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2024.08.30

【これで安心】振り返りでビジネスを成功させるポイント3つと役立つフレームワーク13選

振り返り ビジネス

「ビジネスにおいて振り返りにはどんな効果があるのか」「ビジネスにおいての正しい振り返り方法を知りたい」「ビジネスを振り返り、業務に生かすコツを知りたい」

振り返りが大切だと理解していても効果的な振り返りができているか不安を感じている方や、振り返りの方法やコツがわからない方がいるかもしれません。


ビジネスにおいて振り返りは次に進むために必要不可欠な大切な作業です。

効果的な振り返りが行われないと、改善点が明確にできず成果を出せない危険性があります。

この記事ではビジネスにおける振り返りの重要性とビジネスを成功させる振り返りの効果的な方法を解説していきます。

この記事でわかること

  • ビジネスで振り返りが必要な理由
  • ビジネスにおいて振り返りがもたらす効果
  • ビジネスで振り返りをする際に大切なポイント
  • ビジネスでの振り返りを効果的に実施できるフレームワークとは
  • ビジネスで振り返りを実施するときに役に立つフレームワーク

振り返りをビジネスでおこなう理由

振り返りをビジネスでおこなう理由

ビジネスにおいて振り返りは重要です。正しい方法で振り返りを実施することで、大きく分けて以下のメリットが得られます。

この2点のメリットについて詳しく解説していきます。

次にやるべきことの明確化が可能

ビジネスにおいて振り返りを行うことは、業務やプロジェクト、課題において「次にやるべきこと」を明確化します。

過去のデータや何をしてきたかを振り返ることで、成功したことは「何をしたから成功したのか」、失敗したこと・課題が残ったことは「なぜこのような結果になってしまったのか」を整理し、把握できます。

次に進むときに何が上手くいき、どこが改善が必要なのかを把握できていると、おのずと課題や問題解決のために次にやるべきことが明確になります。

振り返りを繰り返すことで常に次にやるべき最優先事項を把握し、業務の効率化につながるでしょう。

そのため、効率的で効果的なビジネス戦略を立てるためには振り返りが必要不可欠となります。

共有と目標達成までの目線合わせが可能

定期的な振り返りにより、課題の進捗状況をチーム全体で共有して、同じ目標に向かって足並みをそろえられます。

振り返りはチームや組織で行うことによって、必然的にメンバー同士のコミュニケーションが活性化されます。

メンバーひとりひとりが意見やアイデアを発信し共有することで、お互いの理解が深まるだけでなく、目標達成まで効率化できます。

また、仕組み、組織、ビジネスモデルなどに新たな考え方や技術を取り入れることで新しい価値を生み出し、社会に大きな変革をもたらすビジネスの革新にもつながっていくでしょう。

