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2024.08.08

リスク管理とは何かを簡単に解説!危機管理との違いまで紹介

「リスク管理は具体的な方法がわからない」「企業でのリスク管理は何をしたらいいのか」

「リスク管理と危機管理は違うのか」

IT技術の発達や社会の急激な変動により、リスク管理の重要性について意識するのではないでしょうか。

実際に変動の激しい環境の中で、企業の競争力を持続させていくためにはリスクに対して迅速に対応できるようにすべきです。

本記事ではリスク管理について分かりやすく解説していきます。

この記事でわかること

  • リスク管理とは何か
  • よく聞くリスク管理と危機管理の違い
  • 実際のリスク管理の例
  • リスク管理の方法

リスク管理とは?簡単に解説

リスク管理とは?簡単に解説

リスク管理とは、企業や組織を取り巻くリスクを洗い出し、リスクの発生を予防し、実際に起きてしまったときに損失を回避し、最小限に抑えるための対策を検討・実行する取り組みを指します。

また、リスクマネジメントはリスク管理と同じ意味です。

ここではリスク管理について、以下の2点を詳しく解説します。

危機管理との違い

リスク管理と危機管理の違いは、以下の2点があげられます。

  • 危機が発生する前の予防としての対策を検討するか
  • 危機が発生した後の対処法を検討するか

リスク管理は「危機が発生することを防止・軽減策を検討」することに対して、危機管理は「危機が発生した際に迅速かつ適切な復旧対応を検討」します。

どんなに危機が起きないようリスク管理していても、地震や津波などの「自然災害」やテロ・事件に巻き込まれてしまう「人災」が起きてしまう事態があるので、その際影響を最小限に抑えるためにもリスク管理と同様に危機管理もしっかりと検討しておくことが大切です。

企業におけるリスク管理の例

企業におけるリスク管理の例としては大きく「純粋リスク」と「投機的リスク」の2つに分けられます。

それぞれ説明していきます。

純粋リスク(マイナスのリスク)

偶然起きた事故や人為的なミスによって発生するリスクです。

このリスクが実際に起きると企業は損失のみを受けるので「マイナスのリスク」とも表現されます。

財産リスク 地震や台風などの自然災害、詐欺や盗難などの人的災害など
費用・利益リスク 取引先の倒産や施設の閉鎖による収益の減少や経費の増加など
人的リスク 経営者・従業員の病気やけが、雇用差別など
賠償責任リスク 製造物責任、株主代表訴訟、著作権や特許権の侵害など

投機的リスク(プラスとマイナスのリスク)

投機的リスクは政治経済など情勢の変動による環境の変化に伴ったリスクです。

損失を受けることだけでなく、利益を得られる場合もあるためプラスとマイナスのリスクと表現されます。

経済的情勢変動リスク 景気の悪化、為替・金利の変動など
政治的情勢変動リスク 政権交代・政策変更、消費動向変化など
法的規制の変更に関わるリスク 税制改正、法律や命令・条例の改正、規制の緩和または強化など
技術的情勢変化に関わるリスク 新しい技術の開発

リスク管理の方法

リスク管理の方法

リスク管理のプロセスは特定(発見)⇒分析⇒対応⇒監視です。

これからこの4ステップをそれぞれ詳しく説明していきます。

  1. どのようなリスクが存在するか特定する
  2. リスクの影響度と発生確率を分析する
  3. リスク対応の計画を立て、実行する
  4. リスク管理の状況を継続的に監視する

