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2024.07.23

【簡単】引継書の書き方|初めてでもすぐ作れるコツを紹介

引継書の書き方

「会社を休職することになり引継書を作らなくてはいけない」「部下の退職でチーム内の引継ぎが必要になったけれど、担当者が引継書づくりに苦戦している」こんなお悩みはありませんか?

引継書には、守らなくてはいけない形式や提携のフォーマットはありません


業務を引き継ぐ人がスムーズに仕事をするための、情報が分かりやすくまとまっていればOKです。そのため会社・仕事内容・引継ぎの状況によって使いやすい書類や、制作にかけるべき時間が変わってくるので、逆に何から始めればいいのか分からず作業が進まないという人もいるでしょう。


この記事では、引継書を書く前に知っておくべきコツや考え方を分かりやすく説明します。また業種別の書き方や項目の具体例を6種類紹介します。

最後まで読んでいただくと、分かりやすく、引継ぎ相手の役に立つ引継書をスラスラと書けるようになりますよ。

引継書はなぜ必要なのか?

引継書はなぜ必要なのか?

引継ぎをする際に、そもそも引継書が必要なのかという議論をされることがあります。確かに引継書があれば便利ですが、業務内容や部署によっては、書面を作る時間がもったいないという考え方もあるでしょう。

しかし、引継書の作成には当事者が便利というメリットだけでなく、以下の3つの必要性があります。

①記録を残すため

引継書には記録文書としての役割があります。

引継ぎが必要になる場面はさまざまですが、どの場面も基本的には引継ぎをする人はチームからいなくなることが前提です。そのため口頭でのやり取りや、引継ぎ相手が書いたメモなどでは勘違いや受け止め方の違いによる誤解がおこりやすくなります。また重要な内容を伝え忘れるリスクも回避できません。

そこで、確実で客観的な情報を残すために、書類として記録に残すことが好まれます。

②サービスや業務の品質を保つ

引継書を作ってから、引継ぎのミーティングやトレーニングをおこなうことで、引継ぎ後に、業務の質やスピードが急に下がったり、仕事のやり方が突然大きく変わるなどの問題を防げます。

例えば、営業やカスタマーサービスなどの業務では、担当者が変更になったことでお客様に同じことを何度も聞いてしまったり、前任者が頼まれていたものと違うサービスを提供してしまっては、大きなクレームになりかねません

事務や経理部門では、外部取引先や公共機関に提出する文書フォーマットやデータ処理方法が担当者によって変わってしまうと、あとあとの整理に時間がかかってしまうこともあるでしょう。

書面で業務内容を正確に書き残すことで、社員個人の能力、コネクション、処理方法に振り回されることなく、業務の質を一定に保つことができます。

③業務時間の短縮

引継書をつくるとミーティングやトレーニングの時間が短くなり、結果的に業務時間を短縮することができます。

引継書を使わず口頭だけで業務の説明をするのは、意外と難しいものです。まずは前任者が伝えるべき情報を整理しておくことで、後任にも話がわかりやすくなり、短時間で多くの情報をつたえることができます。

