デジタルトレンドナビ
DX

2024.08.08

フローチャートの書き方でおさえるべきポイントとは?

フローチャートは、プロセスや手順を視覚的に表現する強力なツールです。

しかし、効果的なフローチャートを作成するには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。


本記事では、明確で理解しやすいフローチャートを作成するためのキーポイントを解説します。これらのポイントを押さえることで、情報を効率的に伝え、複雑なプロセスを簡潔に表現できるようになります。

フロー形式の業務管理ツール「octpath」で業務改善・業務進捗の管理が可能です。

フローチャートとは

フローチャートとは

フローチャートは、プロセスや手順を視覚的に表現するための図表です。一連の作業や意思決定の流れを、様々な図形や記号、矢印を用いて図式化したものです。

主に、業務プロセス、アルゴリズム、ワークフロー、組織の構造などを表現するのに用いられます。各ステップや判断ポイントを特定の形状の図形(例:長方形は処理、菱形は判断など)で表し、これらを矢印で繋ぐことで、情報や作業の流れを明確にできます。

フローチャートは、ビジネス、エンジニアリング、教育など、様々な分野で広く活用されています。なかでも、プロセスの改善、システム設計、問題解決などに役立ちます。

昨今では、デジタルツールの発展により、作成や共有、更新が容易になり、誰でも簡単に作成に取り組むことができるようになりました。

フローチャートはどのようなシーンで有効か?

フローチャートはどのようなシーンで有効か?

フローチャートは、ビジネスから教育、個人の日常生活まで、幅広い場面で活用できる汎用性に富んでいます。適切に作成されたフローチャートは、情報の整理や共有を効率化し、問題解決や意思決定のプロセスを明確にします。

ここでは、フローチャートが特に効果を発揮するシーンを3つ紹介し、その活用方法について詳しく解説していきます。

プロセスの可視化と改善をおこないたいとき

フローチャートは、業務プロセスや作業手順を視覚的に表現するのに最適です。

各ステップや判断ポイントを明確に示すことで、プロセス全体を俯瞰でき、非効率な部分や改善が必要な箇所を特定しやすくなります。

チーム内での情報共有や議論の基盤としても活用でき、プロセス改善のアイデアを生み出すきっかけにもなります。また、改善後のプロセスを新たなフローチャートで表現することで、変更点を明確に示すことができます。

複雑な手順や手法の説明をおこないたいとき

視覚的な表現により、各ステップの順序や関係性が一目で理解できるため、言葉だけでは伝わりにくい内容も効果的に伝えることができます。特に、条件分岐や繰り返しのある手順を説明する際に威力を発揮し、マニュアルやトレーニング資料としても活用できます。

また、異なる部門や経験レベルの人々にも共通理解を促すことができ、コミュニケーションの円滑化にも役立ちます。

意思決定を行う際のサポート要素がほしいとき

フローチャートは、意思決定プロセスを視覚化し、論理的な思考を促進するのに役立ちます。

決定に至るまでの判断基準や選択肢を明確に示すことで、客観的な評価や比較が容易になります。また、各選択肢の結果や影響を予測し、リスクや機会を事前に把握することができます。

チームでの意思決定の際には、フローチャートを用いることで議論の焦点を絞り、合意形成を促進することができます。複雑な状況下での意思決定においても、フローチャートは判断の一貫性と透明性を確保するのに役立ちます。

フローチャートを作成するメリットとは?

フローチャートを作成するメリットとは?

フローチャートを作成することには多くのメリットがあります。

  • 複雑なプロセスをわかりやすくできる
    複雑なプロセスや手順を視覚的に表現することで、全体の流れを理解しやすくなります。文章だけでは把握しにくい情報も、図式化することで直感的に理解できるようになります。
  • プロセスを明確にできる
    フローチャートは問題解決や意思決定のプロセスを明確にする上でも非常に有効です。各ステップや分岐点が明確に示されるため、どこでどのような判断が必要なのかが一目瞭然となり、チーム内での共通理解が促進され、効率的な意思決定を可能にします。
  • 改善点を浮き彫りにする
    フローチャートは業務プロセスの改善にも役立ちます。現状のプロセスを図式化することで、無駄な手順や非効率な部分を特定しやすくなります。そのため、プロセスの最適化や効率化のための具体的な改善点を見出すことができます。
  • 説得力のある説明ができる
    フローチャートはコミュニケーションツールとしても優れています。複雑な情報を簡潔に伝えることができるため、異なる部署や背景を持つ人々の間でも共通理解を得やすくなります。プレゼンテーションや報告書などでも、フローチャートを用いることで説得力のある説明が可能となります。
  • 思考の整理ができる
    フローチャートは作成者自身の思考整理にも役立ちます。アイデアや計画を図式化する過程で、論理的な思考が促進され、抜け落ちていた要素や考慮すべき点に気づくことができます。フローチャートを活用することによって、より完成度の高い計画や戦略の立案が可能となります。

