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2024.05.23

業務内容一覧の作り方|簡単・キレイ・上司が気に入る表のポイント

業務内容一覧の作り方|簡単・キレイ・上司が気に入る表のポイント

「業務内容一覧を作ることになったけど、どんな表を作ればいいのかわからない?」「時間をかけず簡単にキレイな業務内容一覧表を作るにはどうすればいい?」

そんなお悩みをお持ちの方はいませんか?

最近では企業のDX化プロジェクト、IT・情報システムの設計、業務プロセス効率化など、さまざまな場面で業務内容一覧の作成が必要になることがあります。プロジェクトマネージャーやチームの管理者にとって、見やすい一覧表の作成は重要なスキルとなるでしょう。


この記事ではさまざまなプロジェクトの中で活用できる業務一覧表の作り方のコツを解説します。最後まで読むことで分かりやすくまとまった使い勝手のよい表を、手早く作ることができるようになります。

業務内容一覧とはどんなもの?

業務内容一覧とはどんなもの?

業務内容一覧は、企業やプロジェクトの業務内容を表形式に一覧化したものです。

履歴書や契約書のように書式や内容に決まった形式があるわけではありませんが、エクセル(スプレッドシート)形式で整理されることが多いです。

項目や記載内容は、表の作成目的や使い道、プロジェクトによっても変わります。

DX化やシステム改善のプロジェクトなら、業務タスクを分野ごとに細かく分けて書き出す必要があります。一方で「業務管理表」として利用したい場合は、業務内容だけでなく担当者名や優先順位、締切り期限なども記載し、チーム内の連携に役立てます。

どちらにしても、業務内容一覧は業務を取りこぼしなく書きだし、可視化するための重要なツールです。

業務内容の管理には「octpath」がおすすめです。

業務内容一覧を作るメリットは?

業務内容一覧を作るメリットは?

業務内容一覧を作ると、業務の把握、業務の割り振り、業務の改善戦略の3点に対応できるメリットがあります。

業務の全体像を把握できる

企業の業務には、さまざまな部署、ジャンル、重要度、難易度のタスクがちりばめられています。

例えば、マーケティング業務では、戦略、デザインの作成、コピーライティングのようなタスクもあれば、荷物の配送や書類の整理などの雑用が業務に含まれることもあるでしょう。さらに専門スタッフの採用、広告料金の支払いのように、人事や会計などの別部署との連携が必要な業務もあります。

このようにレベルやジャンルの異なるタスクを表にして整理し、一目でわかるようにすることで、普段気づかなかった効率の悪い業務プロセスを改善したり、部署同士の連携を強化する方法を見つけやすくなります。

業務の割り振りが簡単になる

業務内容一覧があれば業務の割り振りがより簡単になります。

なぜなら、タスクごとの業務内容が明確になることで、割り当てるべき人員数やスキルが計算しやすくなるからです。また、明らかに人員が足りていない、または多すぎるなどの偏りも可視化できます。

業務の戦略改善に役立つ

プロジェクト・業務フローに含まれている問題の改善や戦略作りに、業務内容一覧が活躍します。

なぜなら一覧化することでどのタスクや部門の改善に対して、どの程度の労力や投資が必要か、優先順位が高いものはどれか、正しく、素早く判断できるようになるからです。

例えば、新規ECサイトの立ち上げプロジェクトで、販売開始後になかなか売上が上がらないという問題があった場合を想定してみましょう。業務内容一覧に立ち返ることでサイト制作業務は十分な人材や時間が割かれているのに、宣伝活動はしっかりと行われていないという問題を浮き彫りにすることができるかもしれません。

業務内容一覧が必要な場面は?

業務内容一覧が必要な場面は?

業務内容一覧は業務の改善やプロジェクト管理をはじめ、ビジネスのさまざまな場面で必要になります。以下が業務内容一覧が必要になる場面の一覧です。

  • プロジェクトや部署の進捗管理
  • 新規プロジェクトの立ち上げ
  • 業務委託やアウトソース(外注)の準備
  • 組織の運営・戦略的な意思決定
  • 業務プロセスの改善・効率化
  • トレーニングや社員研修
  • コンプライアンス管理
  • リスク管理
  • マニュアル・引継ぎ書の代用
  • プロジェクト管理ツール(Asanaなど)の導入準備

業務内容一覧の作成手順は?

