2024.03.11
業務アプリとは?アプリの種類から使うメリット・導入例まで詳しく解説!
近年、会社でのスマートフォン・タブレット導入やリモートワーク推進による働き方の変化が起きています。業務内容の変化に対応して、様々な作業の業務効率化に対応できる「業務アプリ」が次々登場しています。業務アプリは多くあり、導入を考えていたとしても、どのアプリが会社に最適か見つけるのは難しいです。本記事では、業務アプリの種類や選び方・導入事例をくわしく解説していきます。
目次
業務アプリとは?
業務アプリとは、企業の業務を効率的に処理するために、開発されたアプリケーションです。業務アプリは開発会社が作成・販売している製品があります。他にも、作成依頼して会社に必要な機能を取り入れた独自の製品まであります。アプリごとに搭載されている機能は異なり、企業は必要に応じて最適な製品を選ぶことが可能です。自社が行っている業務の改善点を洗い出して、業務効率化するには、どのような機能がある業務アプリが必要なのか確認しましょう。
最適のものを確認!業務アプリケーションの一覧
業務アプリは「基幹系システム」と「情報系システム」の2つに区分されます。「基幹系システム」とは業務を実行するために必ず必要なシステムです。「情報系システム」は基幹系に比べて必要性が低いシステムです。さらに、基幹系システムは業界ごとの業務によってアプリの種類が分けられます。例えば、製造業なら「生産管理システム」や「受注管理システム」が該当します。
情報系も含めると、アプリの種類は大きく以下の7つになります。
種類 | 概要 |
---|---|
生産管理システム | 資材の在庫・納期を管理するシステム。 製造業で主に使われる。 |
販売管理システム | 会社の商品やサービスを販売管理するシステム。 小売業・卸売業で主に使われる。 |
在庫管理システム | 自社の抱える在庫数を管理するシステム。 余剰在庫や売切を防ぐ。 |
受注管理システム | 商品の受注に関する業務を管理するシステム。 ユーザーからの注文内容などを管理する。 |
財務・会計システム | 会社の会計全般を管理するシステム。 手入力によるミスを防ぐ。 |
人事給与システム | 人事業務を自動化して管理するシステム。 社員の給与やシフト管理を行う。 |
情報系システム | 会社内での連絡を円滑にするシステム。 メールソフト・社内SNSなどが該当する。 |
7種類の業務アプリについて、それぞれ解説していきます。
生産管理システム
生産管理システムは、原材料・資材の購入や在庫・納期を管理するシステムです。
製造業で主に利用され、商品の詳細な受注数や販売見込み量を予測してくれます。予測したデータを元に、商品を利益が見込める原価・数量で購入が可能です。また、必要な確保在庫量を予測してくれるので、余剰在庫を抱える心配はありません。ユーザーの求める商品数も分析して見積もるため、品切れを防止します。生産スケジュール管理も行ってくれるので、各工程の状態をデータとして把握して、安定した生産状況を生み出せます。
販売管理システム
販売管理システムは、商品やサービス販売を管理するシステムです。
提供する商品の販売価格、商品名、JANコードなど販売に関する情報を登録できるので、入力業務を軽減できます。さらに、商品情報の管理を自動化することで、手入力による入力ミスやトラブルを削減できます。商品管理だけでなく、案件ごとに見積・請求が可能です。取引先ごとに見積書・請求書を作成して、誤送信や請求忘れを防止できます。蓄積した顧客データを分析して、受注・販売予測ができるメリットもあります。
在庫管理システム
在庫管理システムは、会社内の商品の保有在庫をデータ化して、過不足ないように管理するシステムです。
必要に応じての生産やコストの調整も可能で、在庫の棚卸や欠品が発生による管理コストを削減できます。在庫を登録する際は主にバーコードやQRコードを読み込んで、在庫管理システムが在庫情報を更新します。バーコードを読み込んだ商品の検索もできるので、現場の業務効率化が可能です。
在庫管理システムは、製品ごとに目的用途が異なります。例えば、管理者が多い会社には、複数人で複数の拠点の在庫管理ができるアプリがおすすめです。目的にあったアプリを選ぶことで、効率化を促進できます。
受注管理システム