1.どのようなリスクが存在するか特定する

現在取り組んでいる業務やプロジェクトにおいて、組織全体でメンバー各々の経験に基づいた、起こりうるリスクを特定します。

このプロセスではあらゆる視点から予想されるリスクを洗い出すことが重要です。

リスク管理において大切なことは予期せぬ危機を防ぐことなので、網羅的な視点を心がけましょう。

「このようなことはまず起きないだろう」「大げさすぎる」という思考は持たずに、少しでも考えられるリスクは躊躇せずに洗い出しましょう。

2.リスクの影響度と発生確率を分析する

考えられるリスクを特定したら、更に深堀りしていきます。

リスクが発生した場合の影響と発生確率の2つの側面から特定したリスクの大きさを分類していきます。

リスクの大きさを分類することで特定されたリスクに優先順位がつき、より効率的なリスク管理ができます。

3.リスク対応の計画を立て、実行する

分析したリスクに対して、以下2つの側面からリスクの大きさや頻度に合わせて対応を検討します。

  • リスクが発生する前に備えるリスクコントロール
  • リスク発生後のことを想定して備えるリスクファイナンシング
リスクコントロール
回避 リスクを伴う事業や投資を中止する
損失防止 リスクを未然に防ぐため、対策や予防措置を講じて発生頻度を抑える
損失削減 リスクが発生した際の拡大を防止・軽減する
分離・分散 リスクを一ヶ所に集中せず、分離・分散させる

4.リスク管理の状況を継続的に監視する

プロジェクトや業務の状況によりリスクは常に変化しています。

変化に対応していけるようにリスクを継続的に監視(モニタリング)していく必要があります。

監視をする際には必ず評価をし、そのうえで改善点を洗い出すことで常に効果的な対応が可能です。

リスク管理とは?に関するよくある質問

リスク管理とは?に関するよくある質問

リスク管理について調べる際に、よくある質問を2つ解説します。

Q.個人レベルでも行うべきリスク管理には何がありますか?

A.リスク管理は企業だけでなく、個人レベルで行うことが大切です。

気づかないうちにリスクを冒している行動を取っているかもしれません。

実は危険な行動を何点か解説していきます。

  • 飲み会で仕事の話をする

会社の同僚と飲み会や食事をする際に仕事の話や愚痴を話す方は多くいるでしょう。その時に、取引先や個人名をあげてしまい情報漏洩につながるリスクがあります。

  • 社外で仕事の資料に目を通す

カフェや電車の中で仕事の資料に目を通している人をよく見かけます。

落としてしまったり、誰かに見られていたりすることで重要な情報が漏洩するリスクがあります。

  • リモートワークでカフェなどの公衆WiFiに接続する

公衆WiFiはセキュリティがあまり高くないものもあり、メールなどの通信内容が漏れたり、悪質なコンピューターウイルスを送り込まれてしまったり、端末を遠隔操作されてしまうこともあります。

Q.リスク管理と似た言葉は何がありますか?

A.リスク管理と似た言葉がいくつかあるので解説していきます。

リスクヘッジ

リスクヘッジはリスク管理(リスクマネジメント)と混同されやすい言葉として挙げられます。

リスクヘッジは未来のリスクを予測し、被害を防止したり、最小限に抑えるために対策をすることです。

リスク管理はリスクに対する管理全般を指すのに対して、リスクヘッジはリスクに対する防止策の検討・立案・実施のみに焦点を当てています

リスク管理のプロセス内にリスクヘッジが含まれていると考えましょう。

リスクアセスメント

リスクアセスメントはリスクの特定と分析、評価をすることですが、リスク管理はリスクの特定と分析、評価に加え、リスクへの対処も含みます。

リスクファイナンシング
移転 リスク発生時に保険会社など第三者からリスクの損失補填を受ける
保有 リスク発生時に備えてリスクの損失補填分を貯める

リスクアセスメントはリスクに対して実際のアクションはありません。

リスクヘッジと同様に、リスク管理のプロセス内にリスクアセスメントが含まれていると考えましょう。

リスク管理は簡単には行えない

リスク管理は簡単には行えない

リスク管理は、自社に損失を与える可能性があるリスクを洗い出し、被害を最小限に抑えることを目的とした管理方法です。

さまざまなリスクや不安定な社会情勢である現代において、リスク管理はとても重要です。

リスク管理をしていくには多面的な視点が必要なので、一人一人の意識はもちろん大切です。一方で、リスク管理を個人で取り組もうとすると網羅的に実施することは難しいです。

リスク管理に取り組む際には会社全体であらゆる視点からリスクを洗い出し、危機的状況を未然に回避するための対策を講じておきましょう。

投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。