一方で、振り返りが不足すると、チーム間での認識の違いや不信感が生まれやすくなり、業務に支障をきたし、遅延や品質低下の恐れが出てきます。

情報共有のためにも振り返りを通したコミュニケーションが重要です。

振り返りをビジネスで行う場合にすべきこと

振り返りをビジネスで行う場合にすべきこと

ビジネスで振り返りを行う場合は反省するだけではなく、次へつなげることが大切です。

振り返る際の大切なポイントが4点あります。

一つずつ解説していきます。

現在位置の確認をする

振り返りをすることで目標に対しての進捗状況を客観的に把握できます。

現在位置を把握することで、目標に対して「いつまでに」「何をしたらいいのか」を明確化でき、効率的に業務を進めることができます。

振り返りを行わないと自分の現在位置がわからず、チーム・組織内の足並みがそろわなくなる恐れがあります。

振り返りは、起こりうる問題を予測し、仮に問題が起こった場合でも早期に対処することができるため、振り返りを繰り返し行い常に現在位置を確認することが重要です。

課題を発見したら原因を調べる

定期的に業務を振り返ることで、課題を発見できます。

課題を発見したときに重要なのは、発見した段階で原因を調べることです。

それまでの業務を振り返り、どの部分がうまくいかなかったのか、どの部分を改善したら良いのかを究明します。

その都度、原因の究明をすることで、同じミスを繰り返すことを防ぎ、次に同じような状況になった場合、最善の行動をとることができます。

また、不要な作業や工程が洗い出されるので、業務効率向上にもつながります。

改善を試みる

振り返りを行うと課題の問題点・改善点が洗い出されます。

分析や反省だけで終わらせずに、必ず改善策を立てることが重要です。

どのような時でも常に改善を試みることで問題が大きくならないうちに解決でき、業務の効率化につながっていきます。

また個人の生産率の向上や問題解決によりチームのモチベーションの維持にもつながるでしょう。

トライ&エラーを意識する

振り返りで改善点や課題が見つかった場合、臆せず「トライ&エラー」を実行しましょう。

「トライ&エラー」とは文字通り「試す」ことと「うまくいかなかった」を繰り返すことで、軌道修正をしながら成果を生み出していくアプローチ方法です。

「エラー」を「失敗」とは捉えずに「このやり方ではうまくいかないことがわかった」と受け止め、改善を続けます。

この「トライ&エラー」を意識していくことで課題に向き合いましょう。

振り返りをビジネスに役立てるフレームワーク活用が効果的

振り返りをビジネスに役立てるフレームワーク活用が効果的

実際にビジネスにおいて振り返りを実践してみると、表面的にしか振り返ることができないという落とし穴に陥りやすくなるケースがあります。

表面的な振り返りをおこなうと、反省だけになってしまい具体的な問題やその原因、改善点が不明瞭になり同じ問題を繰り返しかねません。

そこで役に立つのが振り返りのためのフレームワークです。

フレームワークを活用することで得られる効果が2点あります。

それぞれ説明していきます。

フレームワークを活用して現在地を把握する

フレームワークを活用することで、膨大で複雑なデータや出来事を整理し、現在自分たちが置かれている位置やどのようなことが起きているのかを客観的に正しく理解できます。

その上で現在ある課題を洗い出します。

現在地を把握できることで、その時その瞬間で一番重要な課題がみえてくるので、課題や問題が大きくなる前に対処することが可能です。

現在値が把握できていないと、課題の優先順位を間違えてしまったり、同じミスを繰り返す恐れが出てきます。

また、その業務やプロジェクトがどのくらい進んでいるかが明確になることでチーム全体のモチベーション維持・向上にもつながっていきます。

フレームワークを利用すれば共有しやすい

フレームワークはさまざまな場面で活用できます。

例えば新しいプロジェクトを始めるとき、問題解決・分析・業務改善が必要な際にその状況に合ったフレームワークを選択して活用します。

このような場面でフレームワークを利用せずに、経験や直感を頼りに業務を進めていくと、全体像をつかめずに重要な点を見落としてしまったり、メンバー同士の認識のズレが生じ、スムーズに業務が進まないどころか、重大なインシデントも起きかねません。

チームでフレームワークを利用すると、共通の枠組みの中で情報や課題の整理をし、可視化できるので認識のズレや、目指す目標をしっかり共有して業務に取り組むことができます。

振り返りでビジネスに役立つフレームワーク13選

振り返りでビジネスに役立つフレームワーク13選

振り返りをする上でフレームワークを活用することが効果的であると理解していても、フレームワークには多くの種類があり、どのフレームワークが適しているのか悩んでいる方もいるかもしれません。

振り返りの成果を出すためには、目的や状況に合ったフレームワークを選ぶことが大切です。

これからビジネスの振り返りに役立つフレームワークを13種類紹介します。

活用方法、利用目的や特徴、メリット・デメリットなどの観点から解説していきます。

PDS

PDSサイクルは「Plan:計画」「Do:実行 」「See:評価・見直し」の3つの過程で構成されたフレームワークです。

小規模業務や短期目標にむけた活用に向いています。

Plan(計画):目標の設定。達成するための計画を立てる。

Do(実行) :立てた計画を実行する。

See(評価・見直し):実行した結果を評価・見直す。

①~③の過程を継続的に回し業務管理をします。

PDSサイクル

次に解説するPDCAサイクルと似ていますが、PDSサイクルの方が短いサイクルで計画を立てて、スピード感を持って実行・評価できます。

目的 業務改善・効率化
特徴 短期的な目標達成や小規模業務向き
メリット 迅速にサイクルを回すことができる
デメリット 迅速なあまり、評価して得られた課題を改善せずにサイクルを回すリスクがある

PDCA

PDCAサイクルは 「Plan:計画」「Do:実行 」「Check:評価」「Act:改善」の4つの流れで構成されたフレームワークです。

PDSサイクルと似ていますがPDSサイクルの「See:評価・見直し」を「Check:評価」「Act:改善」の2つの行程にわけたものになっています。

①Plan(計画):目標の設定。達成するための計画を立てる。

②Do(実行) :立てた計画を実行する。

③Check(評価):実行した結果を評価する。

④Act(改善):評価に基づき、「計画を変更」、「計画の立て直し」、「計画中止」を具体的に検討。

①②はPDSと同様。③で評価・見直しをして洗い出された改善点を④で改善する。

方法・対策を決めてから①に戻り新たなサイクルを回していきます。

PDCAサイクル
目的 流れを繰り返してプロセスの改善を図る
特徴 長期的な計画で繰り返し実施することでグループ全体の成果を向上していく
メリット 段階がしっかりとわかれているためやるべきことがはっきりし、業務に集中できる
デメリット 改善が目的になるためそれまでのプロセスに時間がかかり、振り返るための時間を要する