受注管理システムは、商品やサービスの受注に関する業務を管理するシステムです。受注管理はこれまで、受注のみに対応していました。現在は、受注から出荷まで管理してくれる製品が増えました。顧客からの受注内容を確定して、商品出荷・サービスの提供までへのスムーズなデータ共有が可能です。受注内容が確認できるため、在庫管理システムと連携して、在庫を調整でき、過不足なく商品を用意できます。取引先に注文確定メールや発注時メールを自動的に送信されるので、受注業務の作業軽減も可能です。
財務・会計システム
財務・会計システムは、会社の業務で発生した経費や売上などを管理するシステムです。
会社の業務の際にかかった経費や売上を入力することで、貸借対照表・損益計算書などの書類を自動で作成可能です。書類を自動作成してくれるので、実業務が不備のチェックのみになります。手入力や書類作成などの業務から開放されるのは大きなメリットです。
書類作成以外にも、会社の経済状況を分析・予測が可能なので、経営方針を決めやすいです。
財務・会計システムはアプリによって、法令改正や消費税増税に対して自動で更新してくれる製品もあります。他にも、税金の申告表を作成する製品もあるので、用途にあったアプリを選びましょう。
人事給与システム
人事給与システムは社員の給与計算や人事評価を管理するシステムです。
人事給与システムを導入することで、社員の勤務形態や勤務日数を一人ひとり確認する必要がなくなります。
社員管理以外にも、給与計算が自動化されるので、作業量の削減と手入力によるミスを防止できます。
人材ごとのスキルや資格を登録できるので、効果的な人材配置やトレーニングが可能です。社内制度が違う系列会社ごとの人材情報を共有可能なため、系列会社内で人材を無駄なく活用できる機能もあります。
勤怠管理についても、パソコンやスマホなどで出退勤できる機能の製品もあります。昔ながらのタイムカードでの打刻を行っている会社の場合、導入することで出退勤の修正が容易になり、打刻忘れも防止可能です。リモートワークを検討している会社も、家にいながら打刻ができ、管理がしやすいのでおすすめです。
情報系システム
情報系システムは、特定の業務に対してではなく、業務全般をスムーズに行うためのシステムです。主に社内SNSやメールソフト・グループウェア・スケジュール管理などが情報系システムに該当します。
情報系システムを導入することで、従業員同士のコミュニケーションを円滑にできます。情報の共有も可能なので、効率的に業務が可能です。
特定の業務に対してのシステムではないので、システム障害やバグ発生により使えない場合でも、業務に大きな支障が起きないのも特徴です。連絡ができなくなるなどのデメリットは起きますが、別のもので代用できるので、問題なく業務を行えます。
業務効率化に繋がる業務アプリのメリット4つ
業務アプリは導入することで以下の4つのメリットがあります。
- 業務効率化が可能
- 属人化を防げる
- リモートワークでも管理可能
- データの蓄積・予測が可能
業務アプリの導入を検討する際には、メリットを確認して、会社の業務に必要か判断しましょう。
業務アプリを導入する4つのメリットについて説明していきます。
①業務効率化が可能
メリット1つ目は、業務アプリを導入することで、今までの業務を効率化できる点です。
現在、既に業務アプリを導入している会社は増えています。増えている会社がある中、未だに紙で情報共有を行っていたり、表計算ソフトを使って人事や会計の管理をしている会社は少なくないです。紙や表計算ソフトで管理していると、手入力で行うので作業に時間がかかり、誤記入・誤入力や確認ミスをなどのトラブルが発生しやすいです。
業務アプリを導入すると、情報共有や人事・会計の管理をシステムで自動化できます。管理を自動化することで、手入力の作業がほぼなくなり、ヒューマンエラーを防止可能です。トラブル防止以外にも、作業削減により浮いた時間を別の業務に振り分けられるのもメリットです。
②属人化を防げる
メリット2つ目は、業務を誰でも行なうことが可能なため、属人化を防止できる点です。
特定の業務をベテラン社員個人で担当している会社はまだ多いです。業務を個人に集中させている状態を属人化といいます。属人化が起きると、業務担当の社員が病気や事故の際に、長期で不在になると、対応できる社員がいないため業務に支障をきたします。業務アプリを導入することで、業務の流れや仕組みのマニュアル化が可能です。業務担当の社員が不在でも、他の社員が対応できるため、属人化を防止できます。
他にも、マニュアル化しているため、担当社員が異動や退職した場合、引き継ぎが容易な点もメリットです。
③リモートワークがしやすい