なにより休職・退職者が完全にチームを抜けてしまった後で、後任者が業務の再確認をしたいときに情報を探し直し、正しい情報を探す時間と手間を大きく省くことができます。

引継書が必要な場面

引継書が必要な場面

引継書はさまざまな場面で作成されます。その中でもほぼ必ず引継書が必要になる場面に以下の4つがあげられます。

  • 退職
  • 産休や病気などによる長期休職
  • 部署異動や転勤などの人事異動・役職変更
  • 昇進・チーム再編などのきっかけで業務の担当者が変わるとき

一方で、以下のような場合には引継書ではなく、より簡単な引継メモなどで対応することも多いでしょう。

  • 長期休暇中の業務引継ぎ
  • 店舗や工場などでシフト制を採用している場合の引継ぎ

業務引継ぎの手順

業務引継ぎの手順

引継書を作成するにあたり、まず業務引継ぎがどのような流れでおこなわれるのかを整理しておきましょう。業務引継ぎの流れは以下の通りです。

  • 引継ぎの必要性と内容の判断する

引継ぎを誰から、誰に行うのかを決めます。場合によっては前任者の業務を分割し、数名に対して、それぞれ違う業務内容を引き継ぐケースもあります。

  • 引継ぎスケジュールを立てる

まず、引継ぎができる期間がどれくらいあるのかを確認します。その後、引継ぎ完了のゴールから逆算をし、日程を決めていきます。 退職者に引継ぎをする場合は、有給消化などの理由で正式な退職日よりも最終出社日が前だおしになることもあります。また退職手続きや取引先への挨拶など、引継ぎ以外の業務もあり、引継ぎの時間が十分に取れないケースも考えられますので、注意しておきましょう。

  • 引継書を用意する

ここで引継書を作成します。合わせて資料や顧客リストなど引継ぎで必要な情報・資料も整理し、まとめておきます。

  • 引継ぎミーティングやトレーニングを行う

引継書を作った上でミーティングをおこない、実際に口頭で詳細の確認をします。

  • 伴走と質問ができる時間を残す

引継ぎは前任者がチームを離れるぎりぎりのタイミングではなく、引継ぎ後にしばらく後任者の

伴走ができるスケジュールで進めるのが理想です。

実際の現場では時間の余裕がない人事異動もありますが、後任者から実際に業務を体験してみて、質問等があがる場合も考えて、できるだけ早めの引継ぎを心がけましょう。

引継書に使うツール

引継書に使うツール

引継書の作成にはWord、Excel、Power Pointを使う会社が多いでしょう。それぞれのメリットとデメリットを以下で説明します。(Googleドキュメント)やExcel(Googleスプレッドシート)が使われるのが主流です。

WordまたはGoogleドキュメントを使って引継書を作成するメリットは文章が長い場合に読みやすく、細かい内容まで書き込めることです。すでにある文書形式の業務マニュアルを流用して作成する場合にも向いています。ただし、目次機能などで内容を整理しないと、読む側には時間がかかるデメリットもあります。

Excel(Googleスプレッドシート)には、長文が読みづらくデメリットがありますが、表形式で管理のできるのが最大のメリットです。顧客リストやスケジュールと合体させた引継書にする場合はこちらがおすすめです。

Power Point(Google スライド)は、画像や図を多用した引継書を作成したい場合に有効です。ただ近年では、業界や企業に関わらず業務内でオンラインソフトやSaaSなどツールを使っていることも多いでしょう。引継ぎの際にツールの使い方・手順を文書で書き起こしたり、大量のスクリーンキャプチャーを撮って整理するのは、面倒だと感じる人もいるかもしれません。その場合は、パソコンに内蔵されている画面録画機能をつかって動画撮影をし、引継ぎに利用してみてはいかがでしょうか?

また業務管理のoctpathを使えば、業務管理・マニュアル・進捗シートなどが業務の段階で全て一か所で管理できます。WordやExcelでの旧来の書類作成では実現することが難しい情報を連携して普段から管理することで、引継書の作成だけでなく、引継ぎ自体の手間も大幅に簡略化し、情報伝達によるミスや抜け漏れも防止することができます。

引継書の基本の書き方

引継書の基本の書き方

引継書の内容は、会社・業務・引継ぎの状態によっても異なるので、どんなケースでも使いまわせる万能フォーマットはありません。しかし、どの引継書でも基本的な書き方は以下の通りになります。

【引継書に記載するべき項目例】

  • 業務の説明:引き継ぎたい業務の具体的な内容を説明
  • 業務の目的:その業務の背景やゴールなど、前提となる情報
  • 業務の手順・フロー:業務全体の流れを解説。図やフローチャートの利用も有効
  • 業務の時間管理:業務にかける時間や納期などを説明
  • ルール・禁止事項

また以下の情報は引継書と一緒に後任者に共有する必要があります。

【引継書に添える内容】

  • 必要な書類・データの保管場所
  • 参考資料の保管場所や使い道
  • 進捗スケジュール(年間、月間、週、日ごと)
  • 他部署との連携状況
  • 顧客や提携先のコンタクトリスト
  • パスワードリスト