業務内容一覧の作成手順は?

業務内容一覧を作るときは、まず業務をすべて書きだしてみて、そのあとに項目を整理をします。以下に詳しい手順を説明します。

①業務を書き出す

まずは部署、内容、レベルに関係なく、思いつく業務を書きだしてみることをおすすめします。

最初からすべての項目を最終フォーマットに当てはめて整理しようとすると難易度が高くなり、逆に時間がかかってしまうこともあります。まずは書き出し作業を行うことで、次の骨組みづくりで、必要な項目が把握しやすくなるでしょう。

またXmindなどのマインドマップツールを利用すると業務のレベルを簡単に入れ替え操作することができるので構想をつくるときには便利です。

②一覧表の骨組みを作る

次に一覧表の骨組みを作ります。以下が骨組みの例です。

縦列には、業務のジャンル(部門)やタスクの種類が入ります。

横列には、業務内容の他に、担当者、発生タイミング、重要度などが入ることもあります。

項目分けを正確におこなうことで、あとで誰が使っても理解しやすい表になります。

とくに項目のレベル分けには注意が必要です。

例えば、マーケティングプロジェクトの場合、以下のように項目のレベルを整えます。

  • 大項目:マーケティング
  • 中項目:デジタル広告、SNS広告、オフライン広告
  • 小項目:企画、コピーライティング、デザイン作成、効果測定

大項目と中項目の内容を混ぜてしまったり、違うレベルの場所に入れてしまうと、理解しづらい表になるので注意が必要です。

③業務内容を記入する

業務内容の項目は最低限の説明を簡潔な言葉で書きましょう。

表の中に長い文章があると、パッと見て一瞬で理解をすることができないため、使いづらい印象になります。もし文章が長くなりそうであれば、項目を増やす必要がないかを検討してみましょう。

また、メモ書きや注意書きは、コメント機能などを利用し表の中はスッキリさせておきましょう。

④スタッフ全員で確認する

表が完成したら、関係するスタッフ全員で確認をしましょう。

業務の全体像を把握するためには、業務に抜け漏れがあっては意味がありません。ひとりの担当者の目線では業務が網羅されていると思っていても、実はその担当者が知らないタスクが存在しているということもあります。

関係者全員が目を通すことで、より精度の高い業務内容一覧表に仕上げることができるでしょう。そのためGoogleスプレッドシートのような同時に複数の人間が編集・閲覧できるツールの利用をおすすめします。

業務内容一覧表のテンプレート

業務内容一覧表のテンプレート

こちらがすぐに使えるテンプレートです。

テンプレートダウンロード

内容を入れ替えるだけで、すぐ簡単に使うことができます。

また、進捗管理にはoctpathがおすすめです!

フローに沿って作業を進めるだけで、ミスの防止から作業状況の可視化までを実現できます。

あらゆる業務のミスや抜け漏れ、属人化を防止し、業務改善を手助けします。

業務内容一覧の失敗例は?

業務内容一覧の失敗例は?

業務内容一覧を作るときは、次のような失敗例に注意してください。

更新・活用されない

表を作っても、作ったことに満足をして利用されなくては意味がありません。そのため、だれにでも見やすく、更新しやすく、プロジェクトの「よりどころ」になる表を丁寧に作ることが重要です。

管理表として使う場合は更新されていないことで、業務のミスや時間ロスも発生します。

管理表へのアクセスは全てのスタッフが簡単にできるように共有サーバーに保管する、更新作業はエクセルの自動入力機能などを使ってできるだけ手間がないように心がけましょう。

情報が細かすぎる

業務内容一覧は業務マニュアルではないので細かすぎる情報は不要です。

表が使われる目的にもよりますが、雑用などの細かすぎるタスクは一つにまとめたり、文章を簡潔にする工夫をしましょう。

業務内容一覧を作る過程でそもそも必要のないタスクが見つかることもあるでしょう。

情報が網羅されていない

業務が網羅されていないと、業務の問題点に気が付かなかったり、業務の割り振り後に担当者のいない業務が発生したりします。最初は必要ないかもしれないと思った業務でもまず書き出しておき、後から整理していくようにしましょう。

また、業務内容一覧表の確認は業務やプロジェクトに関わる担当者の全員にしてもらいましょう。

業務内容一覧と類似するものは?

