2025.06.25
「架電」とは?使い方や架電業務がある業種や成果を上げるコツを解説

「架電ってなに?」「架電の正しい使い方は?」「架電業務のコツはあるのか」仕事をする中で「架電」という言葉を聞いてピンとこない方がいるのではないでしょうか。
しっかりと理解しないままでいると、ビジネスシーンで誤った使い方をしてしまう恐れがあります。
この記事では架電の意味や使い方を詳しく解説し、実際の架電業務の具体的な内容を説明していきます。
この記事でわかること
- 「架電」の意味と「架電」を使った文章例
- 架電業務のある業種
- 架電業務のコツ
- 架電業務に向いている人
目次
「架電」の意味

架電とは電話をかけることです。
架電はもともと裁判で使われていた言葉でしたが、コールセンターや電話対応の多い職種で使われるようになり、次第にビジネス用語になっていきました。
架電と表現する場合はこちらから電話をかけることを意味するので、かかってきた電話を架電と言わないように注意しましょう。
「架電」の使用場面と例文

「架電」という言葉を実際どのように使うのか、以下の4つの例を上げて説明していきます。
- 架電する
- 架電の件
- 架電あり
- 再架電
例文①|架電する
「架電する」は「電話をかける」の置き換えです。
「架電」という言葉自体がビジネス用語なので一般のお客様に使用しても理解してもらえない可能性があるので注意が必要です。
お客様に対しては「のちほど架電します。」ではなく「のちほどお電話させていただきます。」と表現し、「架電」は業界用語としてとらえておくことが妥当かもしれません。
・コールセンターでは毎日多くの人に架電しています。 ・商談の件について、クライアントに架電します。 ・架電しましたが、担当者が不在でした。 |
例文②|架電の件
「架電の件」は「電話の件」という意味で使います。
メールやChatworkやSlackのようなチャットを使用する際に、「電話でお伝えした件」と書くよりも 短い言葉で伝えられるので文章がすっきりとします。
・架電の件ですが、その後ご検討いただけましたでしょうか。 ・架電の件です。こちらがその資料になります。 ・架電の件、了解いたしました。 |
例文③|架電あり
メモ書きに使われることが多い表現です。
「架電」は電話をかけることですが、「架電あり」は「電話がかかってきた」という意味になります。
・「〇〇様より架電あり」(メモで) ・11時ころ▢▢様より架電があったので折り返してください。 |
例文④|再架電
架電先が不在だった場合や、追加で連絡が必要な場合などに「もう一度電話をかける」という意味で使います。
・担当者不在のため後日再架電します。 ・その件に関しましては、先方に再架電して確認いたします。 ・返答が得られず再架電を試みましたが、やはり不通でした。 |
架電業務がある業種

実際に架電業務が必須となる主な業種を5つ紹介していきます。
- コールセンター
- 配送会社
- 保険会社
- 不動産会社
- 人材紹介会社
それぞれどのような架電業務があるのか説明していきます。
コールセンター
架電業務と聞いてまず頭にコールセンターが浮かぶ方が多くいるのではないでしょうか。
その名の通り架電業務がメインの仕事になります。コールセンターの仕事内容は大きく2つにわかれます。
・アウトバウンド:個人や企業に向けてアポ取りをする架電業務 ・インバウンド:顧客からの注文や問い合わせを対応する受電業務 |
架電リストに沿って電話をしていくやり方が多く、架電件数が一日に100件を超えるケースも少なくありません。
配送会社
最近は配達や集荷をウェブサイトやアプリを使用して依頼できるケースが増えてきているものの、緊急であったりネットやアプリを使えない方もいるので直接電話でのやり取りが必要です。
お客様からの受電が多いですが、ドライバーは多くの時間運転をしているため出られない場合もあり、その際には架電が必要になります。
保険会社
保険会社では新規の顧客獲得に向けて、商品の説明や提案を行う際に架電業務があります。
また、既存客への定期的な保険内容の確認や契約内容の見直しも必要です。
状況は十人十色であるため、その人に合った商品やプランを提案しなければなりません。
保険の仕組みや商品の十分な知識が必須となります。
不動産会社
不動産会社では不動産の売買や仲介業務において、内覧日の調整や契約のやり取り等で架電業務が必要です。
それ以外にもお客様からの相談や、既存顧客(賃貸の入居者や家・土地の購入者など)からのクレーム対応等の受電業務もあります。
既存顧客からの問い合わせが多く発生するため、別でコールセンターを設置している不動産会社も多くあります。
人材紹介会社
人材紹介会社は人材を求める企業と求職者の仲介に立ち、マッチングを行います。
求職者に架電し、求職者の希望や条件に合う仕事を斡旋します。企業に対しては求める人材や詳しい条件を確認したり、適した人材を見つけた場合の提案が主な架電業務です。
また、新規で人材紹介契約を獲得するための架電業務もあります。
成果を出す架電業務の4つのコツ