メリット3つ目は、業務アプリを導入することで、リモートワークを問題なく行える点です。
リモートワークはコロナ過もあって、珍しくなくなり、取り入れている会社も増えてきました。
社員はパソコンやスマホに業務アプリを導入することで、家でも会社とほぼ同じ状態で勤務ができます。
リモートワークを問題なく行うために業務アプリを導入する際は、人事給与システムや情報系システムを入れるのがおすすめです。人事給与システムを使い、出退勤の打刻を家でも行えるようになります。情報系システムは社内SNSやグループウェアが使用可能なので、会社と家での社員同士のコミュニケーションや業務の情報共有ができるようになります。
④データの蓄積・予測が可能
メリット4つ目は、データを集約・蓄積することで、将来のマーケティングを予測できる点です。
会社ごとで紙での情報管理をしてるところ、規模が大きくなり各部署で情報管理のシステムが違い、共有が難しいところも少なくありません。
業務アプリを利用することで、紙などのアナログな手法での情報や会社内のまとまっていないデータを集約・蓄積できます。蓄積したデータを分析することで、どの時期に売れている商品があるのかが見えるようになります。売上状況が見えるようになるので、将来のマーケティングや生産計画が予測可能です。
スマホでも使える?業務アプリを選ぶポイント
業務アプリは、数多くの種類があり、会社内の業務の種類によっては使用用途が細かく分かれます。アプリを導入することで、業務の自動化による効率化、コストを削減する効果が期待できるでしょう。
しかし、実際に業務アプリを導入する際は、注意点がいくつかあります。注意点を気にせずに行うと、「アプリの操作がしづらい」「業務に必要な機能が足りない」など、現場が混乱し、結果的に余計なコストがかかるでしょう。
失敗せず業務アプリを導入するために、以下の4つの選ぶポイントを紹介いたします。
- 会社に必要な機能が実装されているか
- 問題なくアプリが動く環境か
- ストレスなく操作できるか
- セキュリティ対策に欠点はないか
選ぶポイントを押さえて、会社に合ったアプリを選びましょう。
会社に必要な機能が実装されているか
業務アプリを選ぶ際には、会社が求める機能が実装しているか確認が必要です。
業務アプリは製品ごとに機能が異なります。なかには、無料の製品がありますが、基本的な機能のみ実装されている場合が多いです。基本的な機能のみで問題ないのであればいいですが、有料の製品の方が実装されている機能が豊富に選べます。機能が豊富に選べる分、会社の業務に必要ない機能もある業務アプリもあります。有料版の業務アプリを導入する際は、業務の改善点を洗い出して、アプリの機能が業務に対応しているか確認しましょう。
問題なくアプリが動く環境か
使用したい業務アプリがある場合は、会社の端末で問題なく動く環境なのかが大事です。
社内のパソコンに導入したい時に、OSやパソコン自体が古いと、スペックが足りずに使えるはずの機能が使用不可の場合や、アプリ自体が使用不可の可能性があります。
スマホやタブレットなどのモバイル端末も同様です。出先や家から使いたくても、使用機種が古くて使えないと、業務アプリを導入する意味がないです。さらに、アプリを使えるようにパソコンやモバイル端末を新しく買い替えると、アプリ導入による費用とは別に多大な費用がかかります。
業務アプリを導入する際には、使いたい機能だけでなく、そもそもアプリが使える環境か必ず確認しましょう。
ストレスなく操作できるか
業務アプリは毎日の業務に使われます。どれだけ効率化できる機能があっても、誰でもストレスなく操作できなければ導入する意味はありません。
IT技術が広く普及して、パソコンやスマホが当たり前の時代ですが、いまだに機械が苦手な人は少なくないです。機械が苦手な人でも問題ないように、業務の流れがに沿ったボタン配置なのか、簡潔で見やすい表示画面なのか確認しましょう。
また、動作速度も大事です。入力や読み込み速度が遅いと、業務効率化にも繋がらないうえ、社員はストレスが貯まります。動作速度はデバイスの環境や通信状況で変わりますので、問題なく動くか試してみましょう。
セキュリティ対策に欠点はないか
業務アプリは会社のパソコンやスマホなどのモバイル端末に入れるため、セキュリティ対策は必須です。
