2025.06.27
クリティカルシンキングとは|鍛える4つのステップやポイントを解説

「クリティカルシンキングとは?」「クリティカルシンキングとロジカルシンキングの違いは何なのか」「クリティカルシンキングを身につけて、仕事に役立てたい」
ビジネスを成功させるためには主観にとらわれず、物事の本質を理解し、正しい方向に足並みを揃えることが重要です。
しかし自分自身の考え、周りの人の意見の中で、何が正しいのか、どの意見を採用したらいいのかを決めることは容易ではありません。このような場面で役に立つのがクリティカルシンキングと呼ばれる思考法です。
この記事でわかること
- クリティカルシンキングの意味
- クリティカルシンキングを身につけることのメリット
- クリティカルシンキングの身につけ方とポイント
クリティカルシンキングとは?

クリティカルシンキングは、自身や他者の発言や考え方が正しいかどうかを一旦立ち止まって冷静に考え、疑うことでその発言や考え方の本質を発見することを目的とします。
- クリティカルシンキングの意味
- クリティカルシンキングとロジカルシンキングの違い
この2点の視点からクリティカルシンキングについて詳しく説明していきます。
クリティカルシンキングの意味
クリティカルシンキングは「批判的思考」とも呼ばれ、あえて疑う思考方法です。
「批判的」と聞くとネガティブなイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、ここでの「批判的」は欠点や落ち度を探して非難するわけではなく、経験や直感、置かれている状況などに影響されることなく、物事の本質を見極めて論理的に考えることを意味します。
クリティカルシンキングとロジカルシンキングの違い
クリティカルシンキングと混同しやすい言葉としてロジカルシンキングがあります。
ロジカルシンキングは「論理的思考」とも呼ばれ、論理的に物事を考えるスキル全般を指します。ロジカルシンキングは複雑な状況や問題を整理し解決策を見つける目的で有効な思考法です。
論理的に考える点では、クリティカルシンキングとロジカルシンキングは同じです。
クリティカルシンキングとロジカルシンキングの意味を整理すると以下のようになります。
クリティカルシンキング (批判的な思考) |
考えや発言が正しいかをあえて疑って客観的な思考で検証すること。 |
---|---|
ロジカルシンキング (筋の通った思考) |
物事や問題に対して矛盾が無いように筋道を立てること |
クリティカルシンキングとロジカルシンキングはそれぞれ異なる思考法ではありますが、両方組み合わせることで問題解決や意思決定を進める助けとなります。
クリティカルシンキングのメリット

クリティカルシンキングを身につけると、得られるメリットがあります。
以下の4点について詳しく説明していきます。
- 事実に基づいた的確な判断ができる
- 矛盾点を見つけ、リスク回避できる
- 新しいアイデアが見つかる
- コミュニケーションが円滑になる
事実に基づいた的確な判断ができる
クリティカルシンキングは起きたことに対して本質を把握できるので、的確な判断ができます。
クリティカルシンキングで重要なのは物事に対して主観を入れず客観的に考えることです。
客観的に考えることで周囲の状況の影響を受けずに、事実のみを根拠に的確な判断ができます。
矛盾点を見つけ、リスク回避できる
クリティカルシンキングを身につけることで、常に疑う視点を持つことができるので矛盾点や問題点を発見しやすくなります。
そのため問題解決までの筋道が描きやすくなり、アクシデントや問題発生するリスクが発見され回避できる可能性が上がります。
新しいアイデアが見つかる
クリティカルシンキングを身につけると、異なった視点から考え、固定概念や常識を疑うことで今までになかった新しいアイデアを生み出すチャンスがつかみやすくなります。
コミュニケーションが円滑になる
クリティカルシンキングを意識することで考えに偏りが生まれにくくなるため、私情を含まず冷静に話し合いができます。
そうすることで事実に基づいて話し合いを進められるためコミュニケーションが円滑になります。
クリティカルシンキングを鍛える4つのステップ

