己成長の分野で注目されているのが「内発的動機付け」。これは、外部からの報酬や評価を目的とするのではなく、自分自身の興味・関心や達成感を原動力として行動することを指します。

本記事では、内発的動機付けの意味や特徴、メリット・デメリット、実生活や仕事への活かし方、外発的動機付けとの違いをわかりやすく解説します。

内発的動機付けとは

内発的動機付けとは

内発的動機付け(Intrinsic Motivation)とは、外部からの報酬や義務感ではなく自分自身の内側から湧き上がる興味・関心・楽しさ・達成感を理由に行動することです。

  • 新しい趣味を始めるのは「楽しそうだから」
  • 知らない知識を学ぶのは「単純に知りたいから」
  • ゲームをクリアするのは「達成感を味わいたいから」

といったように、行動自体が目的になっている状態です。

アメリカの心理学者エドワード・デシとリチャード・ライアンが提唱した「自己決定理論(Self-Determination Theory)」の中で、内発的動機付けは重要な概念として位置付けられています。

内発的動機付けの特徴

内発的動機付けには以下のような特徴があります。

行動そのものが目的になる 報酬や承認を得るためでなく、行為自体に満足感や楽しさを感じる。
長期的に持続しやすい 自らの興味に基づく行動は、強制されずとも自発的に継続しやすい。
創造性や主体性を高める 好奇心や達成欲求により、新しい発想や改善意欲が湧きやすい。
ストレスが少ない 義務感や外部評価に縛られず、自分のペースで取り組める。

内発的動機付けの具体例

内発的動機付けの具体例

内発的動機付けの具体例を挙げます。以下のように「やらされ感」がなく、自分の意思で取り組む行為全般が内発的動機付けによるものといえます。

日常生活における例

  • 趣味の料理に没頭する
  • 小説や漫画を夢中で読む
  • 新しい言語を学ぶのが楽しくて続ける
  • 自分の部屋のインテリアを工夫する

仕事・ビジネスの例

  • 自分の得意分野を活かして企画を考える
  • お客様に喜ばれるのが嬉しくて提案する
  • より良い資料を作りたくて工夫を凝らす
  • 自己成長のために新しいスキルを学ぶ

教育・子育ての例

  • 子どもが好きな絵を自由に描く
  • 興味のある科学実験に夢中になる
  • 自主的に宿題を進める

外発的動機付けとの違い

外発的動機付けとの違い

ここで、よく比較される「外発的動機付け(Extrinsic Motivation)」との違いも確認しておきましょう。

内発的動機付け 外発的動機付け
行動の理由 楽しさ・興味・達成感
持続性 長続きしやすい
創造性 高まりやすい
ストレス 少ない

つまり、内発的動機付けは「内なる欲求」、外発的動機付けは「外からの刺激」による行動の違いです。

両者は相反するものではなく、バランスよく組み合わせることが効果的とされています。

内発的動機付けのメリット

内発的動機付けのメリット

内発的動機付けには以下のような利点があります。

  • 長続きしやすい:興味や楽しさに基づく行動は、義務感や外的報酬による行動よりも継続性が高いと言われています。
  • 創造性・柔軟性が高まる:好きなことに熱中する過程で新しいアイデアや独自の工夫が生まれやすくなります。
  • 自己肯定感が育まれる:やりたいことに主体的に取り組み、成果を実感することで自信や達成感を得られます。
  • ストレスが少ない:外的なプレッシャーや評価への過剰な意識が減り、自分のペースで取り組めるため、精神的負担も軽減されます。

内発的動機付けのデメリット・注意点

内発的動機付けのデメリット・注意点

一方で、内発的動機付けにも課題があります。

  • 興味を失うと継続しにくい:あくまで「やりたい」という気持ちが源泉のため、興味が薄れたり環境が変わると行動が止まることも。
  • 外発的報酬とのバランスが難しい:仕事や学校など、報酬や評価と結びついた行動も多いため、内発的動機付けだけでは完結しにくい場面もあります。
  • 組織マネジメントには活用に工夫が必要:社員の内発的動機付けを引き出すには、個々の関心や適性を理解し、裁量権や選択肢を与える組織づくりが求められます。

内発的動機付けを高める方法

内発的動機付けを高める方法

最後に、内発的動機付けを高めるための具体的な方法を紹介します。

興味のあることを明確にする 「自分は何が好きなのか」「どんな時に夢中になるのか」を棚卸しし、自分の関心を把握しましょう。
小さな成功体験を積む いきなり大きな目標ではなく、短期的な目標を設定し、達成感を味わうことでやる気が続きます。
自由度のある環境を作る 裁量権や自分で選択できる余地があると、内発的動機付けは高まりやすいです。ルールや評価基準をゆるめることも効果的。
自分のペースで取り組む 他人と比較するのではなく、自分自身の成長や達成感を重視することが大切。

まとめ

まとめ

本記事では内発的動機付けの意味・特徴・メリット・デメリット・具体例・外発的動機付けとの違い、そして内発的動機付けを高める方法について解説しました。

内発的動機付けは、長続きしやすく、創造性を高め、ストレスも少ないという大きなメリットがあります。ビジネスでも教育現場でも、これを意識した環境づくりをすることで、人のやる気を自然と引き出せるようになります。

まずは、あなた自身の「楽しい」「知りたい」「達成したい」という気持ちを大切に、日々の行動に活かしてみてください。

投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。