業務アプリは会社の情報やクライアントの情報を扱います。そのため、情報漏洩やハッキングなどの不正行為の対策をしている製品は多いです。アプリを選ぶ際は、どういうセキュリティ対策が施されているか確認しましょう。セキュリティ対策の内容や堅牢さを認証する第三者機関の記載がある製品が販売されているので、安心して使う場合は記載されてる製品を使うのが確実です。
ただし、セキュリティ対策が問題なくても、会社のセキュリティ規約と利用条件が合わない場合もあるため、業務アプリを導入する際は会社規約と合わないかどうか注意しましょう。
会社自作のアプリなどで効率化!業務アプリの導入事例3つ
業務アプリの導入事例は、主に以下の3つがあります。
- 既存品を利用する
- 外部業者に開発依頼をする
- 会社自作でアプリ開発
どの事例もメリット・デメリットがあります。既存品の利用であれば、導入が簡単ですが、会社と合わない可能性があります。外部業者に開発依頼するなら、会社に合った機能を入れられますが、既存品より導入コストがかかります。メリット・デメリットを確認したうえ、会社の状況に合わせて選びましょう。
①既存品を利用する
導入事例1つ目は、既存の業務アプリが数多くあるので、その中から活用するケースです。
既存の業務アプリは、システム開発会社が専門家でなくても使えるように開発しています。機能の汎用性が高いうえ、完成されている状態で導入が可能です。システム開発会社に開発依頼するよりも、導入コストを抑えられます。アプリの導入から運用開始までの時間もかからないため、すぐに業務アプリを活用できるでしょう。
デメリットとして、完成されている状態なため、実装されてる機能が会社と合わない可能性があります。必要な機能と実装されているアプリの機能を比べて、導入を検討しましょう。
②外注業者に開発依頼をする
導入事例2つ目は、既存の業務アプリで対応できない業務のために、外部のシステム開発会社に開発依頼をするケースです。
システム開発会社はアプリ開発に関する専門家です。既存の製品にはない複雑な業務アプリや大規模な業務アプリなど、要望に合ったアプリ開発を行ってくれます。デメリットとして、開発依頼する場合、既存の業務アプリを導入する場合よりも導入コストがかかります。開発依頼する際は、導入コスト以外にも、運用後の維持コストもかかることも検討する必要があります。
基本的な業務の効率化は、既存の業務アプリでも対応可能です。しかし、特殊な業務をしている会社や大規模な業務をしている会社の場合、既存のアプリでは対応しきれない可能性があります。既存のアプリで業務効率化ができない場合は、外部に開発依頼するのがおすすめです。
③会社自作でアプリ開発
導入事例3つ目は、維持コストなどを抑えるために、会社でアプリ開発を行うケースです。
会社でアプリ開発して導入する場合、1番のメリットとして、会社にマッチした業務アプリが作りやすい点です。自社開発なので、いらない機能を除き、必要な機能だけを実装できます。コストも既存の業務アプリへの使用料がかからないので、運用後の維持コストが下がります。会社内での開発なので、会社の情報やクライアント情報などの大事なデータを保全可能です。
様々なメリットがありますが、デメリットもあります。業務アプリを開発するためには、システム開発の専門家が必要な点です。専門家がいないと、そもそも開発すらできないです。時間に関しても、1から開発のため、既存品の導入に比べて、導入に時間がかかります。自社開発になるため、システム障害やバグが発生した場合、すべて自社での対応が必要です。
システム開発の専門家がいる会社や維持コストを下げたい場合は、自社開発を検討してみましょう。
最適な業務アプリを選んで効率化を行おう
ここまで、業務アプリのメリットや導入事例について解説してきました。業務アプリの導入には、業務効率化以外にも、属人化を防止できるなど大きなメリットがあります。アプリの導入事例も、会社内で開発する方法があり、会社ごとにできるやり方を選択可能です。
メリットは多いですが、実際にアプリを導入する際は、必要な機能が実装されているのか、どの社員でもストレスなく使えるアプリかなど、注意する点があります。
他にも、業務アプリは数多くの種類があり、必要な業務に対して一気に導入すると、アプリ同士で不具合を起こす可能性があります。導入することを目的にするのではなく、どう業務効率化すべきかイメージして、少しずつ進めましょう。
投稿者
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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