クリティカルシンキングを身につけることでメリットが得られる説明をしてきましたが、どうしたらクリティカルシンキングを鍛えられるのでしょうか。
以下の4つのステップにわけて説明していきます。
- 知識のインプット
- 実務でのアウトプット
- 他者からフィードバックを受ける
- 自分の思考を改善する
1.知識のインプット
クリティカルシンキングについて学ぶためには、知識をインプットすることが第一段階になります。
クリティカルシンキングを学ぶ手段はたくさんあり、「参考書籍を読む」「オンライン講座を受講する」など自分のライフスタイルに合った方法を選びましょう。
2.実務でのアウトプット
知識がインプットできたら、次はインプットした学びを実務の中でアウトプットしていきましょう。
職種や仕事内容によってクリティカルシンキングの必要度は異なりますが、クリティカルシンキングは多くの場面で役に立ちます。
例えば、資料作成です。
企画書や会議資料、報告書を作成する際にもクリティカルシンキングの視点を持って作成することで、読む人に対して企画や議題の本質を論理的に伝えられます。
3.他者からフィードバックを受ける
アウトプットした内容は上司や同僚からフィードバックを受けましょう。
フィードバックを受けることはクリティカルシンキングを鍛えるうえでとても重要です。
知識をインプットをする際に「読書」や「オンライン講座の受講」等をあげました。
この方法はとても手軽で良い方法ではあるのですが、「書籍や動画の作者→読者」の一方通行になってしまい、学んだことをインプットすることまでは実行できても、アウトプットすることや他者からのフィードバックを受けることは難しいです。
そのため、知識をインプットしたら積極的に業務の中でアウトプットし、周りからフィードバックを受ける機会を増やしましょう。
インプットした知識が初めて「知っているだけ」から「仕事に活かせる」にレベルアップしていきます。
4.自分の思考を改善する
知識のインプット、そしてアウトプットを行い、他者からのフィードバックを受けるという行為を何度も繰り返すと、徐々に自分自身の思考の癖や思い込みに気づくことができます。
気づいたことはしっかりと受け入れて、直感や経験に頼った主観の思考スタイルから、客観的な思考スタイルに変えていきましょう。
クリティカルシンキングを鍛える際のポイント

クリティカルシンキングを鍛える際の大切なポイントが3点あります。
- あらゆる視点から物事を疑い続ける
- 自分の思考の偏りを意識する
- 事実か意見かを意識する
それぞれ説明していきます。
あらゆる視点から物事を疑い続ける
一つ目のポイントはあらゆる視点から物事を疑い続けることです。
物事を一定の方向から正しく見ていても、異なる方向から見ると矛盾点や問題点が見つかるかもしれません。
あらゆる視点から疑いの目を向けることで、どこからみても矛盾のない状態にできるでしょう。
そのためには、答えは1つと決めつけないことで多面的に物事を見る習慣が身につき、あらゆる視点から物事に目を向けられるようになります。
また、枠にとらわれない考え方をすることも大切です。
例えば、ドーナツの形を聞かれたらどんな形を思い浮かべるでしょうか。多くの人が「丸」と答えるでしょう。
しかし実際には丸以外の四角や三角、さまざまな形をしたドーナツがあります。
これが枠にとらわれない考え方です。
多くの人が思いつかない、枠にとらわれない考え方を普段からすることも、あらゆる視点から物事に目を向けるうえで重要になります。
自分の思考の偏りを意識する
2つ目のポイントは自分の思考の偏りを意識することです。
誰しもが自分の考えを持っていて、それは生まれ育った環境や性格、周りを取り巻くすべてが影響しており、とても大切なものです。
しかしながら、「自分自身の考えが全て正しい」「こうでなければならない」といった自分の中の常識が周りの常識とは異なる場合があります。
自分の思考には偏りがあることを意識したうえでクリティカルシンキングを実践する習慣をつけましょう。
意識したうえでクリティカルシンキングを繰り返していくうちに、客観的な考え方が身についていきます。
自分の思考の偏りが分からない場合は周りの人に聞いたり、心理テストを受けたりしてどのような偏りがあるのかを知るとよいでしょう。
事実か意見かを意識する
事実は実際に起きたこと、意見は個人の考えを意味します。
例 |
---|
・事実:今日は昨日より○○人多くのお客さんが来店した。 ・意見:今日は昨日よりもお店が混んでいる。 |
事実では「○○人増えた」と明確なデータが根拠となっていますが、意見では「昨日よりも混んでいる」といった根拠のない主観によるものです。
クリティカルシンキングをする際には客観的に事実に基づいた考え方が重要です。
自分で発言する際にも事実なのか、意見なのかを意識することは大切ですが、周りの発言を聞く際にも事実を話しているのか、意見を述べているのか注意して聞くとで良いトレーニングになります。
まとめ

今回はクリティカルシンキングについて説明してきました。
クリティカルシンキングは「あえて疑う」思考なので、始めは身につけることが難しく感じるかもしれません。
しかし、身につけることで主観にとらわれず、事実に基づいた的確な判断ができるようになるため、リスクを回避できるだけでなく、新しいアイデアが見つかることにも繋がります。
クリティカルシンキングを身につけ、鍛える方法は書籍やオンライン講座などさまざまな方法があり、自分に合ったツールを選べます。
将来を予測することが難しいこの現代だからこそ、物事の本質を見極めるためにもクリティカルシンキングを身につけていきましょう。
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