このように、フローチャートの作成は様々な場面で活躍できるツールであり、効果的な情報伝達や問題解決、業務改善などに大きく貢献できるものです。

フローチャートの書き方でおさえるべきポイントとは

フローチャートの書き方でおさえるべきポイントとは

フローチャートの効果的な活用には、いくつかのポイントを押さえることが重要です。

ここでは、わかりやすく目的を達成できるフローチャートを作成するため、重要なポイントを5つ解説します。 これらを押さえることで、より効果的な情報伝達が可能になります。

明確な目的設定する

フローチャート作成の第一歩は、明確な目的を設定することです。

作成する前に、何を伝えたいのか、誰に向けて作成するのかを明確にしましょう。目的が明確であれば、必要な情報を適切に選択し、不要な情報を省略することができます。

また、目的に応じて詳細度や表現方法を調整することで、より効果的なフローチャートを作成できます。目的を常に意識することで、作成過程でぶれることなく、的確な情報伝達が可能になります。

シンプルでわかりやすい構造にする

フローチャートの効果を最大化するには、シンプルでわかりやすい構造が不可欠です。

複雑な情報も、できるだけ簡潔に表現しましょう。主要な流れを明確にし、枝分かれや条件分岐は必要最小限に抑えます。

また、左から右、上から下への自然な流れを意識し、視線の動きを考慮した配置を心がけます。色や形の使い方も統一し、視覚的な一貫性を保つことで、直感的な理解を促すことができます。

適切な記号と規則をつける

フローチャートでは、標準的な記号や規則を使用することが重要です。

たとえば、開始・終了は楕円、処理は長方形、判断はひし形などの一般的な記号を用います。また、矢印の方向や線の種類(実線・破線など)にも意味を持たせ、一貫して使用します。

必要に応じて凡例を付け、使用した記号や規則の説明を加えることで、読み手の理解を助けます。標準化された記号を使うことで、誰が見ても同じように解釈できるフローチャートになります。

適切な規模で作成する

フローチャートの規模は、伝えたい情報量と読み手の理解度に応じて適切に設定します。大きすぎると全体像が把握しづらくなり、小さすぎると必要な情報が欠落する可能性があります。

複雑なプロセスの場合は、全体像を示す大枠のフローチャートと、各部分の詳細を示す小規模なフローチャートを組み合わせるなど、階層構造を活用するのも効果的です。また、デジタルツールを使用する場合は、ズームイン・アウト機能を活用し、さらに詳細に記載していくことも検討しましょう。

適切なレビューとフィードバックをおこなう

作成したフローチャートは、必ず第三者のレビューを受けることが重要です。

作成者の意図が正しく伝わっているか、論理的な矛盾がないか、わかりにくい部分はないかなどを確認します。

特に、対象となる業務やプロセスに詳しい人からのフィードバックは貴重です。また、実際のユーザーや読み手からの意見も積極的に取り入れ、必要に応じて修正や改善を行います。継続的なレビューとフィードバックのサイクルを通じて、より効果的で精度の高いフローチャートに洗練させていくことができます。

フローチャート作成をより便利にできるツール

フローチャート作成をより便利にできるツール

draw.io

draw.io

引用:https://app.diagrams.net/

draw.ioは、無料で使える強力なオンラインダイアグラム作成ツールです。ウェブブラウザ上で動作し、デスクトップアプリケーションとしてもダウンロード可能です。

多様なテンプレートと図形ライブラリを提供し、フローチャート、組織図、ネットワーク図など、様々な種類のダイアグラムを作成できます。

Google DriveやOneDriveとの連携機能があり、作成したダイアグラムを簡単に保存・共有できます。基本的な機能は無料で利用可能ですが、より高度な機能や大規模なチーム利用には有料プランがあります。