KPT

KPTは「ケプト」や「ケーピーティー」と読みます。

ビジネスで活用されるフレームワークの中でも多くの企業やチームが活用している方法の1つです。

  • Keep:良かった点
  • Problem:問題点
  • Try:解決策・次にすること

この3つの頭文字を取ったフレームワークの名称です。

この3点を図式化したり、紙やホワイトボードに書き出すことによって、プロジェクトや業務を振り返ります。

KPT
目的 課題の共有・改善点となる「Try」を明確化し共有すること
特徴 個人で複数人でも活用できる
メリット ProblemからTryへ移行するため問題点に対する明確な解決策を講じやすくなるほか、Keepで良かった点をあげることにより行動が評価されモチベーションが向上する。
デメリット Problemに重点が置かれやすくなり、Keepが重視されずらくなる。ディスカッションを通して行っていくため、Problemで個人に標的が向きやすくなってしまいチームの空気が悪くなる可能性がある。

KPTA

KPTの「Keep:良かった点」「Problem:問題点」「Try:解決策・次にすること」に「Action:具体的な行動計画」が追加された、4つのプロセスで構成されたフレームワークです。

「Action」が追加されたことにより、実行しやすい具体的な行動につながり、課題・問題への改善効果が高められます。

KPTA
目的 課題の共有・改善点を明確化し、実行しなければならない行動を具体化させる。
特徴 KPTの課題とされる「Try」の抽象化を防ぎ、より具体的な行動計画が立てられる。
メリット Actionの項目があることで意識的に行動化できる。
デメリット 1項目増えたことで振り返りに時間を取る。「Try」と 「Action」の区別がつきづらくなる。

YWT

「Y:やったこと」「W:わかったこと」「T:次にやること」の3つの要素から構成されるフレームワークです。

YWTを行うことで、経験したことの成果や得られた教訓だけでなく、次の段階を明確にできます。

KPTと同様に多くの企業で活用されています。

YWT
目的 経験から得た学びを明確にし、自身の成長を促進する。
特徴 軸が「業務」ではなく、「人」が軸となる振り返り方法
メリット 手軽に取り組め、前向きな気持ちになれる。
デメリット 課題や問題点を明らかにする項目がないため、業務が軸となる振り返りを併用することが必要。

LAMDA

PDCAサイクルが発展した「LAMDA」(ラムダ)というフレームワークです。

Look:机上で考えるだけでなく現地現物を確認する。

Ask:関係者やチームで振り返り、抱える課題の背景を確認する。

Model:理解した点をわかりやすく体系化する。

Discuss:これからの行動や解決策を議論する

Act:決定事項を行動にうつす。

①~⑤の5つのプロセスを繰り返すことで課題を改善していきます。

LAMDA
目的 具体性が高い指針を立てる。
特徴 PDCAが発展したもので、より高精度な振り返りが可能。
メリット 振り返りの習慣が根付いている場合、より高度な振り返りができ、次の行動につなげていける。
デメリット 振り返る観点の難易度が高いため振り返りを多く経験してきて理解できている人向き。

Start-Stop-Continue-Change

Start・Stop・Continue・Changeの4項目に分けてチーム、個人が自己評価をして、業務の効率化・生産性の向上を促進します。

  • Start:新しく取り組むべき事柄。
  • Stop:現在取り組んでいる活動で不要なこと。効果が低い活動。
  • Continue:現在取り組んでいることで継続すべき活動。効果が高い活動
  • Chage:改善や変更が必要な活動。
目的 日々ルーティンとして取り組んでいる業務の見直し。
特徴 個人でもチームでも行える。「やるべきこと」ではなく「やめること」を見極めることができる。
メリット 必要のない作業を洗い出すことができる。
デメリット 「Stop」の項目は上げる際遠慮してしまい具体性が無くなる傾向がある。