架電業務で成果を出すためのコツは4つあります。
- 見込み顧客リストを作成する
- スクリプト(台本)を作成する
- 想定質問を用意しておく
- 時期や時間帯をターゲットに合わせる
それぞれ詳しく解説していきます。
見込み顧客リストを作成する
架電業務を行う際には、事前に顧客リストを作成しましょう。
リストを作成するときにポイントは、提案したい商品やサービスに合わせて、契約が取れる見込みのある顧客に絞ることです。
契約が取れる見込みがある顧客をどのように絞っていくか説明していきます。
- 過去の営業・取引データ
- 自社サイトへのアクセス情報
- インターネット検索
- タウンページ
これらの情報から、自社製品・サービスに合いそうな顧客を絞っていきます。
また、コストがかかってしまいますが、業者から企業リストを購入したり、ツールを活用してリストを作成する方法もあります。
スクリプト(台本)を作成する
架電業務におけるスクリプトは話す内容や流れ、順番を決めておく台本のことです。
スクリプトで成約率を左右する可能性もあるので入念に準備しましょう。
スクリプトは4つの段階に分けられます。
1.挨拶・自己紹介 | 必ず社名・個人名を言いましょう。名乗らずに本題に入ると相手が不審に思うかもしれません。 |
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2.アイスブレイク | お互いの緊張感をほぐすために、相手方の地域の話題や業界のニュースなどの会話をし、双方が「聞いて、話す」ことができるようにする。 |
3.メイントーク | ヒアリング・提案、電話の本題について話します。 アイスブレイクがうまくいっていると、本題はスムーズに話が進み、顧客の悩みや質問を引き出すことができます。 |
4.クロージング | 電話で話した内容を確認します。はっきりとした返答がもらえなかった場合も無理に引き止めたりはせずに、「もう少し詳しいお話をさせていただきたいので空いている日時を教えていただけませんか」や、「資料を送らせて頂いてもよろしいでしょうか」など次に繋がる選択肢を提案する。 |
想定質問を用意しておく
架電する前に、顧客から来る質問を想定し、どのように対応するか準備をしましょう。
声だけでやり取りをする架電ではテンポよく対応することがとても大切です。
質問したことに対して、間が空いてしまったりぎこちない印象を与えてしまうと、不信感や不安感を与えてしまい、良い方向に話が進まなくなってしまうかもしれません。
紹介するサービスや商品について顧客側の立場になって考え、十分な対応策を準備しましょう。
時期や時間帯をターゲットに合わせる
架電するタイミングに気を遣うこともビジネスマナーのひとつです。
タイミングを誤ると仕事を妨げてしまうだけでなく「ここの会社は非常識な時間に電話をかけてくる会社だ」と悪い印象を与えてしまい、まともに話すら聞いてもらえなくなってしまいます。
始業前・始業直後 | 朝礼や仕事に取りかかる準備など時間に追われている可能性が高いです。 |
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休憩時間 | 1番気を付けるべき時間帯。12時~12時半から休憩開始の企業が多いです。 担当者不在の可能性が高く、休憩時間に電話をするのは悪い印象を与えかねません。 |
終業直前・終業後 | 比較的電話はつながりやすい時間ではありますが、帰宅準備を始めて、パソコンの電源を落としている場合もあるので避ける方が良いでしょう。 終業後は電話がつながる企業もあるかもしれませんが、営業時間外に電話をかけてくる会社への印象は悪くなる恐れがあります。 |
繁忙時間帯・繁忙期 | 業界によって時期・時間が異なりますが繁忙時間帯・繁忙期は電話が繋がりにくい状況である可能性が高く、電話が繋がったとしても対応してもらえる可能性が低いです。 |
避けるべき時間に注意して、業界や業種に合わせて一番適した時間に電話をしましょう。
架電業務に向いている人の特徴

それでは架電業務に向いている人はどのような人なのでしょうか。
向いている人の特徴4点を説明していきます。
- コミュニケーションをとるのが得意
- 冷静にトラブル対応がとできる
- 気持ちの切り替えが早い
コミュニケーションをとることが得意
架電業務に向いている人はコミュニケーションを取ることが得意な方です。
架電業務は相手の表情が見えない中でいかに多くのコミュニケーションをとれるかが重要です。
一方的な営業ではなく相手に寄り添った丁寧な対応を心がけましょう。
冷静にトラブル対応ができる
架電業務ではトラブルが生じることも少なくありません。
電話が来ること自体不快に感じる顧客や、商品不良による怒りの感情を持った問い合わせを受ける場合もあります。
そのような時でも冷静かつ臨機応変な対応が求められます。
臨機応変な対応をするためにも、提供するサービスや商品、想定される問い合わせに対して日頃からしっかりと準備しておくと良いでしょう。
気持ちの切り替えが早い
架電業務はクレームやトラブルの対応をすることも多くあります。
そのようなときに否定的な言葉をかけられてもすぐに気持ちを切り替え、次の架電に引きずらないことが大切です。
否定的な言葉をかけられてしまう一方で、自身の対応次第で感謝されることもあります。
ポジティブな言葉は素直に受け止めてモチベーションを維持していくことが大切です。
まとめ

今回の記事では架電について説明してきました。
日常生活ではあまり聞きなじみのない「架電」という言葉ですが、ビジネスにおいては必須かつ重要な業務です。
ビジネスの中で「架電」という言葉を使う際は状況に合わせて正しく使い分けて、ビジネスのコミュニケーションに役立ててください。
実際の架電業務を行うときには、臨機応変に対応できるようにしっかりと事前準備をし、丁寧なコミュニケーションを心がけていきましょう。
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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