引継ぎに関連する情報は大量になりますが、全てを一から書き起こす必要はありません。社内にすでにある業務内容の一覧表、業務マニュアル、進捗管理表などの他の資料と連携をし、引継書には他の書類に掲載されていない内容にできるだけ絞って記載するとよいでしょう。

引継書に掲載する項目

引継書に掲載する項目

引継書の中に掲載すべき内容はさまざまですが、まず、どのジャンルの業種・職種の場合でも必要になる主な項目が以下の通りです。

①営業系の業務

営業業務の引継書に必要な項目は以下です。

  • データベースと使い方
  • コンタクトリスト
  • クライアント・案件ごとの注意点
  • イレギュラー対応

特に重要になるのは各顧客や案件ごとの注意点です。顧客から依頼されている内容、過去に注意された点、検討中事項、締切りなどは、しっかりと盛り込みましょう。また顧客の好みや人柄などは、個人の主観的なもので、文書では伝わりにくいニュアンスが含まれます。口頭で引継ぎができる際に補足する方がおすすめです。

②マーケティング系の業務

マーケティング業務の引継書に必要な項目は以下です。

  • 現在実施している施策・キャンペーン
  • 過去におこなった施策の結果・分析
  • 販促物のデータや現物の保管場所
  • 提携会社リスト
  • マーケティングカレンダー

マーケティングでは年度単位などの長期でおこなう施策、特定のタイミングで行う単発の施策、日々おこなう通常業務があります。それぞれのフェーズごとに整理して、現状や次のアクションを後任者に共有しましょう。

過去の施策の結果や考察を丁寧に引き継ぐことで、前任者が試した施策からの学びを無駄にせず、後任者に受け継ぐことができます。ただし、すでに終了しているキャンペーンの情報をすべて共有すると情報量が膨大になるので、過去のレポートは資料としてわたす程度にとどめ、とくに重要な学びのみをピックアップして伝えるようにしましょう。

③総務・会計系の業務

総務・会計系業務の引継書に必要な項目は以下です。

  • 帳簿や書類の保管場所と方法
  • 提携会社の連絡先
  • 支払いや提出書類などの締切りと管理方法

会計や労務の仕事では、どの会社でも業務内容が似通ったものになりやすい傾向があります。そのため、業務の内容や手順よりも、各会社や部署が独自で決めているルール、採用している処理方法などを重点的に引き継ぎます。

給料計算や税務処理など、締切りをずらせない業務も含まれるため、スケジュール面の確認も重要です。

④人事系の業務

人事系業務の引継書に必要な項目は以下です。

  • 進行中の募集・人事・採用案件の内容
  • 雇用契約書の管理や注意事項
  • 過去の応募書類の管理

人事部門では、個人の契約やプライバシーにかかわる個人情報の扱いに注意が必要です。社員の給料や査定などのセンシティブな情報は引継書には書かずに、情報の保管場所のみ共有しましょう。

また引継ぎであっても、社員や採用候補者の個人のプライバシーに関わる情報をみだりに共有してはいけません。完全に引継ぎが終わった段階で各種のパスワード変更も忘れずに行いましょう。

⑤カスタマーサポート系業務

カスタマーサポート系業務の引継書に必要な項目は以下です。

  • 進行中の問い合わせ
  • 過去のやりとり
  • 業務全体の注意

カスタマーサポートでは、顧客ひとりひとりとのやり取りの内容を素早く、正確に把握することが重要です。とはいえ顧客数の多い業界・業務では、すべての顧客の状況を引継書に記載するのは現実的ではありません。顧客とのやり取りの履歴管理は専用のツールにて記録をしておき、引継時には全体の傾向や注意点のみを共有するのがよいでしょう。

⑥システム系業務

システム系業務の引継書に必要な項目は以下です。

  • プロジェクト概要
  • システム概要(プログラミング言語、フレームワーク、ツールなど)
  • データベース、環境設定に関する情報
  • タスクの進捗状況
  • 提携先、サポートなど関連機関とのやりとり