経験学習モデル

経験・内省・教訓・実践の4つのサイクルを通して、自身の具体的な経験を問題点・改善点だけでなく良かったことも含めて振り返り、教訓を表現します。

その教訓をもとに自身の行動を修正し実践に移します。

経験学習モデル
目的 経験したことを深く振り返り気づきや学びを得る。
特徴 自分のした経験と向き合いじっくりと振り返ることができる。
メリット チームや組織で業務を共有することで学びの機会を得られる以外にも、特定の人しかその業務に対応できない属人化を防ぐことできる。
デメリット メンバーの失敗や考えを許容できないと自分で考えて行動することをやめてしまうリスクがある。

ダブルループ学習

「ダブルループ学習」は既存の枠組みや前提そのものを疑い、それらを含めた軌道修正をする学習プロセスです。

ダブルループ学習
目的 新しい考え方を取り入れて問題解決に導く。
特徴 既存する枠組みや目的・前提そのものを疑いながら問題解決方法を探っていく。
メリット 根本的な原因を特定し対処できるので問題再発を防げる。
デメリット 根本的な変更をすることで、予期しない問題やリスクが生じる可能性がある。

ジョハリの窓

自己分析をしながら他者との相互理解を深めるために、コミュニケーションを模索する心理学モデルです。

ジョハリの窓では自己認識について4つの領域に分けて、それぞれを「窓」として分析します。

自身による自己分析と他者による分析を結合します。

ジョハリの窓
目的 コミュニケーションの促進、自己分析。
特徴 自身と他者との認識の違いを表すことで主観・客観の両面から自身を認識できる。
メリット 今まで知らなかった自分の一面や短所に気づき、自分を成長させることにつながる。
デメリット 表現の仕方によっては相手を傷つけ人間関係に影響が出る恐れがある。

4行日記

毎日4つの項目にわけて1行ずつ書いていく日記スタイルのフレームワークです。

  • 事実:今日起きた事実
  • 発見:事実から発見したこと
  • 教訓:発見から得た教訓を明確化
  • 宣言:将来自分がなりたい姿を宣言

具体的な例をあげます。

  • 事実:仕事でミスをしてしまった。
  • 発見:最後に確認を怠ったためにミスを招いた。
  • 教訓:最終確認は大切だ。
  • 宣言:私は最後まで確認を怠らない人間だ。

4行日記は毎日続けることで、自身の考えや強みのほかにも、潜在意識や自身の考え方の癖を発見することができます。

日々振り返りを繰り返すことで振り返ることが習慣化され、個人の成長を促進する助けとなります。

目的 自己成長・自己認識を深める。
特徴 個人の成長のために使われる。
メリット 手軽に取り組める。自分の思考の癖がわかる。
デメリット 継続しないと自身の本質は見えてこない。

フィッシュボーンチャート

フィッシュボーンチャートとは1つの特性(結果)に対してなぜそうなってしまったのか、その要因を掘り下げたものを図式化したフレームワークです。

  • ①背骨:解決したいテーマ、そうなってしまった結果
  • ②大骨:すぐに思いつく要因
  • ③中骨:大骨の元となる要因
  • ④小骨:中骨の要因をさらに深く掘り下げた要因

①~④にそって掘り下げていくと結果に対して潜んでいる根本的な要因を見つけることができます。

フィッシュボーンチャート
目的 問題解決
特徴 1つの問題に対して考えられる要因一つ一つを分解し検討していく
メリット 問題を組織全体で共有することで様々な視点からの気づきや解決策が生まれる。
デメリット 要因に対しての順位がつかないため解決すべき要因に優先順位がつかない。長時間要する。

マインドマップ

テーマとなる明確なキーワードから、そこに関連する考えやアイディアを放射状に結んでいく表現方法です。

アイディアや情報の整理が容易になることで問題点や改善すべき点を明確に把握し、解決策を見つけ出すことに活用できます。

マインドマップの書き方はウェブにも多くあるので参考にしてください!

マインドマップ
目的 情報の構造化・ヴィジュアル化
特徴 言葉だけではなく画像やイラストを用いて作成するため、一目で考えていることの全体像を把握することができる。
メリット 情報・思考の整理ができる。
デメリット 作成に時間がかかる。

振り返りはビジネスを成功させるために必須の行動

振り返りはビジネスを成功させるために必須の行動

ビジネスにおいて振り返りは、仕事の効率化や組織力を上げるために必須のプロセスです。

本記事で紹介した13種類のフレームワークはビジネスの振り返りを実践する際に、とても有効です。

状況に合ったフレームワークを活用していきましょう。

振り返りを定期的に行うことで、軌道修正しながら着実に目標に向かうことができます。

失敗や問題発生は成長のチャンスです。

適切な振り返りを身につけビジネスを成功させましょう。

投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。