有料プランは月額約34ドル(2024年7月現在)から始まり、セキュリティ強化やカスタマーサポートなどの追加機能が含まれます。ユーザーフレンドリーなインターフェースと豊富な機能により、初心者から専門家まで幅広いユーザーに適しています。

Lucidchart

Lucidchart

引用:https://www.lucidchart.com/pages/ja

Lucidchartは、クラウドベースの図表作成ツールで、特にビジネス向けに設計されています。

直感的なドラッグ&ドロップインターフェースを備え、フローチャート、マインドマップ、ワイヤーフレームなど、多様な図表を作成できます。リアルタイムコラボレーション機能が強力で、チームメンバーと同時に作業することができます。また、Google WorkspaceやMicrosoft Office製品との統合も可能です。Lucidchartは無料プランを提供していますが、機能に制限があります。

有料プランは個人向けが月額1300円から、チーム向けが月額1500円から(2024年7月現在)となっており、より多くのテンプレート、ストレージ、高度な機能が利用可能になります。セキュリティ機能も充実しており、企業での使用に適しています。

Google Drawings

Google Drawings

引用:https://docs.google.com/drawings/

Google Drawingsは、Google Workspaceの一部として提供される無料のオンライン図表作成ツールです。シンプルで使いやすいインターフェースが特徴で、基本的なフローチャートや図表を素早く作成できます。

Google Driveと完全に統合されているため、他のGoogleアプリケーションとの連携が容易です。リアルタイムコラボレーション機能も備えており、複数のユーザーが同時に編集作業を行えます。ただし、専門的なフローチャート作成ツールに比べると機能は限定的です。

Google Workspaceのユーザーであれば追加費用なしで利用できますが、個人での利用も完全に無料です。高度な図表作成機能よりも、シンプルさと他のGoogleツールとの連携を重視するユーザーに適しています。

Canva

Canva

引用:https://www.canva.com/ja_jp/

Canvaは、主にグラフィックデザイン向けのオンラインツールです。

しかし、使い方を覚えれば、フローチャートやインフォグラフィックの作成にも利用できます。豊富なテンプレートとデザイン要素を提供し、視覚的に魅力的な図表を作成できます。

ドラッグ&ドロップインターフェースで操作が簡単で、デザインの知識がなくてもデザインにこだわった成果物も作れます。

基本的な機能は無料で利用可能ですが、より多くのテンプレートや機能を利用するには有料プランへの登録が必要です。有料プランは個人向けが年額11,800円、チーム向けが年額9,000円(3人まで利用ができ、その場合は年額27,000円)からとなっています。

ビジネスプレゼンテーションやソーシャルメディア用のビジュアルコンテンツ作成に強みがあり、フローチャート以外の用途でも活用できる多目的ツールです。

ここまで、フローチャートをより便利に作成できるツールを紹介しました。

しかし、これらのツールを初めて使うにはわかりにくかったり、ツールによっては機能が多く初心者には、使いづらいなど困ることもあるかもしれません。

そこで、シンプルでかつ業務を管理することが目的なら、octpathというツールも有用です。

フローチャートを書く専門ツールではありませんが、やりたいことの最終ゴールが「業務を見やすくし、管理すること」にあるのであれば、効果を発揮するはずです。

ツール選びには、自分が最終的に実現したいことをベースに選択するのも非常に重要です。

まとめ

まとめ

フローチャート作成のポイントは、明確な目的設定をおこなうこと、適切な記号を使用すること、情報を正確に表現することに加え、プロセスの流れを論理的に整理し、シンプルかつ分かりやすく表現することでした。

また、一貫性のある書式や適切な配置、的確な注釈の使用により、読み手にとって理解しやすいフローチャートを作成できます。

作成したフローチャートは、定期的な見直しと更新を行い、常に最新かつ正確な情報を反映させることも重要です。

そうすれば、フローチャートは効果的なコミュニケーションツールとして機能し、業務の効率化や問題解決に大きく貢献するはずです。

投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。