システム系の業務では、客観的に整理することのできる情報が多く、他の業界・業務に比べると後任者に伝えるべきことが明確になっているケースが多いでしょう。前任者の作業をやり直さなくて済むように、タスクがどこまで進んでいるかを伝えましょう。

引継書を書くときのコツ

引継書を書くときのコツ

引継書をまとめる前に、以下の3つのポイントに注意して書いてみましょう。

①文章は短くまとめる

文章はできるだけ簡潔に短くまとめましょう。忙しい中で文章を書いているとついついまとまりのない文章を書いてしまったり冗長表現を使いがちになります。

引継書の目的は文章を読ませることではなく、後任者の負担を減らす情報提供をすることなので、簡潔な説明を心がけましょう。

また引継ぎで、メールやメッセージのやり取りをそのまま後任者に転送することで、引継ぎ完了とするケースがよくありますが、この方法は後任者に負担のかかる方法です。メールによってそれぞれ重要な情報の書いてある場所が違うため、時間をかけてすべて読み込まなけばなりませんし、情報を見逃すミスも起きやすくなります。

②客観的な事実を中心に書く

引継書には、顧客とのやり取りや業務での注意点、困ったことなどを記載することもあります。その際に、主観的な意見を多く書いてしまうと、本当に業務をするために必要な情報なのか、捕捉のアドバイスなのかが分からなくなります。客観的な事実のみを書き、アドバイスや意見は、口頭で伝えたり、捕捉コメントを残す程度に留めましょう。

③引継ぎ相手に合わせる

引継ぎ相手の状況や知識によって、書くべき内容や細かさが変わってきます。まずは「何のために」引継書をつくるのかを確認してから書き始めましょう。

一方で引継書は前任者から後任者への説明だけでなく、会社の記録としても残される場合もあります。そのため、特定のチームメンバー宛の手紙のような文章ではなく、チームや社内の誰が見ても、伝えたいことが分かる程度に情報を整理し、分かりやすい語彙・語調で書く必要があります。

業務管理はoctpathがおすすめです!

フローに沿って作業を進めるだけで、ミスの防止から作業状況の可視化までを実現できます。

あらゆる業務のミスや抜け漏れ、属人化を防止し、業務改善を手助けします。

人事異動や退職による引継ぎの手間を解消し、時間のロスを減らすこともできますよ。

引継書のテンプレート

引継書のテンプレート

引継書には既定のテンプレートはありません。部署内で利用するだけであれば、見た目にこだわる必要はないでしょう。

それでも見栄えのよいデザインのテンプレートを使いたい場合や、文字の入れ替えだけで済ませられるテンプレートを探している方には、マイクロソフトが無料で提供しているテンプレートの利用がおすすめです。

引継書無料テンプレート:https://www.microsoft.com/ja-jp/office/pipc/template/result.aspx?id=13939

引継書を英語で作成する

引継書を英語で作成する

英語で引継ぎはTake OverまたはHand Overといいます。しかし、アメリカ、イギリスをはじめとする欧米のビジネスの中では、日本のように引継ぎを重視する文化はありません。

なぜなら欧米のビジネス習慣では業務は新しい担当者の判断や裁量ですすめられるべきだと考える事が多いからです。そのため引継書自体が存在しない場合もあります。代わりに、後任者は聞きたいことや分からない事をリストにし、前任者に質問、その後でミーティングでの引継ぎという方法が取られることもよくあります。

ただし多国籍企業の中には引継書の文化があるケースもあるでしょう。英語や海外の会社とのやり取りで引継書が必要になった場合は、まず会社でどのような書類が必要なのかを確認するとよいでしょう。

引継書の工夫で安心して引継ぎができる

引継書の工夫で安心して引継ぎができる

業務引継書の作成は業務の効率化と品質をキープするために不可欠なものです。口頭での引継ぎと文書での引継ぎのバランスを上手くとりながら、引継書を作成しましょう。

また業務管理ツールを利用すれば、引継書の作成や引継時間を大幅に削減することができ、担当者変更によるミスや行き違いも防ぐことができます。


投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。