業務内容一覧と類似するものは?

業務内容一覧表と近い目的で使われたり、近い内容が含まれるツールには以下のものがあります。

業務フロー

業務フロー(Business Process Flow)とは、ある業務がどのような流れで行なわれるかを表した図のことです。図を使うことで、ビジュアルで業務の流れが分かりやすく理解できるため、業務の説明、研修、業務マニュアルなどでよく使われます。

フロー図を使用した業務管理ツール「octpath」もおすすめです。

WBS(作業分解構造図)

WBSはプロジェクトや業務を階層にわけ、作業パッケージ(Work Package)と呼ばれる単位に分割して表記した一覧表のことです。英語のWork Breakdown Structureの頭文字をとったもので、日本語では作業分解構造図と翻訳されます。

内容は業務内容一覧とかなり近いものになることが多いです。WBSと業務内容一覧の厳密な違いはありませんが、WBSでは最上位のレベルから細かいレベルの作業まで、プロジェクトや業務の全体像をこまかく階層化します。そして誰が、何を、いつ、どう、どの優先順位で進めるかを一つの場所にまとめるため、情報量が非常に多くなり、作成にもより時間がかかります。

業務マニュアル

業務マニュアルとは業務の手順・作業方法をまとめた文書を指します。業務内容一覧と違って、細かな説明があり、マニュアルを読むことでスタッフは基本的に業務を進めていけることを前提に作られています。

業務マニュアルの作成はoctpathがおすすめです!

業種別・業務内容一覧

業種別・業務内容一覧

業務内容一覧はその内容、目的によって必要項目が大きく変わります。最後に業種・業界別で一般的にどのような内容が記載されるのか一例を紹介します。どこから手を付けていいかわからないという人はぜひ参考にしてみてください。

DX化プロジェクト

DX(デジタルトランスフォーメーション)では、古いシステムや管理体制に対して、新しい技術を導入することが前提になるため、実際の導入作業の他に、現状の把握や導入後のスタッフ教育なども業務内容に含まれます。

【項目の例】

大項目 中項目 小項目
全体戦略 技術導入 クラウド
AI
ビッグデータ
トレーニング デジタルリテラシー指導
クラウドの使い方指導
AIの活用法指導
現状の把握 旧システムの利用状況
移行前の情報管理状況確認

マーケティング

マーケティング業務では、戦略レベルから広告クリエイティブの作成など細かな業務が数多く含まれます。そのため組織全体ではなく、マーケティング部署やプロジェクトに特化した業務内容一覧を作成することをおすすめします。

【項目の例】

大項目 中項目 小項目
マーケティング戦略 広告戦略 検索広告
動画広告
交通広告
SNS インスタグラム
Lineマーケティング
インフルエンサー
その他 ニュースレター
チラシ

人事・労務業務

人事に関連する業務は採用、労務から研修まで幅広く多岐にわたり、小規模から中規模の会社では、総務担当者が兼任をすることもあります。他部署と連携する業務が多いため業務内容一覧の作成が役に立ちます。

【項目の例】

大項目 中項目 小項目
人事業務 採用 採用広告
応募書類の選考・管理
面接管理
採用結果の管理
労務 報酬制度の管理
人事評価制度の管理
福利厚生
人材育成・研修 新人研修
コンプライアンス研修

業務内容一覧を活用しよう

業務内容一覧を活用しよう

業務内容一覧はビジネスのさまざまな場面で必要になる重要なツールです。組織の規模やプロジェクトの内容によって細かな内容は異なるものの、どのビジネスでも大枠のフォーマットは類似しているため、この記事で紹介したフォーマットと手順に沿って作成をすれば、簡単に分かりやすい一覧が完成します。

業務内容一覧をつくる過程で業務の洗い出しをおこなうため、業務改善のきっかけを見つけることもできるでしょう。一度しっかりとした表をつくれば、プロジェクトの管理がスムーズになり、業務の効率を大幅にアップさせることができるので、ぜひ活用してみてください。

投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。